お悩み相談

元気が出るお金の話| 住宅ローンが残る状態で定年後の生活は大丈夫?

相談者:Mさん(鹿児島県在住)
夫48歳(会社員)、妻46歳(会社員)、長女12歳、次女9歳

Q. 住宅ローンが残る状態で定年後の生活は大丈夫?

 主人の住宅ローンが85歳まであるため、資産運用を始めました。

投資信託を妻の私は月2回、長女、次女がそれぞれ月1回追加していくようにしていて、主人も証券口座ができ次第開始予定。普通預金から移していっている状態なのですが、いくらくらい普通預金に残しておいたほうがいいか、全体的な資金の振り分けや、考え方なども、なんとなくやネットや周りからの情報などしかないため、ご指導いただけましたら幸いです。

 また、住宅ローン控除(減税)終了後に、繰り上げ返済や借り換えなども検討したほうがよいでしょうか。

 今のところ長女が国公立大学に行けるくらい(できれば家から通える範囲)、次女が専門学校に行けるくらいの教育資金を貯めたいです。貯蓄を増やすために支出を見直し、携帯、通信費、食費、光熱費を減らしたいと思っています。保険は最近見直したばかりです。

 定年は2人共60歳。年金が2人合わせて17万円ほどの予定です。定年後も主人は働けるまで働き、私はプライベート優先で月に数日短時間パートしたいと思っていますが、このままで大丈夫でしょうか。

A. 毎月の黒字分を預貯金に8割振り分けて貯蓄して

住宅ローン繰り上げ返済は投資信託で準備し、食費削減は無理せず

Mさんは、お子さんが小さいにもかかわらず、老後のことまで視野に入れて、貯蓄も順当にしていて、素晴らしいですね。さらに定年後は、自分はちゃっかり月に数日しか働かないというプランニングも正直で、いいと思います。

 資産運用の額も住宅ローンの一部繰り上げ返済の額も、考え方の基本は同じです。家計のセーフティーネットとして、夫婦の年収分と子どもの進学費用は、確実性のある預貯金で準備します。預貯金の目標を2000万円として設定するのであれば(実際には夫婦で目標設定をしてくださいね)、毎月の黒字分を預貯金に8割振り分けて貯蓄をしていった方がよいと思います。

 これから、お子さんたちが成長するにつれ、食費、衣料費、教育費等がぐっと増えていきます。貯蓄のペースも変わってきますので、下の子が小学生の間に、早めに目標を達成しましょう。

 住宅ローンの一部繰り上げのタイミングは、控除が終了するときだけでなく、現在の変動金利の見直しで金利が大幅にアップするときにも効果があります。その時に備えて、投資信託で積立運用をして準備してもよいのではないでしょうか。

 家計の見直しは、フルタイムで働きながら食費を減らすことはなかなか難しいですが、夫や子どもたちの協力を得ることができれば、作り置きなどを駆使して可能にはなると思います。

 でもなぁ、お子さんたちが大きくなるので、お菓子以外の食費はあまり減らさないほうがいいんじゃぁないかと、ちょっとおばあちゃん目線で思ったりします。

回答者 安田まゆみさん

東京・銀座の「元気が出るお金の相談所」所長。FP歴26年目(CFP認定者)。

これまでの相談件数7000件以上、講演回数1000件を超える

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転載元:
「リビングふくおか・かごしま」2024年1月20日号掲載

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