ライフプランを実現させるためには、貯蓄が不可欠です。それほど贅沢をしていないのになかなか貯蓄ができない人は、家計を見直す必要があります。今回は家計の見直し方法と貯蓄のポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
節約して貯蓄を増やしたいなら家計の見直しを
生きていくためには、貯蓄がないと不安です。貯蓄が少ない場合は家計の見直しをし、節約できるポイントを見つけましょう。
生活に必要な支出を抑えて貯蓄しよう
まずは家計の見直しをして、生活の中の無駄な支出を洗い出す必要があります。何にどれだけ使っているのかを確認し、減らせるものがないか考えてみましょう。
貯蓄が必要な理由
人生の中には、大きなお金が必要になるライフイベントがあります。たとえば、結婚、出産、住宅購入の頭金、子どもの進学などの際にかかるお金は、毎月の生活費の中から用意するのが困難です。また、老後は年金をもらえても、収入が減るのが一般的です。そのため、老後の生活資金も貯めておかなければなりません。
ライフプランを考えよう
目的がないまま貯蓄を始めても、長く続かないことが多いです。そのため、家計を見直す前に貯蓄の目的を明確にしておきましょう。自分がどのような人生を歩みたいかを考えて、ライフプランを作ってみてください。パートナーや家族と話し合い、ライフプランを共有することも大切です。
家計を見直すタイミング
日々の生活が忙しいと、家計の見直しも後回しにしてしまいがちです。家計の見直しをするタイミングはあらかじめ決めておきましょう。年始や年度初めに家計を見直すと、節約や家計管理のモチベーションが上がります。年2回のボーナス前に見直せば半期の振り返りが行えて、ボーナスの無駄遣いを防げるでしょう。
家計の見直しの手順
家計の見直しに特別なルールはありません。何から始めたらよいかわからない場合には、次のような手順を踏みましょう。
家計簿で現状を把握
家計を見直す前提として、家計簿をつけて支出の現状を把握する必要があります。これまでの家計簿を見て、項目別にいくら使っているかを整理しましょう。
家計簿のおすすめは?
家計簿には、手書きのノートやパソコンのソフト、スマホで使えるアプリなどいろいろなタイプのものがあります。続かなければ意味がないので、自分がつけやすいタイプのものを選ぶことが大切です。家計簿が苦手な人も、使ったその場でスマホ入力できる家計簿アプリなら続けやすいでしょう。レシートを写真撮影して自動的に金額を読み込めるアプリもあります。
家計簿をつけていない場合は?
光熱費やクレジットカード代金など口座振替にしているものは、通帳や利用明細から見直せます。家計簿をつけていなくても、使った記録が残っているものは見直しましょう。
問題点を発見
項目別に支出を整理したら、どこに無駄があるのかを探します。支出を減らすには、固定費から見直すのが効果的です。
固定費と変動費
毎月一定金額が発生する支出が固定費で、住居費、水道光熱費、通信費、保険料などが該当します。これに対し、食費や娯楽費など、日々の生活の状況によって変化する支出を変動費といいます。
予算を決める
家計の無駄をなくすためには、項目別に予算を決めておくことが欠かせません。現状をもとに無理のない予算を決め、支出を予算内におさめる方法を考えましょう。
解決策を実行
支出を抑えるための解決策を考えて、具体的に実行します。契約している会社やプランの変更など、すぐに取り掛かれるものは忘れないうちに実行に移しましょう。日々の節約も心がけながら、家計簿をつけて成果を確認します。
支出を抑える方法を項目別に解説
ここでは、項目別に支出を削減する方法を説明します。家計簿と照らし合わせて、減らせるところを見つけましょう。
住居費
支出の中で大きな割合を占めるのが、住居費です。住宅購入した人は住宅ローンの毎月の返済額、賃貸住宅の人は家賃が固定費としてかかってきます。それぞれ次のような点を見直してみましょう。
住宅ローンの返済がある場合
月々の返済額が大きすぎて家計を圧迫している場合には、借り換えれば返済額を下げられる可能性があります。借り換えで金利が低くなれば、総返済額も減らせるかもしれません。なお、借り換え時には手数料などの諸費用(保証料、印紙代、登記費用など)がかかるので、これらの費用も含めて試算しましょう。住宅ローン借り換えのメリットがあるのは、次のようなケースです。
