相談者:Yさん(福岡県在住)
本人38歳(会社員)、妻38歳(主婦)、長男4歳、長女0歳
Q. いくらまでの住宅なら無理なく購入できる?
現在、社宅住まいですが、残り5年で入居期限が到来します。仮に5年後に購入するとして、無理のない予算上限を教えてください。
購入時期については、よい物件があれば考えますが、私(夫)が転勤族で子どもも小さく、タイミングが難しいため特に急いではいません。当面は賃貸にして子どもが成人して家を離れたタイミングでの購入もありと考えていますが、もし教育盛りと重なった時に良い物件があったら、購入しても返済できるでしょうか。
賃貸に出す可能性を考えると、駅近など利便性の良いところでマンションを希望。新築にはこだわりませんが、長く住むことを考えて築浅の物件がよいです。
できれば現状のやりくりで…と考えていますが、購入するにしても賃貸に住むにしても、将来的に今よりも家賃が上がる可能性が高いです。子どもが成長するにつれ、教育費だけでなくいろいろと支出が増えていく中、節約すべきところはしていきたいと考えていますのでアドバイスください。
教育費が足りるかも気になっています。長男、長女とも大学進学までを想定。高校、大学とも私学の可能性も考慮しています。
A. 未来は予測不能。予算から考えるより欲しい家を
投資はこれ以上増やさず、節約は何をガマンするかを決めることから
社宅定年が5年後に迫り、住宅について考えをめぐらせているようです。5年後でもいいし、20年以上先でもいい、新築でも中古でもよいと、住まいにあまりにもこだわりがないことに驚きました。
とりあえず5年後と仮定して、予算上限を教えてほしいとご要望ですが、回答不能です。お悩みは分かりますが、5年後の収入はどうなるか分かりませんし、転勤族なので5年後にどこに住んでいるかも分かりませんよね。5年後のローン金利や税制も予測できません。
また、マンションと一口にいっても、同じ部屋は2つとありません。駅近なら貸しやすい、とは限りませんし、築浅物件もいろいろ。年収の何倍もする買い物ですから、予算から考えたくなる気持ちは分かりますが、持ち家の満足感を味わえるのはどんな家なのかを考えるべき。どうしても欲しい家、手放したくない家でないと、長期間にわたるローン返済を乗り越えるのは難しいからです。
教育盛りの時点での住宅購入に不安があるようですが、それまでにできるだけ自己資金を殖やしておけば、安全性は高まります。そのためか、かなり積極的に投資にお金を振り向けておられますが、預金より投資が多く、大胆に思えます。
投資は換金時期が難しいので、住宅や教育にまとまったお金を使う予定があるなら、これ以上増やさないほうがよいのでは? 節約についてはすでにしっかり実行しておられるようなので、夫婦で家計簿をチェックして、何をガマンするかを決めることから始めるべき。教育資金不足が不安なら、妻が働く選択肢もありますよ。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビングふくおか・北九州・熊本・かごしま」2023年6月10日号掲載
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商号等:株式会社西日本シティ銀行 登録金融機関 福岡財務支局長(登金)第6号
高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。