相談者:Sさん(熊本県在住)
夫26歳(会社員)、妻29歳(会社員)、長女5歳、長男1歳
Q. 学費が払えるか心配…働き方を変えるべき?
結婚6年目。初めて家計簿をつけてみたのですが、黒字だと分かって驚きました。帳簿上は黒字なはずなのに、貯蓄が全然増えていきません。このままでは、子どもたちが大きくなって大学入学までの大きな出費を払えるのか不安です。
夫の仕事が、朝早く終わりも遅いため、子育てはほぼワンオペ状態です。30歳を目前にして、働きながら家事と育児を一人でこなすのは、体力的にも精神的にも限界を感じており、短時間のパート勤務へ変更を考えています。
しかし、共働きでなんとかやっていけている状態なのに、私(妻)の給与が減ってしまい、ボーナスまで無くなってしまうと、貯蓄も尽きてしまいそうです。
教育費の備えに学資保険も考えていますが、私がパート勤務になった場合、支払う余裕も無くなりそう…。夫がまだ若いので、転職してもらう方がいいのでしょうか。それとも、私が我慢して今の仕事を続けるべきでしょうか?
どの選択をすれば経済的、精神的にゆとりをもった生活ができるのか、アドバイスをどうぞよろしくお願いいたします。
A. 働き方を変える前に家計簿通りのやりくりに挑戦を
黒字分を先取り式に別口座で貯蓄し、現在の預金は定期預金へ
家計簿をつけて大きな気づきがあったようです。年に約58万円の貯蓄ができるはずなのに、そのペースで貯蓄が増えていないのですね。まず、行方不明の支出がどのくらいあるか調べる必要があります。
今年の3月末の預金残高から、昨年3月末の預金残高を引き算してみましょう。1年間にいくら貯蓄ができたかわかります。本来貯まっているはずの金額と比べ、いくら不足していますか?
忙しくて家計管理がルーズになっているのでしょうか。妻のあなたが働き方を変えることで、計算した不足額プラス減収相当額の家計支出カットができるなら、その選択もありでしょう。
でも短時間パートでは「貯蓄が尽きてしまいそう」とのこと。それで夫の転職を選択肢にあげておられるのでしょうが、今よりラクにもっと稼げるなら、それもいい選択ですね。
不思議なのは、働き方にばかりこだわり、ご相談の中に「家計を見直す」という選択肢がないこと。伺ったところでは、クレジットカードはじめキャッシュレス支出が多く、預金残高は、夫婦それぞれが必要に応じて使った残りだとか。積み立てや給与天引き貯蓄の経験もないようです。
この際、書き出した家計簿通りのやりくりに挑戦してはいかが。毎月3万5000円、ボーナスから16万円の黒字分を、先取り式に給与振込口座とは別口座で貯蓄を―。
現在の預金220万円は給与振込口座の定期預金(総合口座)に預け替え、普通預金の範囲内でやりくりするのが、ゆとりある生活への近道といえそうです。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビングふくおか・北九州・熊本・かごしま」2023年3月25日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。