ローンの返済期間が残り10年以上
ローン残高が1,000万円以上
現在の金利と借り換え後の金利の差が0.3%以上
現在借入している金融機関にも、契約金利を下げてもらえないか交渉してみましょう。ほかの金融機関で仮審査に通った後、借り換えを検討している旨を告げると交渉に応じてもらえることがあります。
賃貸住宅の場合
家賃が周辺相場と比べて高い場合、家主に交渉すれば家賃を下げてもらえる可能性があります。家賃が安くならない場合には、引越しも考えてみましょう。引越しする場合、時期を選べば値引き交渉がしやすくなります。5~8月は引越しする人が少ないので、狙い目です。
水道光熱費
電気代やガス代は、多くかかる月と少なめの月があります。年間の料金を見ながら節約の方法を考えましょう。
電気・ガスは契約する会社を選ぶ
電気・ガスは小売自由化により、契約先を選べます。料金を比較できるサイトもあるので、今よりも安くなる会社やプランがないかシミュレーションしてみましょう。電気とガスを同じ会社でセット契約にすると、割引になるケースが多くなっています。
使用量を減らす工夫も
水道料金を節約するには、水道のハンドル内部やシャワーヘッドを節水効果の高いものに変える方法があります。家電製品を買い替える機会があれば、省エネ家電を選ぶとよいでしょう。
通信費
インターネットやスマホにかかる通信費は、現代では欠かせない出費です。ただし、契約している会社やプランの見直しをすれば安くなる可能性があります。
格安SIMや低価格プランに切り替える
携帯電話・スマホのキャリアやプランを変更すれば、通信費を削減できます。大手キャリアから格安SIMへ乗り換えれば、月々の料金が半額以下になることも珍しくありません。2021年(令和3年)以降大手キャリアでも低価格の新料金プランが導入され、選択肢も増えています。
保険料
見直しの効果が大きいのが、各種の保険料です。保障がダブっていないかを確認し、無駄な保険料を払っていれば解約や変更を検討しましょう。
生命保険
死亡保障が多すぎないか、確認しましょう。死亡時には公的年金から支給される遺族年金や、会社から支給される死亡退職金もあります。住宅ローン支払い中であれば、団体信用生命保険に加入しているケースも多いです。それぞれ試算して、いくら保障が必要かを算出しましょう。自分で計算できない場合には、ファイナンシャルプランナーに相談してください。
自動車保険
保険料が高い場合には、更新時期を待ってほかの保険会社に切り替えるのがおすすめです。自動車保険は1年契約が一般的なので、切り替えによりすぐに保険料を抑えられます。代理店型の自動車保険に入っている場合、通販型(ダイレクト型)に変えると保険料が大幅に下がる可能性があります。インターネットの一括見積もりサイトを利用すると、比較しやすいでしょう。
食費
食費を減らすためにできることを、いくつか紹介します。
買い物の回数を減らす
買い物の回数が多いほど余計なものを買ってしまい、無駄が多くなります。買い物は週1〜2回と決めて、ある程度まとめ買いをしましょう。食材が傷まないうちに使いきれるよう、冷凍保存など保存方法を工夫するのがおすすめです。
ネットスーパーを活用
食料品など日常の買い物には、ネットスーパーを活用しましょう。家にいながらスマホやパソコンで買い物できるため、時間の節約にもなります。カートに入れながら値段の合計を確認できるので、予算内におさめるのにも便利です。
生産者から直接購入も
インターネットで米や野菜を生産者から直接購入できるサービスがあります。スーパーよりも安く買えることが多く、生産者の応援もできます。
娯楽費
趣味やレジャーに使う娯楽費は、うっかりすると使い過ぎてしまいます。限られた予算で楽しむ工夫をしましょう。
図書館を利用
欲しい本を全部買っているとお金を使い過ぎてしまうため、図書館を活用するのがおすすめです。今はインターネットで蔵書検索し、予約できるところが多くなっています。最寄りの図書館にない本もリクエストすれば購入してもらえたり、ほかの図書館から取り寄せてもらったりできます。本を買う前に、図書館の蔵書をチェックするのを習慣にしましょう。
レジャーは公共施設で
子どもがいる場合、家族のお出かけには公共施設を活用しましょう。科学館や博物館、大型の公園など、探してみれば安い料金で1日楽しめるスポットがたくさんあります。お弁当を持参すれば、外食費も節約できます。
