初めての子育てにも関わらず、家事も育児も手際良くこなし、不安がなさそうに見える吉村さん。でも、最初からうまくできたわけではありませんでした。子どもが生まれたばかりの頃と今とではどんな変化があったのか、子育てをしながら何に気づくことができたのか?もうすぐパパ3年目に突入する吉村さんの成長過程を聞きました。
■Profile
吉村 和彦(よしむら かずひこ)さん
シティ情報ふくおか/制作・イベント企画・運営
1993年生まれ。福岡県糸島市出身。福岡市西区在住。大学卒業後、アプライドにて営業、採用活動に携わる。3年前より同社にて福岡の地域情報誌「シティ情報Fukuoka」の制作や街の魅力を発信するイベント企画・運営、Webメディアの活性化等を担当。現在、妻の実紀(みき)さんと、2歳10ヶ月の男の子、羽晴(はる)ちゃんの子育てに奮闘中。
初めての連続に戸惑った
――お二人の出会いをお聞かせください。
仕事で1年、広島にいたときに出会いました。同僚と居酒屋で飲んでいたときに同じ店に妻も友人と来ていて、後日4人で会うことになって。妻とは特に共通の趣味などがあったわけではないのですが、なんとなく気が合って付き合い始めました。付き合ってすぐに僕が福岡に転勤になったので半年ぐらい遠距離の時期もありましたが、その後、妻が看護師の仕事を辞めて福岡に来てくれて、約1年で結婚しました。
――すぐに距離が縮まったんですね!子どもができたことを知ったときの気持ちはいかがでしたか?
僕も妻も、最初は戸惑いが大きかったですね。産院に通ったり、子育てに関する本を読んだりして、情報を集めました。あとは、周りに子どもがいる友だちが多かったので話を聞いたり、使えるものをもらったり、サポートしてもらいました。
――出産前のご夫婦それぞれの心の変化、日常生活の変化などはどうでしたか?
妻はつわりがひどいほうで、1日に蒸しパンを1つ食べられるかどうかぐらいで。僕が部屋で食事をしていると、その匂いだけでも気持ち悪くなってしまうので、その間は外食するようにしていました。話しかけたり、何か食べ物を買ってきたりするよりは、要望があるときにそれに応える方が、妻にとっては良かったみたいです。つわりの程度は人それぞれだと思うので、どんなサポートが必要かは2人で確認することが大切ですね。
妊娠2、3ヶ月目が特にしんどかったようで、妊娠5ヶ月ぐらいでやっと落ち着きました。それからは、長時間の外出は控えるといったことには気をつけていたと思います。
――出産には立ち会われましたか?
はい、丸1日ぐらい陣痛が続き、帝王切開になりました。帝王切開って普通はあまり立ち会わないそうですが、その病院では立ち合いできて。手術している様子を見るので、正直、倒れそうでした(笑)。
――それは貴重な経験でしたね。初めて子どもを抱いたときはいかがでしたか?
とても感動しました。手が震えて、落としてしまいそうで、繊細なガラスみたいなものを扱っているような気持ちだったのを覚えています。
家事と育児は別の競技
――家事や育児はどのように分担していますか?
平日の日中は妻が家事・育児をしてくれているので、僕は朝仕事に行く前と仕事から帰って来てからするようにしています。土日は、妻が予定を入れて自分の時間を使えるように、子育て、料理、掃除など全て僕が担当します。
休日の朝、子どもが7時ぐらいに起きてくるので、まずオムツを変えて、子どもがアンパンマンを見たりしている間に僕は朝ごはんを作ります。それから、片付けと洗濯、掃除をするのが休日の午前中のルーティンです。
――家事も育児もうまくこなしていらっしゃるようですが、最初から順調だったのですか?
いえ、家事はもともと苦ではなかったので、同じように子育てもうまくいくと思っていたんですが、初めは簡単じゃありませんでした。これ、よく聞く話だと思うんですが、僕はやってるつもりでも、妻からしたらやってないと思われることがあるんですよね。今でこそ僕も子育てと家事をこなせるようになりましたが、実は、離乳食の時期はずっと妻が作っていました。そのとき僕は子育ての代わりに掃除と洗濯をしていたんですが、子育てに関わっていなければそれはやったうちに入らないんです。やっぱり子育ては他の家事とは比べることができないくらい大変なものだと思います。
――他の家事と子育ての大変さはどのように違うと思いますか?
