戸建てを希望する方のなかにも、「上下の移動はしたくない」と思われる方は多いよう。特に、小さなお子さんのいるご家庭やシニア層などは、マンションのような「ワンフロア」が暮らしやすいと感じられるのではないでしょうか。今回は、近年人気を集めている「平屋」ならではの魅力と収納不足を解決するアイデアをご紹介します。
「平屋」とは?
平屋とは、階段がなくワンフロアで暮らす一階建ての家のこと。シニア層に人気の住まいというイメージがありますが、近年では世代を問わず平屋を選ぶ方が増えているのだそう。
もともと日本の住まいは平屋が多く、平屋の家にはどこか懐かしさを感じさせますよね。モノを持ちすぎない「シンプルなライフスタイル」を求める方にとっても、ミニマルに暮らせる平屋に魅力を感じる方は少なくないでしょう。
でもなぜ今、平屋は幅広い世代に選ばれているのか。
その秘密を探るべく、平屋ならではの魅力を紐解いていきます。
シームレスな暮らしを叶える。「平屋」の魅力
1.家族のコミュニケーションが取りやすい
平屋は、ワンフロアで暮らすスタイルのため、家族の距離が必然的に近くなります。たとえば、オープンなLDKの間取りにすれば、料理などの家事をしながらお子さんの様子を見守ることができます。またほかの部屋にいても、平屋はフラットな間取りで繋がっているため家族の気配を感じやすいのも魅力です。
家全体を見渡しやすい平屋は、家全体に目が行き届きやすいのもメリット。ワンフロアでそれぞれの部屋が繋がっているため、行き来もしやすく移動距離が短いこともコミュニケーションの取りやすさに繋がります。
2.家がより広く感じられる
平屋は、庭やウッドデッキなど屋外とシームレスに繋がれることも魅力のひとつ。屋内外が緩やかに繋がることで、家がより広々と感じられます。平屋だからこそ、自宅の敷地内で外内の垣根なく行き来しやすいため、ガーデニングなどを気軽に楽しめるのも嬉しいところです。
また平屋で「広さ」を感じられるポイントはほかにも。1階建ての住まいでは階段が不要なため、その分スペースを別の部屋に使うことができます。天井をやや高めに設計することで、抜け感のある開放的な空間をつくれることも魅力です。
3.「ワンフロア」なのでシンプルな動線になる
生活をするために家のなかで人が動く軌道を「動線」と言います。平屋が暮らしやすいと感じる理由のひとつが、この動線が「シンプル」であること。
たとえば、洗濯物を洗って干すまでの距離が短いこと、料理をして食卓に出すまでがスムーズに動けることなど「家事動線が短くスムーズ」であることは、暮らしやすさに直結します。
平屋はワンフロアで構成されており、階段の往復がなく間取りを工夫すれば部屋同士の距離も短くできるため「シンプルな動線」が叶うのです。
「平屋」の収納不足はどう解決する?
ここまで平屋の魅力をご紹介してきましたが、コンパクトな住まいで気になるのは「収納不足」ではないでしょうか。やはり平屋は2階建ての家に比べて、全体の部屋数や面積は狭くなる傾向があります。
でも先ほどもご紹介したように階段をつくる必要がないため、その分のスペースで収納をつくることも可能です。また「上部空間・床下スペースを有効活用する」こともポイントに。ここでは、平屋の収納不足を解消する2つのアイデアをご紹介します。
1.ロフト・小屋裏収納をつくる
階段がなく上下に移動しなくてよいのが平屋のメリット。ですが、収納不足を解消するためには小さくても上部のデッドスペースは見逃せません。平屋の家で取り入れられている、上部空間の活用アイデア例はこちらです。
・部屋の一部を二層式にした上部の空間「ロフト」
天井を高くして上部空間を有効活用するアイデア。収納として使うだけでなく、ワークスペースや趣味部屋としても使えます。
・屋根と天井の間につくる「小屋裏収納」
平屋ならではの天井高を生かしてつくられるのが「小屋裏収納」。家族のモノを集められる大容量の収納が生まれます。
これらは建築基準法で、床から天井までの高さが1.4m以下、面積が下の階の1/2未満であることが定められています。通常の居室よりは小さな空間ですが、使い方は無限大。平屋の家で住空間をより広々と使いたい、余すところなく空間を有効活用したい、という方は検討してみてはいかがでしょうか。
2.床下収納をつくる
住空間を削らず収納スペースを確保するなら、床下収納を取り入れるというアイデアも。ただし、床下は湿気がこもりやすいため、「収納できるのは湿気に強いモノ」と限られてしまいます。洗剤などの日用品ストックや年に数回しか使わない調理器具など、湿気の影響を受けにくいモノに絞り、予め何を収納するのかを決めて床下収納のサイズを検討してみてはいかがでしょうか。
家族の距離が近づく「平屋」の暮らし
屋内外、そして部屋同士も「シームレスに繋がっている」ことが平屋の魅力。家のなかで行き来がしやすいと暮らしやすくなるだけでなく、家族のコミュニケーションも取りやすくなり家族の距離もぐっと近づくはずです。
広々としたLDKや大きな窓、そこから繋がるウッドデッキや庭など、住まいの開放感は平屋ならではのメリットではないでしょうか。あなたも、家族構成や理想のライフスタイルに合う住まいづくりのご参考になさってみてはいかがでしょうか。
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- インテリア
伊野奈緒美
フリーライター Naomi.Sping代表
ライフスタイルメディアをはじめ、企業サイト、Webマガジンなどでインテリア・ライフスタイル系記事を執筆。自身も地元福岡を応援すべく、福岡ライフスタイルメディア「福岡暮らすFUKU-KURA(フククラ)」を運営。職住融合のワークス
タイル経験を生かし「仕事×子育て×心地よい暮らし」のアイデアを届ける。【保有資格】文部科学省後援リビングスタイリスト1級/リフォームスタイリスト3級/
カラーコーディネーター2級
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