インタビュー 出産・子育て

【ぼくたちの子育て】妻と感謝し合える関係が、子育ての土台になっています |大和リビング株式会社 大橋 慶一さん

不動産会社に勤める大橋慶一さんは(41歳)は、妻・昌子さん(39歳)、長男・巧茉(たくま)くん(3歳)・平來(たいら)くん(7か月)の4人家族。フリーのレポーターである昌子さんは今年(2023年)1月からラジオの仕事に復帰し夫婦共働きですが、第4希望まで出していた保育園に落選。子育ては予測不可能、想定外の出来事の連続ながら、「彼女がいない日は僕が在宅勤務にできるかもしれないし、なんとかなるでしょう」と笑顔。「自然体」という言葉が似合う大橋家の子育てをのぞいてみました。

■Profile 
大橋 慶一(おおはし けいいち)さん
大和リビング株式会社 勤務
1981年、山口県生まれ。専門学校卒業後、不動産仲介会社に入社。宅地建物取引士、相続診断士、ファイナンシャルプランナー2級、賃貸不動産経営管理士などの資格を取りながらキャリアアップ転職し、現在の会社で不動産管理業務を担当。

二人とも食べること、飲むことが大好き! 価値観が似ている友だち夫婦

――二人の出会いをお聞かせください。

学生時代、居酒屋でたまたま声をかけたグループに妻がいて、話してみると僕と同じ専門学校に通う学生だったんです。出身も同じ山口県という共通項が多いこともあって友だちつき合いがスタートしました。偶然はさらに重なり、卒業してから数年後、僕が当時勤務していた不動産会社にたまたま部屋を探しに来たんです。僕は別のお客様の接客をしていたので、先輩が担当したのですが、ちょっとした相談に乗る機会があってだんだんとコミュニケーションが深まっていった感じです。それと彼女のお母さん、僕の母とも看護師で同じ病院の先輩後輩だったことも判明しました。縁があるんでしょうね。

――結婚はいつですか?

2011年です。どのあたりから交際が始まったのか判然としないくらいの友だちカップルで(笑)、結婚後も子どもができてからもそれが続いています。

――そうなんですね。結婚前からお二人で子どもを持つことや育て方について話していましたか?

子どものことについてはよく話していました。僕は「男の子が欲しい」、妻は「女の子がいい」とかですね。ただ、子どもは2、3人欲しいということ、子育てについては好き嫌いなく何でも食べる子、自分で料理ができる子にしたいという点で一致していました。二人とも食べること、飲むことや魚釣りが好きなので、釣った魚をさばいたり、野菜を作ったり、家族で一緒にいろいろなものを食べて飲んで楽しくやっていこうと夢を広げていました。

二度の流産、8年間の不妊治療

――価値観が一致するって素敵ですね。第一子の妊娠がわかった時のことを教えてください。

実は第一子が生まれるまでに2回流産しているんです。妊娠するけど育たない不育症と診断され、その治療ができる病院に行きましたがなかなかできませんでした。身体的にも経済的にも限界が近づいていて、「これでダメだったら夫婦だけの生活でもいいね」と話し合うところまでいきました。幸いにも最後に巡り合った病院で妊娠できたんです。

――その時はどんな気持ちでしたか?

病院も5回変わり、人工授精から体外受精、顕微授精と切り替えて治療を続けていたのですが、着床するステップまでいかなかったんです。着床して胎嚢(たいのう)という赤ちゃんの入っている袋がエコーに映った時は、嬉しさとともに8年間の不妊治療に区切りがついた安心感、終わりの見えない不安から開放感でいっぱいでした。

――昌子さんはどうでしたか?妊娠してからの感情の変化や日常生活の変化はありましたか?

僕の見る限り、不妊治療中も妊娠が分かってからも妻が精神的に揺らいだり、神経質になったりしたことはなかったです。妊娠を継続するためには自転車や車に乗ったり、立ち仕事はよくなかったりするので、彼女の買い物に同行したり、重たいもの持ったり、仕事先に送ったりということは心がけました。

――昌子さんは仕事を続けてたんですね。

フリーランスなので、受けられる仕事は受けていました。

――待望の第一子だけにすべてに大事を取りたくなるところですが、お二人とも平常心を維持しているのがよいですね。

予想外の出来事もありましたよ。それまで食事の時は二人で飲んでいたんです。でも、妊娠して妻は飲めないのに僕だけが飲むわけにはいかないでしょう。そうすると食事がすぐ終わるし、食べ終わった後に妙な「間」ができて「なんか面白くないよね」って雰囲気になるんです。それでケンカになることがありました(笑)

――冷静に分析できているところが面白いですね。価値観が共有できているからこそだと思います。出産は立ち会われたのですか?

立ち会いました。予定日が近くなっていて、焼肉を食べたり、栄養ドリンクを飲んだりすると生まれるという話を聞いていて(笑)、栄養ドリンクまで飲んで寝たら深夜1時すぎ突然破水しお産が始まりました。多量出血で、産まれたのが15時間後の夕方4時頃だったので難産だったと思います。ずっとそばにはいたのですが、腰をさするくらいしかできませでした。

――初めてのお子さんを抱いた時はいかがでしたか?

かわいいというのと、頑張ってくれた妻に感謝しかなかったですね。その時は一生彼女に感謝しようと思いました(笑)

フィフティフィフティのバランスが崩れたことで、逆に結束が強くなった

――初めての子育てはいかがでしたか?