子どもにつきっきりにならないといけないところですね。洗濯や掃除は手を止めることができますが、子どもはちょっとでも目を離すことができません。以前、ベッドに子どもを寝かせていて、クローゼットを開けるためにほんの少し目を離した隙にベッドから子どもが落ちたことがあったんです。すごい声で泣いていて、そのときは人生で1番焦りました。最近は、走ったり飛び跳ねたりするようになったので、近くに買い物に連れて行くときも一瞬でも目を離せなくて、子どもの足をしっかり押さえたままお会計をするようにしています(笑)。
それから、ご飯を作ったり着替えさせたりする他にも予防接種などもあり、思っている以上に細かいことまで理解しないといけないのも大変です。することが多すぎて、どこからやっていいか分からないというのが男性陣の本音だと思います。日々、妻とぶつかりながら、妻の指導を受けながら、やっとここ1年ぐらいで慣れてきて、僕自身変わることができたというところです。
自分の時間も大切にしながら、子育てに力を注ぐ
――経験を積むうちにパパとして成長されたんですね。子育てで工夫していることはありますか?
2人で息抜きの時間を作ることでしょうか。妻が時々子どもを連れて実家に帰ることがあって、それが妻にとっても息抜きになっているみたいですし、僕も友達と会うなど自由に過ごすことができます。たまにはそんな時間があると、お互いリフレッシュできて、また仕事や育児も頑張れます。
――羽晴ちゃんはもうすぐ3歳ですね。今ハマっている遊びはありますか?
子どもが生まれる前によくキャンプに行っていたので、家にキャンプグッズがたくさんあるんですが、その器や小鍋に子どもが興味を示していました。それを見て、おもちゃのキッチンセットを買ってみたら大当たりでした!大きいキッチンセットで料理をして遊ぶのが好きみたいです。あとはプラレールでもよく遊んでいます。
――吉村さんが普段料理をしている姿を見て料理に興味が出たのかも…?これからどんなふうに育ってほしいですか?
まずは健康が1番ですね!それから友達をたくさん作って欲しいです。僕自身、多くの友達と楽しく過ごしてきたので、子どもにも周りに恵まれるような子に育って欲しいと思います。学力や運動も大切かもしれませんが、それ以上に、友達との良い関係を築いて欲しいです。
――最後に、これからパパになる人たちや子育て中のパパにメッセージをお願いします。
今僕と同じように子育てに奮闘しているパパたちには「奥さんの機嫌をとりながら、配慮を忘れず、子ども大優先で一緒に頑張りましょう!」と言いたいです。
そして、これからパパになる人へ。僕は子どもが生まれる前の準備についてはほとんど覚えていません。妻はしっかり覚えているのかもしれませんが…。事前準備も大切ですが、結局生まれてからしか分からないことの方が多いと思うので、そこにはあまり気を張りすぎなくて良いんじゃないでしょうか。夫婦で気兼ねなく過ごせるのは子どもが生まれる前が最後なので、2人で過ごす時間を大切にしたり、今のうちに友達と会ったりしておくのがおすすめです!生まれてからしっかり子育てに専念したら良いと思います。
取材後記
お子さんが生まれてから夫婦がぶつかることは増えたけど、仲の良さはずっと変わらないというお二人。周りからも仲が良いと言われる程なのだそうです。お互いを思いやって家事や育児をうまく分担したり息抜きの時間を作ったりすることで、良い関係を保ちながら過ごされている印象でした。今、マイホームを持つことも検討されており、これからますます楽しい家族の時間が待っているようです!
長澤由紀
フリーライター・エディター
福岡県久留米市出身。明善高校、福岡女子大学卒業後、株式会社アヴァンティで2年間雑誌・Web媒体の編集に携わる。その後、ライター・エディターとして独立。K-POP鑑賞と韓国旅行が好きな“韓国オタク”。