結婚するときには、新居の準備や引っ越しなど、まとまった費用がかかります。実は、自治体によっては新婚世帯を対象に住宅費や引っ越し費用を支援する「結婚助成金」を利用できる場合があります。本記事では、結婚助成金の条件や申請方法、福岡県内で利用できる自治体などについて解説します。
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結婚助成金とは

「結婚助成金」(結婚新生活支援事業補助金)とは、結婚費用の一部を補助することにより、若い世代が安心して結婚生活をスタートできるよう支援する制度です。
結婚に伴う新居の購入や賃貸、引っ越しなどにはまとまった費用がかかります。結婚を希望しながらも、経済的な理由で踏み切れない人も珍しくありません。こうした経済的な不安を軽減し、結婚を後押しすることを目的として行われているのが「結婚新生活支援事業」です。
結婚新生活支援事業は、国から交付される「地域少子化対策重点推進交付金」を活用し、自治体(都道府県・市町村)によって実施されています。交付金をどのように活用するかは自治体に任されているため、支援の内容や対象者の条件、注意点も自治体によって異なります。
結婚新生活支援事業は毎年度見直しが行われるため、支援内容や対象となる条件が変更されることがあります。利用を検討する際には、必ずお住まいの自治体の最新情報を確認しましょう。
この記事では、福岡県で結婚助成金に取り組んでいる自治体を取り上げます。
結婚助成金をもらえる条件

結婚新生活支援事業は自治体が実施しているものですが、全国的に共通する基準が設けられています。ここからは、結婚助成金をもらえる条件についてみてみましょう。
結婚助成金の対象となる人
結婚助成金は、若い世代の結婚を経済的に支援するための制度です。そのため、所得や年齢について一定の要件が設けられています。
結婚助成金の対象となるのは、主に次の条件を満たす新婚世帯です。
結婚助成金の対象となる世帯
- 対象期間内に婚姻届を提出していること
- 夫婦の所得の合計が500万円未満であること
- 夫婦ともに婚姻日時点の年齢が39歳以下であること
所得の判定に関して、奨学金を返済していれば、年間返済額を夫婦の所得から控除できる自治体が多くなっています。そのほかに、住民税の滞納がないことや、一定期間その自治体に居住する意思があることなど、結婚や子育てに関する講座の受講などが条件になっている自治体もあります。
結婚助成金の対象となる費用
結婚助成金の対象となるのは、主に新居に関する費用です。結婚生活を始めるために必要な住居費や引っ越し費用の一部について補助を受けられます。
一般的には、以下のような費用が対象となります。
結婚助成金の対象となる費用
- 新居の購入費用
- 新居の家賃、敷金、礼金、共益費、仲介手数料
- 新居のリフォーム費用
- 引越業者または運送業者へ支払った引っ越し費用
結婚助成金の対象として認められるためには、自治体が定める期間内に支払いを完了していることも必要です。申請を検討している場合には、契約書や領収書などの書類を保管しておきましょう。
なお、自治体によっては「地域少子化対策重点推進交付金」を活用し、結婚助成金の支給ではなく、家賃補助などの形で支援を行っているところもあります。
結婚助成金の申請期間
結婚助成金は年度ごとに対象となる婚姻日および申請期間が定められます。ただし、申請期間内であっても、予算の上限に達した場合には受け付けが終了することがあります。早めに申請することが大切です。
結婚助成金はいくらもらえる?

