相談者:Mさん(熊本県在住)
本人45歳(会社員)、長女12歳(中学生)
Q. 自分の老後資金、どうやって貯めるべき?
シングルマザーです。毎月の支出は給与で賄い、その他の収入を年払いの支出と貯蓄に充てています。
今後、子どもの進学費用や塾代は、学資保険とそれまでに手つかずで貯めてきた養育費(子どもが20歳になるまで受け取り予定)を使うつもりです。また、子どもの預金はお年玉やお祝いを貯めたもので、成人または就職時に渡す予定。
ただ、自分の老後資金をこれからどうやって用意すればよいのか分からず、悩んでいます。今の職場(勤続5年目)では中小企業退職金共済制度に加入していて、退職金はそこから出ると思いますが、月5000円の加入で、65歳まで勤めてどれくらいの退職金がもらえるかは不明です。
昨年12月から老後のためにiDeCoを始めました。また現在、月払いで55歳満期、入院保障付きの養老保険に加入しており、死亡または満期時に100万円の受け取りが可能です。
あと10年支払いが続きますが、この保険を解約してiDeCoに回すか、このまま加入しておくべきか迷っています。また、iDeCoの増額や、つみたてNISAを始めることも考え中。ご指導お願いします。
A. 黒字分をiDeCo増額、NISA、自己投資へ
養老保険は今解約しても元本割れなので継続し、退職金も試算を
お子さんの将来のために、とても頑張って貯蓄に励んできましたね。教育費としてこれまで貯めてきた分が約360万円あります。学資保険と養育費でほぼ同額をこれから貯められる予定なので、かなり安心な状況といえます。
そのほかに、子ども預金が100万円。一時払い変額終身保険(豪ドル建て)の解約返戻金と合わせて、独立援助資金として渡す計画と伺いました。ご自分のもしものケースに備えて、お子さんが受取人の終身保険や養老保険にもお入りで、〝親心〟が痛いように伝わってきます。 これからは自分の老後資金を用意する段階、とお気づきな点もさすがです。お子さんも中学生になりましたから、仕事にも力が入れられることでしょう。
1万円のお小遣いの範囲で、被服費や美容関係費もまかなっているようですが、老後資金づくりと合わせて、自己投資にもお金を使って、明るい老後を目指してください。
毎月の黒字のうち3万円は養育費が原資で、お子さんの預金口座に貯まっていく形なので、特別支出に回せる黒字額は年間約55万円。ボーナスと合わせると75万円になります。そこから年間の特別支出を差し引くと、43万円の黒字です。
したがってiDeCoの増額、NISAの開始、自己投資もそこから出せます。継続するかお迷いの養老保険は、今解約すると10万円以上の元本割れなので、続けて老後資金に充当すべき。退職金は中退共のホームページで試算できますから、調べてみるといいでしょう。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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確認のため電話番号は必ず明記してください。
採用者には商品券2000円分を進呈。
転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2021年11月27日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。