相談者:Mさん(福岡県在住)
夫37歳(会社員)、妻35歳(会社員)、長女1歳
Q. 家業を継ぎ転居予定。今住む家を無理なく買える?
昨年の5月に出産し、1年の育休を経て、今は時短勤務をしております。
現在の住まいは賃貸アパートで、新築戸建ての購入を検討中。2800万円借入での購入は、わが家の収入を考えて無理のない金額でしょうか? 場合によってはプラス200万円の頭金も必要かと考えています。
しかし、夫が家業と実家の土地を継ぐ必要があるため、将来は購入した戸建てを賃貸にするか売却しなければいけません。夫の実家は築年数も古く、移り住む際には大規模なリフォームが必要だと考えています。
ただ、それが何年後になるかは未定。購入した住居を賃貸または売却することで、リフォーム資金の捻出は可能でしょうか? 夫の実家の方に土地があるので、それなら将来移り住むよりそちらに建てた方が良いとも思うのですが、環境的に今は私(妻)の実家そばに住みたい気持ちが強いです。
可能なら第2子も希望。子どもにはそれぞれ300万円程度の大学進学資金を用意したいとも思っていますが、毎月なかなか貯金ができていない現状。私の終身保険を解約して変額保険にかけかえようと思いますが、いかがでしょうか。
A. 無理なく払えそう。計画実行のために夫婦で調査を
大学進学資金用の保険かけかえは慎重に。積立貯蓄の併用がおすすめ
子育てを手伝ってもらえる自分の実家の近くに家を建てたい気持ちはよく分かります。でも、家業を手伝ってほしい夫の実家の意向も尊重したいのですね。
それで、将来的にはマイホームを売るか賃貸に出して夫の実家のリフォーム費用を負担し、そちらに住む計画に行きついたとか。両方の実家もその案に同意してくれたものの、経済的に大丈夫か、急に不安になったようです。
まず、2800万円のローン返済についてです。フラット35(融資率9割以上・35年固定金利)の平均的な金利だと、毎月返済額は約8万7000円。金利が3分の1の変動金利ローンだと、約7万2000円の返済額でスタートです。
家賃並みのローン、とはいかないものの、家計簿上は年間黒字額が92万円強あるので、支払い能力に問題はなさそうです。「ボーナスには手をつけず、全額貯蓄に回している」とお便りにあり、今後も年間貯蓄80万円をキープできるといいですね。通信費、被服費、雑費を引き締められないか、工夫してはいかがですか。
計画実行にあたっては、リフォームにいくらかかるかを見積もる必要があります。マイホームの売却価格や賃貸相場などを調べる必要もあります。重要な判断なので、夫と一緒に検討を。
学資保険代わりに、あなたの終身保険を変額保険に変更する案については、慎重に判断してください。あなたが万一の場合の教育資金確保としてはよいですが、無事のケースの教育資金としては大胆すぎます。リスクの伴わない積立貯蓄も併用することをおすすめします。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2021年11月6日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。