相談者:Hさん(福岡県在住)
夫60歳(会社員)、妻49歳(パート)、長男21歳(大学生)、長女18歳(短大生)、次男14歳(中学生)
Q. 日々の生活で手いっぱい。老後資金は大丈夫?
主人が今年から嘱託社員になり、給与ダウン。ボーナスもなくなりました。
家計簿には記入していませんが、子どもの学費は学資保険の満期金(150万円)と奨学金で賄っています。長男の学費は4年間で約500万円。奨学金は250万円。長女の学費は2年間で250万円、奨学金は120万円です。足りない分は本人がアルバイトをして払っています。次男の学費も同様にするつもり。
日々の生活でいっぱいいっぱいで、家計簿上は黒字ですが、実際にはプラスマイナスゼロくらい。貯金がほとんどありません。そんなに浪費しているつもりはなく、必要な時に必要なものを購入しているつもりではありますが、もともと面倒くさがりで把握していない支出も多い上に、更年期で体調が良くないこともあり、これ以上節約する気力もないのが現状です。
今後の心配事としては、主人が退職したのに住宅ローンのボーナス払いが年に2回あるのが痛いです。退職金から払うしかないのですが、そうすると夫婦の老後資金が不安。老後資金としては夫婦で終身保険をかけていて、満期をすぎるまで解約しないつもりです。
A. 黒字分が特別支出の支払いに回っているか確認を
記帳する癖を付けて。終身保険を老後資金にするには解約が必要
ボーナスがなくなり、住宅ローンのボーナス払いでお悩みですが、車関係費などを合わせた特別支出は約90万円。毎年発生するわけではなさそうな家電品の24万円を除いても、66万円を毎月の黒字から充てる必要があります。
家計簿上の黒字(月6万7000円)を実際は使い切っている、ということですが、特別支出の支払いに回っているのでは? まずはそこを確認し、それ以外の使途不明金もチェックすべきです。
毎月の家計簿に計上されている支出のうち、食費と日用品費と雑費以外は毎月ほぼ同じように出ていく支出のはず。それらは月末にまとめて記帳すればよく、使途不明金をなくすためには、日用品費、雑費、食費、その他、の4費目について、しっかり記帳してください。
買い物をしたら必ずレシートをもらい、レシートがない出費はすぐにメモする癖をつけましょう。記帳すると、不要不急の支出をやめる癖がつくものです。年金生活に入るまで手をつけたくないから、貯蓄残高に退職金を加えていないのですよね。住宅ローンはあと2年で完済ですから、今が頑張りどきですよ。
なお、貯蓄残高欄の夫婦の終身保険に関する記載に誤りが…。保険証券を拝見すると、65歳まで500万円、それ以降は100万円の死亡保障の契約で、満期保険金はなく、老後資金にするには解約が必要です。解約返戻金は死亡保障額よりかなり少ないです。保険会社に解約時期ごとの返戻金を問い合わせて、老後の資金計画に誤算がないようにしましょう。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2022年9月17日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。