SNSやWEBサイトを中心に、「蛙化現象」という言葉が話題になっているのをご存知でしょうか?近年、この蛙化現象によって、恋愛がうまくいかないと悩んでいる女性がたくさんいると考えられています。
今回は蛙化現象が起こる理由や起こりやすい人、克服するための心構えについて解説します。心当たりのある人は参考にしてください。
蛙化現象とは?名前の由来や多くの女性を悩ませる症状などの基礎知識
「蛙化現象」という言葉を初めて耳にした人も多いかもしれません。まずは言葉の意味や由来について説明します。
「蛙化現象」に特徴的な症状
蛙化現象によって、どのような症状が現れるのでしょうか。考えられる症状として、以下のようなものがあります。
蛙化現象の症状1:相手を好きなのに「気持ち悪い」と思ってしまう
蛙化現象の代表的な症状として、相手を「気持ち悪い」と思ってしまうことが挙げられます。単に相手に興味が持てない、気持ちが冷めたというだけでなく、生理的な嫌悪感が湧いてくることが多いのが特徴です。
相手の顔を見たくない、同じ空気を吸いたくない、一緒にいるとイライラするなど、相手のことをあからさまに不快に感じるケースもあります。
蛙化現象の症状2:自己嫌悪感に陥る傾向がある
蛙化現象が起こると、相手に対して嫌悪感を持つだけでなく、自分に対しても嫌悪感を持つことがあります。自分から好きになって告白をしたのに相手を嫌いになってしまった場合には、「相手に申し訳ない」と自己嫌悪に陥ることもあるでしょう。
相手を騙してしまったような罪悪感を感じ、恋愛に対する自信をなくしてしまうことも考えられます。
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蛙化現象は女性特有?男性には起こらない?
男性でも、好きになった女性と付き合い始めると、気持ちが冷めてしまうという人はいるでしょう。男性の場合、狩猟本能から「この女性を落としたい」と一生懸命になっても、手に入った途端「釣った魚にエサはやらない」という状態になることがあります。
ただし、男性は女性に対し、突然の生理的な嫌悪感のようなものは持たないと言われています。そのため、女性の蛙化現象とは区別して考えた方がいいでしょう。
「蛙化現象」の定義
蛙化現象とは、ずっと好きだった男性が振り向いてくれた途端、相手のことを「気持ち悪い」と感じてしまう現象を意味します。
「片思いから両思いになると突然相手のことが嫌いになる」という一見矛盾した心理で、主に女性に発現するものだと考えられています。
単に相手に興味がなくなるというだけでなく、生理的な嫌悪感を抱いてしまうことが多いのが特徴です。
「蛙化現象」の読み方と語源
「蛙化現象」は「かえるかげんしょう」と読みます。「蛙化」の由来は、グリム童話の「カエルの王様」です。「カエルの王様」のあらすじは、次のようなものです。
「蛙化現象」の由来となった「カエルの王様」のあらすじ
ある国の王女が、金の毬(まり)を泉に落としてしまいます。そのとき泉から醜いカエルが現れます。カエルは「自分と寝食を共にしてくれたら、毬を拾ってあげる」と言い、王女は了承して毬を拾ってもらいました。しかし、カエルに毬を拾ってもらった王女は、カエルとの約束を無視してお城に帰ってしまいます。
翌日、カエルはお城にやってきて、王女に約束を守るよう要求します。王女は父親である王にも叱られ、しぶしぶカエルと一緒に寝室に行きました。けれど、王女は嫌悪感からどうしてもカエルを受け入れられず、壁に投げつけてしまいます。
するとカエルの魔法が解け、立派な王子の姿に戻ったのです。王子になったカエルと王女は恋に落ち、やがて結婚しました。
「カエルの王様」が「蛙化現象」の由来となった理由・背景
この物語では、気持ち悪いと思われていたカエルが最終的に王子になっています。蛙化現象の場合は反対に、いわば王子だった相手がカエル(嫌悪感を抱く存在)になります。物語とは逆の現象ですが、同じ対象への気持ちが正反対に変化するところに着目して、「蛙化現象」という名前が付いたものと考えられています。
蛙化現象は病気ではないが、本人にとっては深刻な悩みになり得る
蛙化現象は病気ではありません。しかし、繰り返し蛙化現象を起こしてしまった人は、「自分は恋愛ができないのではないか?」と真剣に悩んでしまうこともあるでしょう。また、この現象を引き起こす人は、若い世代に特に多いとされているため「このままでは一生結婚できないのでは?」と不安を感じる人もいるかもしれません。
蛙化現象はSNSで話題になり、多くの女性に浸透した
蛙化現象はSNSなどのインターネットを中心に、近年話題にのぼるようになったものです。蛙化現象を起こしてしまった人の投稿を読んで、「自分も同じ」と反応する女性が続出し、女性によくある現象として浸透したと考えられます。
蛙化現象が起こる理由は?
