教えて！かけいぼ相談室｜12月に子どもが誕生。どう家計をやりくりする？
相談者：Tさん（鹿児島県在住）
夫24歳（派遣社員）、妻26歳（会社員）
Ｑ. 12月に子どもが誕生。どう家計をやりくりする？
去年6月に結婚し、妻と２人暮らしです。今年3月に150万円ほどで式を挙げた他、引っ越し費用などもあり、これまで貯めた貯蓄をほぼ使い切ってしまいました。現在は、毎月計4万円を貯蓄しています。
12月に第一子が生まれます。将来を見据えて、マイホームの購入や車をもう1台所有したいと考えています。
マイホームは4年後くらいに、今の家賃と同じ程度のローンで一戸建てを希望。車は11月までに、200～300万円の車をローンで購入するか、またはリースにするか悩み中。
しかし、妻が産休・育休に入ると、収入が減ってしまうため、今のままのやりくりでいいのか不安です。妻は、子どもの２歳の誕生日まで育児休暇をとろうと考えています。
現在の車のローンは残り２年半、教習所のローンは半年残っています。現在、私（夫）は正社員への転職も検討中。また私の生命保険は親が支払ってくれています。
つみたてNISAなどの資産運用も考えていますが、貯蓄を増やし家計を安定させるために、私たちは何から取り組めばいいでしょうか。
Ａ. 2台目の車の購入は現金買いが可能になってから
貯蓄は自動積立定期の利用を。リスク商品での運用はその先の選択肢
将来に向けて実現したいことを整理してみたのですね。やる気が伝わってきます。 結婚式等でほぼ底をついた貯蓄が約3カ月で50万円になったのは、月4万円のほか、毎月の黒字とボーナスをまるごと貯蓄に回したためでしょう。このペースなら、お子さんが産まれるころには貯蓄残高が120万円超になりますね。
でも、妻が育休をとると月5万円の減収で、ボーナスもなくなるようです。教習所のローンを返し終えることで月1万2000円の余裕が出ますが、あなたの生命保険の契約者を親からあなたに変更し、来年から自分で保険料を払う予定とか。そちらに充当を――。
児童手当は教育資金として貯めるのが妥当です。そうなるとその他の貯蓄は月平均5万円程度の見込みです。そんな状況のなか、出産前に2台目の車を所有すると、駐車場代やガソリン代、ローン、自動車税や自動車保険、法定点検などで、毎月の貯蓄は2万円以下になってしまうかも…。カーリースにしても、希望のクラスの車だとマイホームの実現は遠のきます。
ですので、2台目の車は、あなたの転職が成功し、妻が復職し、今の車のローンを返し終え、現金買いできるようになってからにすべきです。ローンの利用はマイホームだけにして、他は「貯めて買う」習慣をつけるのが、家計を安定させるポイントです。
貯蓄は少しずつレパートリーを広げましょう。まずは普通預金一辺倒をやめ、自動積立定期の利用をおすすめします。つみたてNISAなどリスク商品での運用は、もっと先の選択肢です。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元：
「リビング北九州・熊本・かごしま」2022年7月16日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。
