相談者:Aさん(福岡県在住)
本人40歳(看護師)、長男7歳(小学生)
Q. 体調が悪化。パートになる? 実家に戻り再就職?
現在、外来勤務のシングルマザーの看護師です。
子供が就職するまで働き、その後は、実家に帰り母と生活するプランでした。
しかし、体調を崩し、現在の仕事内容でも、体がきつい状況です。時短勤務のパートになるか、実家に戻り再就職するか迷っています。
パート勤務になったら給料は半分になるので、家賃と貯金を減らすことを考えています。この貯金は子供が就職した時、私が55歳で仕事をやめて生活費に充ててようと思っていたため、金額を多めにしていました。
母は一緒に住むならリフォームを考えているようです。私も55歳で退職した際の退職金を実家のリフォームに充てようとは考えていましたが…。子どものことを考えると区切りの良い中学生になるタイミングがいいのかなぁ、と悩みはつきません。
また、教育資金は大学進学まで考えて学資保険と終身保険をかけ、貯金は老後資金として貯めていましたが、今の金額で十分なのか、まだ貯めた方がいいのかも知りたいです。ちなみに、夫からの養育費は理由をつけては払わないことを繰り返されており、今まで全く払ってもらえていません。
A. 早めに三世代で新生活を開始するのが良策
貯蓄額の判定は不可能。実家は建て替えも検討し、養育費の請求も
子育て後は実家に戻り、お母さまと暮らす計画を立てて、励んでいらしたのですね。元夫からの養育費もなく、一人で4000万円超も貯めたとは驚きです。
ところがここにきて、健康不安からパート勤務に変更せざるをえないような状況になったようです。月収が半減したらそれに見合う家賃の家に住み替えて貯蓄をストップする覚悟もお持ちですが、特別支出の支払い等で貯蓄の取り崩しが始まると、心穏やかではいられないかもしれませんよ。
学資保険と終身保険を継続すれば、自分の万一に備えながら予定通りの教育資金をつくることができますが、リフォーム資金や老後資金のリプランが必要です。今の貯蓄額で十分かどうかを現時点で判定することはできません。
今なら転職も難しくないようですから、早めに三世代で新しい生活を開始するのが良策に思えます。娘や孫と一緒に暮らすことでお母さまも張り合いが出るでしょうし、あなたも長く働き続けることができるはず。お子さんにとっても、引っ越し先で竹馬の友ができ、地域になじみやすい年齢のうちが安心です。
資産運用はいろいろ工夫しておられてさすがです。お母さまも定年延長で働いて年金の繰り下げ支給を選択なさっているそうなので、同居によってお金の心配が増えることはないでしょう。
ただし、ご実家は築50年だそうですから、リフォームでいいか建て替えるかなど検討すべきです。養育費の未払いは法律の専門家に相談し、時効が成立する前に請求を――。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2022年7月9日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。