好かれると冷めてしまう理由は何なのか、詳しいことはわかっておらず、現状ではさまざまな説が飛び交っています。以下、蛙化現象の原因として言われていることや考えられることを、いくつかピックアップして紹介します。
理由1:両思いになるまでの過程の方が面白いから
一般に、男性は「結果」を重視するのに対し、女性は結果に至るまでの「過程」を重視すると言われています。恋愛においても、女性は両思いになるまでの過程を楽しむという傾向があります。そのため、両思いという結果を得ても、「思っていたほど嬉しくない」と感じてしまうと考えられます。
理由2:両思いになったら次の目標がなくなったから
片思いの間は、相手を振り向かせることが目標になっています。しかし、両思いになってしまうと、次の目標がわからなくなることもあるでしょう。付き合い始めた後の具体的な目標を見いだせない場合に、気持ちが冷めると考えられます。
理由3:理想と現実のギャップに気付いたから
片思いの間は、自分の中で勝手に相手を美化する傾向があります。自分の都合の良いように相手のイメージを作ってしまう状態です。
しかし、付き合うようになると、それまで知らなかった相手のいろいろな面が見えるようになります。自分の思い描いていた相手のイメージと、現実の相手との間にギャップがあれば幻滅してしまうこともあるでしょう。
理由4:自分を好きになった相手に失望したから
好きな人のことを「手の届かない存在」と思っていた場合、付き合うことができても「自分とは釣り合わないのでは…」「彼にはもっと素敵な人が似合うのに、どうして私なんか…」とと考えてしまうことがあります。自分に自信がないからこそ、そんな自分を好きになった相手に魅力を感じなくなってしまうのかもしれません。
理由5:自分が傷つかないようにしたいから
両思いになれるのは嬉しいものですが、恋がずっと続くとは限りません。いつかは別れるかもしれないと考えると、恋愛に臆病になってしまうこともあるでしょう。せっかく振り向いてもらえた相手から離れようとするのは、相手にフラれて傷つくことを無意識に恐れての行動とも考えられます。
理由6:恋愛を受け身に考えているから
恋愛は、相手が自分に何かを与えてくれるという一方的なものではありません。自分は受け身で、相手に対する期待しかなければ、期待どおりでない相手を受け入れられなくなるのも当然でしょう。
「もし両思いになったら、自分は相手に何をしてあげられるか」を考えていないことが、蛙化現象の原因になっているとも言えます。
蛙化現象になりやすい人とは?特徴チェックリストで簡単診断
誰もが蛙化現象を引き起こすわけではありません。蛙化現象になりやすい人の傾向を見てみましょう。以下のチェックリストの中であてはまるものが多いほど、蛙化現象を引き起こす可能性が高いでしょう。
特徴1:恋愛経験が少ない人
男性と付き合った経験がほとんどない人は、蛙化現象を起こしやすい傾向があります。恋愛経験が少なければ、せっかく両思いになっても、その先をどうしてよいかわからないでしょう。「両思いになれたら幸せなはず」という期待が大きすぎて、「こんなはずじゃなかった」と失望してしまうことも考えられます。
特徴2:自分に自信がない人
蛙化現象では、自分のことを好きになった人を受け入れられない状態になります。自分のことを認めてもらえると嬉しいと思うのが一般的ですが、そう思えないのは、自分に自信がないからだと考えられます。つまり、自己肯定感の低い人ほど蛙化現象になりやすいとも言えるでしょう。
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特徴3:理想が高すぎる人
好きになった相手に完璧を求めてしまう人も、付き合い始めると気持ちが冷めてしまいがちです。理想どおりの人などなかなかいないものですが、理想が高く、自分の思い描いていたとおりでない現実を受け入れられない人は、蛙化現象を引き起こしてしまう可能性があります。
特徴4:過去の恋愛でトラウマがある人