結婚助成金として受け取れる金額は、実際に支払った住宅費や引っ越し費用などの対象経費の範囲内で決まります。ただし、支給額には上限が設けられています。
令和8年度の結婚新生活支援事業では、補助上限額は次のとおりです。
結婚助成金の上限
- 夫婦ともに婚姻日時点の年齢が29歳以下の世帯…60万円
- 上記以外の世帯…30万円
例えば、夫婦ともに29歳以下で、新居の契約費用や引っ越し費用として50万円を支払った場合には、支払額の全額である50万円の補助を受けられる可能性があります。一方、対象経費が80万円だった場合でも、補助を受けられる金額は上限の60万円までです。
福岡県内でもらえる自治体一覧
結婚助成金は、居住している自治体が結婚新生活支援事業を実施している場合にもらえます。自治体によっては結婚助成金以外の支援を受けられるところもあります。
以下のリストは、福岡県内で令和8年度に結婚助成金などの支援が受けられる市町村です(※令和8年6月23日現在の情報です)。
福岡県内で結婚助成金等の支援が受けられる市町村
- 久留米市(結婚新生活支援補助金)
- 柳川市(結婚新生活支援事業補助金)
- 八女市(結婚新生活支援事業補助金)
- 筑後市(結婚新生活家賃支援事業)
- 大川市(結婚新生活支援補助金)
- 豊前市(結婚新生活支援助成金)
- うきは市(結婚新生活支援補助金)
- 宮若市(新婚世帯・子育て世帯新生活支援補助金)
- 朝倉市(結婚新生活支援補助金)
- みやま市(結婚新生活支援事業、新婚世帯・子育て世帯家賃補助制度)
- 岡垣町(結婚新生活支援補助金)
- 遠賀町(結婚新生活支援補助金)
- 小竹町(結婚新生活支援事業補助金)
- 桂川町(結婚新生活支援事業)
- 大刀洗町(結婚新生活支援事業)
- 糸田町(結婚新生活支援事業)
- 川崎町(結婚新生活支援補助金)
- 大任町(結婚新生活支援補助金)
- 福智町(結婚新生活支援事業補助金)
- みやこ町(結婚新生活支援助成金)
- 吉富町(新婚家庭新生活応援補助金)
- 上毛町(新婚世帯・子育て世帯新生活応援助成金)
- 東峰村(結婚新生活支援補助金)
- 芦屋町(新婚世帯の民間賃貸住宅家賃補助制度)
結婚新生活支援事業の内容は毎年更新されます。上記以外の自治体でも、支援が受けられる可能性があります。お住まいの市町村のホームページで、最新情報や注意点を確認してみてください。
結婚助成金の申請方法

結婚助成金は申請しなければ受け取れません。対象となる条件を満たしていても、自動的に支給されるわけではないため注意が必要です。また、申請期間を過ぎてしまうと、支援を受けられなくなってしまいます。
結婚助成金の申請方法や必要書類は自治体によって異なるため、事前にお住まいの市区町村のホームページで確認しておきましょう。ここでは、一般的な申請の流れと必要書類について説明します。
一般的な申請の流れ
結婚助成金は、実際に支払った住宅費や引っ越し費用などを対象とする補助金です。そのため、対象となる費用を支払った後に申請手続きを行います。申請から助成金の受け取りまでは、次のような流れになるのが一般的です。
結婚助成金申請の流れ
- 必要書類を準備する
- 自治体の窓口へ申請書類を提出する
- 自治体による審査を受ける
- 交付決定通知書を受け取る
- 請求手続きを行う
- 指定口座に補助金が振り込まれる
申請に必要な書類
結婚助成金の申請には、婚姻や所得、住居に関する書類が必要になります。一般的には、次のような書類を提出します。
結婚助成金の必要書類
- 補助金交付申請書
- 戸籍謄本または婚姻届受理証明書
- 世帯全員の住民票の写し
- 夫婦の所得証明書
- 奨学金の返済額が分かる書類(該当する場合)
- 住宅の売買契約書や工事請負契約書、賃貸借契約書など
- 住宅費や引っ越し費用の領収書
申請書は自治体のホームページからダウンロードできる場合が多くなっています。婚姻を証明するための戸籍謄本(または婚姻届受理証明書)や居住を証明するための住民票も必要になるため注意しておきましょう。
住宅を購入した場合には売買契約書や工事請負契約書、賃貸住宅に入居した場合には賃貸借契約書などが必要です。助成金の対象となる費用を実際に支払ったことを確認するため、領収書などの提出も求められます。領収書等を受け取ったら、紛失しないよう保管しておきましょう。
必要書類は自治体によって異なる場合があるため、申請前に最新の募集要項を確認しておくと安心です。
結婚助成金の注意点

