相談者:Kさん(熊本県在住)
夫55歳(会社員)、妻55歳(主婦)、次男22歳
Q. 老後資金を殖やすには、どう資産運用すべき?
次男が大学を卒業、就職して、とりあえず子育てがひと段落します。現状、月々のお給料で生活費を賄い、年2回のボーナスで年間100万円ほどの貯蓄を行っています。
夫の定年も62~63歳に延びる中、今の生活収支については特に不自由を感じることはありませんが、老後の万が一に備えて、さらなる資産運用に挑戦したいと思っています。
いま、普通預金の口座に約900万円の蓄えがあります。手元預金としては300万円ほどあればいいと感じており、残り約600万円を投資に活用したいところです。しかし、現在の低金利政策に加え、コロナ禍で経済が停滞している中、どのような投資方法、投資商品を選べばいいか分かりません。
なお、自宅はマンションでローンも完済。リフォームや車の買い替えなど大きな出費予定も特にはありません。
これからは、夫婦2人で国内外への旅行など趣味を楽しみたいと思っています。現在の家計簿(次男独立前のものです)の収支状況も含め、アドバイスをお願いいたします。
A. リスクをどの程度とるべきか、夫婦で話し合って
安全資産と投資資産の比率について、定期的なメンテナンスも大切
ご次男の就職おめでとうございます。授業料がかからなくなるので、黒字分と合わせて毎月12万円の上乗せ貯蓄が可能ですね。効率的な運用で老後に備えたいとお考えのようです。
現在の貯蓄残高は、安全資産が1617万円、投資資産が865万円。投資比率は35%です。お考えのように預金から600万円を投資に回すと、投資比率は59%にアップします。
そこまでリスクをとって資産運用に挑戦すべきか、まずは夫婦で話し合うべきです。それを決めた上で現在の投資ポートフォリオを分析しないと、商品選びの段階には進めません。
「半値八掛け二割引」といわれるように、投資額が3分の1になることもあります。相場急落時につられて安くなった優良銘柄を買えるように備えたり、ドルコスト平均法が働く積立投資を選ぶことも大切です。
たとえば、今回投資に回すお金を600万円でなく400万円弱にすれば、安全資産と投資資産が約半々になります。株や債券、為替などの相場変動で投資比率は変動しますが、半年ごととか、相場が大きく動いたときには投資資産を時価評価し、最初に決めた投資比率に戻すこと(=リバランス)をおすすめします。具体的には、もうかっていれば一部を売って安全資産に移し、相場下落で投資チャンスとみたら安全資産を取り崩して投資する、といったメンテナンスをするのです。
家計簿では日用品とその他予備費を見直して収支改善を。マンション管理費など独立した費目で管理すべきものもありそうです。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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採用者には商品券2000円分を進呈。
転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2022年4月2日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。