授乳期間、毎回起きていたわけではありませんが、お乳をあげても泣き止まない時は僕もどうしていいかわからず途方に暮れていました。眠れないのでイライラすることも正直ありました。

――育休は取りましたか?

育休は生まれた時に1週間取りました。でも、生まれてすぐは母乳だった為、おむつ替えと沐浴くらいしか手伝えることなくて。もっと成長してから育休取った方がよかったやんって思いました(笑)。妻のお母さんが1カ月くらいきてくれて助かりました。

――家事や育児はどのように分担していますか?

ご飯、おむつ替え、お風呂は僕が家にいる時は、できる限りしています。妻を見ていると、離乳食を作るのが本当に大変そうです。生後何カ月になったらこれを与えるという品目が多いし、ストックもたくさん必要なので手間がかかってますね。夫が育休を取るとしたら生後3カ月以降で取った方が妻の役に立てるんじゃないかなって思います。休めるなら半年から1年は休んで育児をしてみたいですね。でも仕事復帰した時には会社でのポジションがなくなっているとか、そもそも仕事ってどうやってたっけ??と浦島太郎になるんじゃないかと心配にもなりますが(笑)。なので、完全に休職ではなく、在宅勤務できる環境での育休であれば僕は大賛成です。

――育児をすることで夫婦間の変化はありましたか?

もともと友だちからスタートして、友だちみたいな恋人になり、結婚後もフィフティフィフティの関係でしたが、育児をする中で、そのパワーバランスが変化しています。僕の体感としては妻が6:僕が4(笑)。でも、すごくよいバランスだと感じていて、夫婦の結束が強くなりました。夫婦関係は深まったと思います。

二人目が生まれて、育児パワーは5倍増!

――2022年には次男の平來(たいら)くんが誕生しています。お二人目なので育児も少し余裕が持てるようなるんでしょうか。

逆に育児の荷重が5倍くらいになりました。長男は今3歳なんですが、自我が出てきて言うことを聞きません(笑)。赤ちゃんの時はまだ自分たちの思うようにやれるんです。しゃべり始めてからが育児本番だと思いました。そもそも会話ができて感情もある人間を思い通りにしようということ自体が無理な話ですよね。色んな事が起こるのでマニュアルなんてなく、その場その場で対応するしかない世界です。頭ごなしに理由のない怒り方だけはしないように気を付けています。

――「子育ては自分育て」ともいいますが、ご自身で成長したと感じることはありますか?

実を言うと、僕は子どもがすごく好きという方ではなかったんです(笑)。嫌いではないけどどう接して良いか分からないというか。でも、ミルクをあげたり、抱っこしたり、そんなささやかなことで自分の感情がどんどん変わっていくんですね。いろいろな経験を通してできることが増えるのを実感しています。人間として以前よりは幅は出てきたんじゃないでしょうか。

感謝の気持ちを「感謝状」という形にして妻に贈る

――好き嫌いなく何でも食べる子、自分で料理できる子に育ってほしいと、最初に言われましたが、改めて大橋家の子育て方針をお聞きしてよいですか?

こんな学校に進学させたい、将来は良い会社に入ってほしいとか、そんな思いはあまりなくて。あえていえば自分らしく自立して生きていける人間になってほしいですね。高校卒業して、大学に行くかどうかわかりませんが、やりたい事を自分で見つけて、楽しい人生を切り開いてほしいと思います。その為の応援は夫婦で何でもしてあげたいと思います。あとは食を本当に大事に考えているので、魚釣りや野菜作りを通じて自分で採ったもの・育てた物をどう料理するのかとか、命の大切さ、自然とのふれあいも大事にしています。

――自分で自分の食事が作れることは本当に大切な自立ですね。これからのご夫婦の夢はありますか?

妻の年齢も40歳に近づき、幾度の顕微授精も失敗し、金銭面・精神面的にも次の顕微授精で駄目だったら不妊治療を卒業しようという話だったんですが、幸いにも長男が授かりました。その後、兄弟を作ってあげたいと思い不妊治療を再開し、その採卵で三つの受精卵を作ることに成功しました。一つ目の受精卵では着床しませんでしたが、二つ目で次男を授かることができました。あと一つの受精卵があるので妻は迷いつつも本心は三人目にチャレンジしたいのだと思います。女の子が欲しいはずですし。

――ご結婚前に話し合っていた通りですね。これからパパになる人たちにメッセージをお願いします。

子どもに対する気持ちはもちろん大事ですが、妻を大事にすることが子育ての土台だと感じています。僕がどんなに頑張ったとしてもやはり子育ては妻が7割以上負担していますから。毎年、結婚記念日は旅行や家で食事会をしていて、その時にお互い感謝状を渡しています。長男が生まれた時に一生妻に感謝する!と思ったんですが、その気持ちをいつまでも同じレベルで持ち続けるのは難しいですよね(笑)。だからこそ、感謝の気持ちを形にしています。感謝状の内容は毎年ほとんど変わらないのですが(笑)、これからパパになる人たちの参考になれば幸いです。

取材後記

ご自身の日々の業務に追われながらも、育児にいそしむ慶一さん。子どもを自立した人間に育てたいと語った慶一さんですが、家事も育児もごく自然に自由にこなす様子をうかがって、まさに彼自身が「自立したパパ」なのだと感じ入りました。お子さんたちもそんなたのもしいパパの背中を見て自由に自分らしく育ってくれるに違いありません。

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