相談者:Nさん(福岡県在住)
夫34歳(会社員)、妻32歳(主婦)、長女5歳、長男2歳
Q. 転職で減収。家計改善のために見直すべき項目は
いつも家計の参考にさせてもらっています。
昨年、減収を覚悟で転職し、年収が約150万円ほど下がりました。すぐに手が付けられるものとして、携帯料金と生命保険を見直して約4万円ほど月の支払いを下げることができましたが、個人年金や学資保険は将来のことを見据えて現状維持で契約を続けています。車も2台所有でしたが、職場が近場になったため、1台を売却してバイク通勤にしました。
食費もできる限り削減しているつもりですが、大幅な削減は難しく、月の収支はいつもマイナス。給与で足りない分は貯蓄やボーナスで補てんしています。
保険や積み立てだけでかなりの月支出があるので見直すべきかと考えていますが、老後2000万円時代の到来を考えるとなかなか減額に踏み切れません。
下の子の保育園が決まれば10月から妻がパートに復帰する予定で、8万円程度稼げる見込みですが、保育園代が約3万円かかってしまいます。
自分たちだけでは家計改善の策が尽きてきた気がしていますので、貴重なアドバイスを頂戴できれば幸いです。
A. 見直すべくは、子どもの習い事と医療保険
一時的な借り入れ対策に、夫名義の定期預金口座をつくって
家計を妻任せにせず、夫婦で力を合わせて見直しに着手したのは素晴らしいです。すでに月4万円の削減に成功。減収分の3分の1がカバーできた形です。
送っていただいた家計簿の状況だと、毎月の赤字をボーナスで埋めきれず、年間赤字は7万4000円です。妻がパートに出れば、保育料を払っても容易に解消できる赤字額です。
でも、油断は禁物です。コロナ禍が長引いてボーナスが減ったときなどに取り崩せるのが妻の普通預金だけ、という状態は改善したいですね。すでに結婚前に貯めた預金を取り崩しているようですが、それは最後の手段と位置づけましょう。
そのためにはもう一段の支出削減にチャレンジして、あなた名義の定期預金口座をつくるべきです。給与振込口座にセットして、やむをえない支出に対して定期預金を担保にした一時的な借り入れ(当座貸越)ができるようにするのです。赤字になると普通預金残高がマイナスになるので、「今月は外食をガマンしよう」といった節約意識が高まるはずです。
見直すべきは、子ども関連項目です。夫婦とも小遣いを確保せず、必要に応じて日用品費の枠で使うなど、親はガマンの態勢のようです。気持ちは分かりますが、教育費を聖域視するのはやめましょう。
5歳児に習い事3つは多すぎませんか? 共働きを始めると時間的余裕も減るので、家族で過ごす時間を大切にする意味でも、教育費にメスを入れてください。月2000円の医療保険を子どもたちにかけている点も、再考をおすすめします。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2021年10月16日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。