結婚助成金は、新婚世帯の住居費や引っ越し費用の負担を軽減できる便利な制度です。ただし、申請すれば誰でも受け取れるわけではありません。ここでは、結婚助成金を利用する際に知っておきたい注意点を説明します。
どこの自治体でももらえるわけではない
結婚助成金は、全ての自治体で実施されている制度ではありません。結婚助成金がもらえるのは一部の自治体です。まずお住まいの市町村で制度を実施しているかを確認しましょう。
結婚助成金の支給にあたって、多くの自治体では一定期間継続して居住する意思があることを要件としています。補助金を受け取った後すぐに転出する予定がある場合には、対象外となることがあります。
対象となる費用は限定される
結婚助成金の対象となるのは、主に新居の住宅費や引っ越し費用です。結婚式や披露宴、新婚旅行の費用、家具・家電の購入費用などは、通常は対象外となります。また、結婚助成金には上限額が設けられているため、対象となる費用が全額カバーされるとは限りません。
結婚助成金の利用を考えている場合には、どの費用がいくらまで対象となるのかを事前に確認しておくことが大切です。
年齢や所得の条件がある
一般的な結婚新生活支援事業では、夫婦ともに婚姻日時点で39歳以下であることに加え、夫婦の所得の合計が500万円未満であることが条件となっています。
なお、奨学金を返済している場合には、年間返済額を所得から控除して判定できる場合があります。そのため、額面上は所得要件を超えていても、対象となるケースがあります。
結婚助成金は初婚の夫婦だけでなく、再婚の夫婦であっても受けられます。ただし、過去に夫婦のいずれかが結婚助成金を受給している場合には対象外となるケースもあります。再婚の場合には、事前に要件を満たしているか注意して確認しておきましょう。
自治体によっては独自の要件が設けられていることがあります。年齢や所得の条件を満たしている場合でも、申請前に募集要項を確認しておくことが重要です。
支払いが完了している費用が対象
結婚助成金は、既に支払いが完了している費用を補助する制度です。これから発生する予定の費用について、事前に補助金を受け取ることはできません。そのため、住宅の契約費用や引っ越し費用などは、一旦自己資金で支払う必要があります。
対象となる支払期間も自治体ごとに定められています。支払いが完了していても、自治体が定める対象期間外の費用については補助を受けられないことがあります。
結婚費用の負担を軽減するには
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結婚助成金を利用できれば、新居の費用や引っ越し費用の負担を軽減できます。しかし、結婚助成金をもらうには条件があり、対象外のこともあります。対象となる場合にも、結婚にかかる全ての費用をカバーできるわけではありません。
結婚資金に不安がある場合には、費用の負担を抑える工夫も必要です。ここからは、結婚費用の負担を軽減する方法について説明します。
結婚式の内容について見直す
結婚費用の中でも大きな割合を占めるのが結婚式や披露宴の費用です。
結婚式にこだわりがない場合には、フォトウエディングや家族だけの少人数婚を選択することで費用を抑えられます。また、招待客の人数を見直したり、招待状や席次表などのペーパーアイテムを手作りしたりする方法もあります。
結婚後の生活資金とのバランスを考えながら、無理のない範囲で結婚式の内容を検討することが大切です。
父母・祖父母から非課税贈与を受ける
父母や祖父母から結婚資金の援助を受けられる場合には、「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」を利用できる可能性があります。
この制度を利用すると、結婚や子育てに必要な資金について、一定額まで贈与税が非課税となります。結婚関係の費用については300万円を限度として非課税の対象になります。
利用するためには金融機関で専用口座を開設し、領収書などを提出する必要があります。制度には適用期限や利用条件があるため、事前に金融機関へ確認しておきましょう。
ローンを活用
結婚式や披露宴の費用については、結婚式場が提携しているブライダルローンを利用できることがあります。また、銀行のフリーローンや多目的ローンであれば、結婚式費用だけでなく新生活に必要な様々な費用に利用できる場合があります。
必要なときに必要な金額だけ借りたい場合には、カードローンを活用する方法もあります。カードローンは利用限度額の範囲内で繰り返し借り入れができるため、結婚準備中に想定外の出費が発生した場合にも対応しやすいという特徴があります。
ローンを利用する際には、金利や返済期間、毎月の返済額を確認し、無理のない返済計画を立てることが大切です。結婚後の生活に負担を残さないよう、借入額は慎重に検討しましょう。
まとめ
結婚助成金は、新居の住宅費や引っ越し費用などを支援する制度です。利用できる条件や補助額は自治体によって異なるため、申請方法や注意点を確認しておきましょう。結婚費用に不安がある場合には、家族からの資金援助やローン、カードローンの活用も含め、自分たちに合った資金計画を立てることが大切です。
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AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、行政書士、夫婦カウンセラー
大学卒業後、複数の法律事務所に勤務。30代で結婚、出産した後、5年間の専業主婦経験を経て仕事復帰。現在はAFP、行政書士、夫婦カウンセラーとして活動中。夫婦問題に悩む幅広い世代の男女にカウンセリングを行っており、離婚を考える人には手続きのサポート、生活設計や子育てについてのアドバイス、自分らしい生き方を見つけるコーチングを行っている。