昔付き合った相手とうまくいかずに別れてしまった経験がある場合、両思いになっても「また同じことを繰り返してしまうのではないか…」と不安になることがあるでしょう。こうした過去のトラウマによって、好かれても突然気持ちが冷めてしまうというケースが考えられます。
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蛙化現象を予防・克服する方法をチェックリストで確認しよう
良い恋愛をするためには、自分をしっかり持っておくことが大切と言えます。恋愛だけを意識して行動しすぎないよう、まずは自分自身にも目を向けてみましょう。
予防・克服方法1:交友関係を広げる
普段から異性との接触が少ないと、お付き合いをすることになっても戸惑ってしまいがちです。まずはいろいろな人と交流してみるところから始めましょう。
予防・克服方法2:友達から恋愛への発展を目指す
最初から恋愛を意識しすぎるとうまくいかないものです。友達から彼氏に発展することもありますから、興味を持った人とまずは友達になってみましょう。友達として、どういう人なのかがある程度わかっている相手なら、付き合って幻滅するということも少ないと考えられます。
予防・克服方法3:人とのコミュニケーションに慣れる
交友関係を広げることは、彼氏候補を増やすことだけが目的ではありません。人間関係を円滑にするには、コミュニケーション能力が必要です。人との交流が増えるほど、自分のコミュニケーション能力は上がりますから、誰と付き合ってもうまくいくようになるでしょう。
予防・克服方法4:自分を認められるようになる
「自分には好きになってもらえるところなんてない」と思っていると、自分を選んだ相手に不信感を持ってしまったり、「どうせそのうちフラれる」と考えてしまったりする可能性があります。蛙化現象を防ぐためにも、自分で自分を認められるようになることが大切です。
予防・克服方法5:恋愛よりもまずは自分磨き
自分に自信がない人は、今よりも素敵な自分を目指して、恋愛よりも自分磨きを優先してみましょう。自分磨きをすることで自信が生まれ、自己肯定感を持てるようになるかもしれません。今の自分を好きになってくれる相手を探すというよりも、自分がレベルアップした結果として良い相手と結ばれることを目指しましょう。
予防・克服方法6:恋愛を相手任せにしない
両思いになったら、相手が一方的に望みを叶えてくれるものと思っていませんか?人間関係は、持ちつ持たれつのギブアンドテイクです。これは恋人関係でも同じことが言えます。恋愛において相手任せの状態になり、「相手が何をしてくれるか?」という期待ばかりしていれば、必然的に期待を裏切られることになるでしょう。
蛙化現象のまとめ
大事なことは「自分が相手に何をしてあげられるか」
好きな人ができたら、「この人と恋人同士になったら、私は何をしてあげられるかな?」と考えてみましょう。相手に何かをしてあげて喜んでもらえたら、自分も嬉しいものです。相手に喜んでもらえることをモチベーションにしていれば、相手と長く良い関係を続けていくことができるでしょう。
蛙化現象を克服して良い恋愛を
恋愛に慣れていなかったり、自分に自信がなかったりすると、蛙化現象のような状態になっても不思議ではありません。ですが、コミュニケーションの経験値を上げたり、自分磨きをしたりすることで、やがて克服できると考えられます。
自分を幸せにするのは自分です。自分を認めてくれる相手と出会い、主体的に相手との関係を築いていきましょう。
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森本 由紀
AFP(日本FP協会認定)、行政書士、夫婦カウンセラー
大学卒業後、複数の法律事務所に勤務。30代で結婚、出産した後、5年間の専業主婦経験を経て仕事復帰。現在はAFP、行政書士、夫婦カウンセラーとして活動中。夫婦問題に悩む幅広い世代の男女にカウンセリングを行っており、離婚を考える人には手続きのサポート、生活設計や子育てについてのアドバイス、自分らしい生き方を見つけるコーチングを行っている。