相談者:Nさん(熊本県在住)
本人30歳(公務員)
Q. 結婚・転居…ライフイベントに備えて貯めるには?
いつもこのコーナーを拝見させていただき、日々勉強しております。
現在独身ですが、お付き合いしている方がおり、早くて3年以内には入籍・同棲することになると思います。結婚に向けた転居は早くて2024年頃、結婚式はその1~2年後を予定しています。
子どもも望んでおり、少なくとも2人は欲しいと思っています。年齢も年齢なので、不妊治療も考えて貯蓄型の保険に手当たり次第入っていますが、この貯蓄方法でいいのか不安があります。ドル建て終身保険に年約50万円払っていますが、自分には高すぎるのかも…と最近考えています。終身保険額は適正でしょうか。
また、今年から投資信託でのNISA枠を利用し始めましたが、初めてのことだらけで勉強中のため、マイナスもあります。
住まいは現在は賃貸(家賃補助あり)ですが、いずれはマイホームを持つのが理想。このままの貯蓄方法でいいのか、もっと現金で持っていた方がいいのか心配です。彼の奨学金返済や挙式希望もあるので、家計の見直しと貯蓄の仕方に悩んでいます。アドバイスよろしくお願いいたします。
A. 普通預金は殖やす必要なし。保険をもっと調べて
ドル建て終身保険は、為替相場などを勉強しながら結婚後に検討を
生活設計をしっかり立て、資産形成にも意欲的ですね。結婚予定のお相手のキャリアアップを応援しながら、出産年齢が上がるリスクに備える姿勢もお見事です。
でも「不妊治療も考えて貯蓄型の保険に手当たり次第に加入」という行動はよくありません。一般的な医療保険でも給付対象になる不妊治療はありますが、不妊治療特約を付けることで手厚い保障が得られる保険もあります。加入中の医療保険を含め、よく調べることをおすすめします。
貯蓄型の保険に関しても、治療でお金が必要になったときに換金しやすいかを調べて選ぶべきでした。ドル建て終身保険は、為替リスクを考えなければ、死亡保障面でも貯蓄性面でも円建てよりも効率がよいです。ただ中途解約などの換金時に加入期間中の平均よりも円高ドル安だと、元本割れのような状況もありえます。
Nさんの契約は年4392米ドルの保険料を払うことで30万ドルの死亡保険金が払われる契約。死亡保障額が大きいですが、70歳以降は年金受け取りに替えられるオプションもあります。
リスクは承知の上で加入したのなら、国際情勢や為替相場、金利動向などを勉強するチャンスととらえて継続し、家庭を持った段階で継続、減額、解約などの検討をしてはいかがですか。
現在、黒字分を含め手取り年収の3分の2が貯蓄や投資に回っています。NISAで投資の勉強をなさっているのも〇。3年以内に大きな支出はなさそうなので、現金感覚の普通預金をこれ以上殖やす必要はなく、この調子で頑張りましょう。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2021年10月2日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。