相談者:Fさん(福岡県在住)
夫48歳(会社員)、妻45歳(会社員)、長女19歳(大学生)、長男17歳(高校生)、次男14歳(中学生)
Q. ボーナスに頼らず、貯蓄するためのやりくりは?
家計簿などつけたことがなく、貯蓄も会社の天引きで以前貯めたものです。
2年前に私が転職してから、赤字が続き、貯蓄ができていません。長男が他県の大学に、次男が私立高校に進学希望のため春以降の家計が不安なのと、ボーナスに頼らず、毎月赤字が出ないことが目標です。
つみたてNISAなど、初心者向けの資産運用の商品に興味がありますが、勇気が出ません。私が病気をしたので、今は転職が難しいです。
夫と子どもたちはお弁当を持参し、外食は年に1~2回程度です。私が病気をしたこともあり、食事は少し高くても無添加や、国産のものを使いたいと思ってます。
家賃は高いのですが、安全な環境やお互いの実家の近くなので、子どもが巣立つまでは住み、数年後には同居家族に合わせた間取りの家に住み替えを考えています。
夫は車が好きで、自分で使うガソリン代とお酒をお小遣いから出してます。また、自分で貯蓄をしたいようで、私が把握していない貯金が少しあり、子どもたちのプレゼントなどに使っているようです。
A. 今は貯め時、増やし時ではなく、使い時!
月3万円の支出削減に取り組み、教育費を計算しながら家計管理を
「貯蓄の基本は天引き貯蓄」を実践し、2000万円近く貯めたのは素晴らしいです。貯める分と使う分をしっかり仕分けしていたので、家計簿をつけずにここまでこられたのだと思います。
しかし、あなたの転職をきっかけに年間収支は赤字に―。昨年は年47万円の貯蓄取り崩しが発生しました。今年は長男の大学入学と次男の高校入学で、さらなる取り崩しが避けられない状況です。
まずは毎月の赤字解消に取り組みましょう。教育費は2月、3月も受験の影響で変動するので、それ以外の部分で月3万円の削減に挑戦すべきです。
ターゲットは雑費に分類した使途不明の3万5000円。これを5000円に抑え込むために、まずは3カ月、家計簿をつけましょう。毎日つけるのが大変なら、レシートや支出メモをとっておき、1週間ごとに集計する形でもOK。記録することで、ムダが抑制できるはずです。 次は教育費の手当てです。 長女はアルバイトで交通費 や携帯代も自分持ちとか。年間の学費をボーナスで払う今のやり方を、あと3年続ける形でよいと思います。 車の所有を諦める計画もおありのようです。決断すれば、毎月の駐車場代やガソリン代等もなくなり、 赤字縮小につながりますね。
資産運用に関心がおありですが、今は貯め時、増やし時ではなく、使い時。長男、次男の進路が決まったら、巣立つまでにいくら教育費がかかるか計算し、計画的に取り崩すことが大切です。
貯め時が復活する数年後まで、頑張って家計管理を!
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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1カ月の収支、家計状況と質問を書いて投稿フォームから応募を。
相談内容(保険、ローンなど)に関するデータは詳しく。
確認のため電話番号は必ず明記してください。
採用者には商品券2000円分を進呈。
転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2022年1月29日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。