相談者:Aさん(福岡県在住)
夫27歳(会社員)、妻26歳(派遣社員)
Q. 45歳でFIRE希望。現状の収支で達成できる?
あまり周りの人にも相談できない内容なので、こちらに投稿させていただきました。
仕事のストレスがきつく、45歳でのFIRE(※)を目指しています。そこで、現状の収支で達成可能かどうか、FIRE実現に向けたアドバイスなどをいただきたいです。
また、世に出ているFIRE達成者の多くは独身もしくは子どもがいない夫婦が多い印象ですが、私(夫)は子どもはいずれ欲しいと思っているので、子どもがいる場合の意見をお聞きできれば幸いです。
FIRE後は給料のことを気にせず、ワークライフバランスや社会貢献性を重視した働き方に変えたいと思っています。
コロナの影響で先延ばしにしている結婚式や新婚旅行に備えて、普通預金は多めに確保。外国株インデックスの投資信託を中心に運用に回しつつ、資産ポートフォリオのバランスも考慮して貯蓄性保険(円とドル)にも一部回しています。
※FIRE=Financial Independence, Retire Earlyの略。経済的な自立を目指し、仕事を早期退職すること。不労所得によって生活費を賄う。
A. 妻も同じ考えなら、一人で頑張らず世帯年収アップを
夫婦の個人支出と黒字の使い方のルールを決め、式や旅行をカタチに
高収入の仕事で寝る間も惜しんで働き、早期退職後は蓄えたお金の運用益で暮らす――これがアメリカ発祥のFIREです。日本では共働きなどで高貯蓄を達成し、子育てがしやすいように仕事や住環境を変えて、資産運用と副業と節約で暮らす「サイドFIRE」を目指す人が増えつつあります。Aさんもその一人ですね。
気になるのは、FIREを目指す理由が「仕事のストレスがきつい」という点。あと18年も、今の仕事を続けることができますか? FIREのためとはいえ、心が折れたり、健康を害しては元も子もありませんよ。
まずなすべきは、妻とベクトルを合わせること。考え方や進むべき方向が同じであれば、夫婦とも若いうちに転職するなどで、気持ちよく働きながら世帯年収をアップすることができるはず。あなた一人が頑張る必要はないのです。
次に資産運用のスキルを磨くこと。現在、月21万3000円も投資に回しています。いろいろ工夫しているようですが、素人が運用で食べていけるようになるには、さまざまな経験の積み重ねが必要です。運用環境が悪化した際に、仕事が手につかないことがないように気をつけてください。
家計費では交際費が多いのが気になりますが、小遣いの代わりかもしれませんね。夫婦の個人支出と毎月およびボーナスの黒字の使い方のルールを決めましょう。子どもを持つことは、結婚生活の大きな喜びの一つであり、家庭の未来を切り開く原動力です。結婚式や新婚旅行を自分たちらしいカタチにすることから始めませんか。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2022年5月14日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。