教育費
子どもがいれば、教育費の負担は避けて通れません。学ぶ機会を失わないよう、教育費は上手に節約しましょう。
オンライン教材を活用
子どもを塾に通わせると、負担が大きくなります。家庭にいながらオンラインで学習できる通信講座であれば、安くおさまります。インターネットの動画サイトなど、無料で学習できるコンテンツも積極的に活用しましょう。
奨学金を検討
教育費で特に金額が大きいものが、大学や専門学校の学費です。子どもの学費が家計を圧迫している場合、奨学金の利用も検討した方がよいでしょう。貸与型の奨学金は、子どもが返済する必要があるため、子どもと進路をよく話し合ってください。返済不要の給付型奨学金は民間団体が支給するものなども含め種類が豊富です。利用できるものを探してみましょう。
その他
生活費の削減のためにできることは、まだまだあります。
車は必要かどうかを考える
車を所有していると、維持費がかかってしまいます。乗る機会がそれほど多くないのであれば、レンタカーやカーシェアリングの利用を検討しましょう。
ふるさと納税で生活必需品を手に入れる
ふるさと納税では、実質2000円の自己負担でさまざまな返礼品を手に入れられます。食品や日用品を狙って、かかるお金を減らしましょう。
>>《ふるさと納税》自己負担額が実質2,000円とは?控除の仕組み・目安・計算方法も解説
クレジットカードは枚数を絞る
何枚もクレジットカードを持っていると無駄な手数料が発生するだけでなく、無駄遣いにもつながります。クレジットカードは3枚程度まで枚数を絞った方が、ポイントも効率よく貯められます。
>>クレジットカード一体型キャッシュカード“オールインワンカード”はこちら
貯蓄に失敗しないポイントは?
家計を見直して浮いたお金は、しっかり貯蓄できるようにしておきましょう。ここからは、貯蓄に失敗しないポイントを説明します。
自動的に貯まる仕組みを作る
毎月残ったお金を貯蓄しようと考えていても、貯蓄はできません。給料が出た際は先取りで貯蓄をし、残ったお金でやりくりしましょう。
財形貯蓄で貯める
勤務先に財形貯蓄の制度があれば、活用しましょう。貯蓄分は給料から天引きしてくれるので、意思の弱い人でも確実に貯蓄ができます。
自動積立定期で貯める
給与振込先の銀行の積立式定期預金を申し込むのもおすすめです。普通預金口座から、定期預金口座に毎月一定額の振替ができます。振替日も自分で設定できるので、給料日直後にしておけば先取り貯蓄が可能です。
投資で効率よくお金を増やす
今は低金利なので、預金だけではお金が増えません。貯蓄ゼロの状態での投資は危険ですが、ある程度貯蓄ができたら一部は投資に回すのがおすすめです。リスクの少ない方法で、着実にお金を増やしましょう。以下のような制度を利用すれば、税制メリットも受けながら効率的な運用ができます。
iDeCo
老後の資金を貯めるなら、iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用しましょう。iDeCoではまず、銀行や証券会社などの金融機関を選びます。その金融機関で用意されている商品(主に定期預金と投資信託)から、運用したいものを選ぶのです。iDeCoであれば掛金は全額所得控除の対象になり、運用益も非課税です。
>>西日本シティ銀行のiDeCo(個人型確定拠出年金)について
まとめ
ライフプラン実現には、貯蓄が欠かせません。家計の見直しをして、貯蓄できる金額を増やしましょう。固定費を中心に費用を削減する工夫をすれば、比較的楽に節約できます。確実に貯められるよう、貯蓄も自動化しましょう。
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森本由紀
AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、行政書士、夫婦カウンセラー
大学卒業後、複数の法律事務所に勤務。30代で結婚、出産した後、5年間の専業主婦経験を経て仕事復帰。現在はAFP、行政書士、夫婦カウンセラーとして活動中。夫婦問題に悩む幅広い世代の男女にカウンセリングを行っており、離婚を考える人には手続きのサポート、生活設計や子育てについてのアドバイス、自分らしい生き方を見つけるコーチングを行っている。