相談者:Tさん(熊本県在住)
夫69歳(無職)、妻68歳(無職)
Q. 年金生活の夫婦の資産運用方法は何が良い?
外国公社債を換金したため、今、普通預金口座にある約1200万円のうちの1000万円をどう運用したら良いのか悩んでいます。
年金生活なので、あまりリスクの高い運用はやめたほうがよいと思いますが、低金利なので、アドバイスをいただければと思っています。
夫の株、公社債は1600万円くらいということですが、正確には分かりません。
小遣いはそれぞれの個人年金で賄っていて、家計費には入れていません。この個人年金は、夫はあと7年、妻はあと8年もらえます。 また、自動車保険、自動車税、車のタイヤなどのメンテナンス費用は夫が払っているので把握しておらず、家計費には入れていません。
妻は最近まで自営業をしていましたが、リタイア。この10年が元気にお金を使って、リタイア生活を楽しめる期間かな、と思っています。夫婦で旅行が趣味なので、健康なら年間100万円の予算で10年間、楽しむ予定。コロナ後は海外旅行も再開したいです。
あとの資金は家電や車(中古)の買い替え、病気の出費や子、孫のお祝い等の交際費に使うつもりです。
A. 預金保険の適用が受けられる定期預金などで十分
旅行以外の支出の予算化をおすすめ。家のメンテナンス費用にも留意を
家計簿を拝見すると、ゆったりお金を使っておられる印象です。公的年金収入314万円に対し、家計支出は302万円。収支とんとんに近いですが、個人年金が大きなゆとりを生み出しているからでしょう。
この先受け取れる個人年金は、夫婦合計で970万円。趣味の旅行に毎年100万円ずつ10年間使う計画の裏付けになります。
でも、各自の小遣い、冠婚葬祭費、家具や車の買い替え、医療・介護の高額出費(保険外)は、貯蓄を取り崩して使うことになるはずです。
資産運用にあたっては、使いやすさも考慮する必要があるといえます。そのためには、趣味の旅行以外の支出も予算化することをおすすめします。
車の買い替えは中古車の予定だそうですが、これから買うなら、運転がしやすく、乗り降りもラクで、何より安全装備が充実したセーフティー・サポートカーにすべきでしょう。
家のメンテナンスについては、10年前に外壁塗装、3年前に水回りをリフォームしていて、今後は大きな支出の予定はない、とのこと。屋根や外壁の定期的なメンテナンス、ガス設備やエアコンの取り換えなどにお金がかかる可能性があることに留意が必要です。
家計貯蓄は現在3500万円。外国公社債の売却では、円安でラッキーだったのでは? 国債や株、公社債など有価証券での運用が多いので、1000万円は、預金保険の適用が受けられる定期預金などで満足すべきです。スマホが使いこなせるなら、金利が魅力のネット定期も選択肢に入れましょう。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2022年10月29日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。