相談者:Sさん(福岡県在住)
夫38歳(自営業)、妻36歳(会社員/育休中)、長男3歳、長女0歳
Q. 夫が個人事業準備中。家計に改善の余地はない?
現在夫が個人事業準備中で収入はゼロですが、アルバイトをしており、そのうち毎月5万円を家計に回してもらっています(残りは事業の運転資金用に貯めています)。
収入は少ないですが、毎月少しでも貯金に回そうと思っています。そのため、まだ家計の改善の余地はないかと考えているのですが、どうしたらよいでしょうか。 保険料が高い気がするので解約の検討もしたいのですが、いざという時に困るのかもしれないという気もして行動に移せていません。現在、夫婦ともにそれぞれ掛け捨て型の収入保障保険、医療保険に入っています。育休は子どもが1歳になるまでとり、その後はフルタイム勤務の予定です。
普通預金内に目的別口座を作り、3年以内に使う予定のお金(家具家電代や自動車税、車検代金、冠婚葬祭費)と児童手当、車買い替え費用の積み立て、老後資金などを費目別に預金しています。定期預金は独身時代の妻のもので、昨年から始めた妻のNISAはこの定期預金を元金に充て、120万円の最大金額を運用しています。定期預金の残りは生活防衛資金として保管しています。
A. 家計は健全。保険と着手している投資への目配りを
保険料が理由の解約は×、同様の保障をより安く調達できる選択を
コロナ禍で転職を余儀なくされた中、ご主人はアルバイトをしながら国家資格を取り、開業申請も済ませたとのこと。あなたは職場で実績を積みつつ二児を生み育てる大事業に取り組み、育休後はフルタイムで職場復帰の予定ですね。ご夫婦の素晴らしいチームワークに感動しました。
お尋ねの家計の改善余地ですが、支出はとても引き締まっています。小遣いの計上もやめ、必要な支出は話し合って家計費から出す方式だそうです。ちょっとした支出は、夫はアルバイト代で、妻は不用品をフリマサイトで売ったお金で賄っているとか。家計簿の数字は毎月の平均的な支出で、3年以内に予定される支出には黒字分で別途備えていますから、やりくり能力はとても高いです。
節約の余地がありそうなのは生命保険、とお感じですが、「保険料が高い気がする」のを理由に解約を検討するのは×。保障型の保険はリスクカバーが目的ですから、内容がわが家にふさわしいかの点検が先です。
不要な保障なら解約や減額で対応すべきですが、保障内容をざっと伺ったところではほぼ妥当な水準。同様の保障をより安く調達できる契約先はないか、という視点で検討してください。事業資金は家計とは別に夫が管理しているそうですが、個人事業主にふさわしい保険もいろいろあるので、夫と一緒に検討を―。
NISAやiDeCoなどすでに着手している投資への目配りも大切です。細かい支出削減にこだわりすぎず、家計を上手に成長させていきましょう。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング熊本・かごしま」2023年2月4日号掲載
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商号等:株式会社西日本シティ銀行 登録金融機関 福岡財務支局長(登金)第6号
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。