相談者:Eさん(熊本県在住)
夫33歳(会社員)、妻37歳(会社員)、長女6歳、次女3歳
Q. 住宅購入やコロナ禍で貯蓄が激減。どこを見直す?
3年前に築37年の中古住宅をリフォームし、2600万円のローンを組んで購入しました。
結婚後、新生活準備や自動車(仕事用)購入、奨学金の繰り上げ返済などで預貯金を使い果たしてしまい、手元資金がほぼゼロに。
また、今回のコロナ禍で夫が転職することになり、なかなか貯蓄ができていません。
今回の相談のためにいざ家計簿を記入してみると、計算上は黒字家計ですが、実際は赤字家計になることも多く、突発的な交際費や日用品に使っているのだと思います。
妻(私)保険のうち2万5000円は外貨建ての変額個人年金、子ども保険も1万円は夫名義の外貨建て保険で、学資保険代わりです。
住宅は、リフォームしたとはいえ中古ですので、今後の補修費を用意しなければなりませんし、現在の自家用車も8年目になるので、そろそろ買い替えを検討しなければなりません。
貯蓄を殖やすには、どこを見直せばよいでしょうか?給与などが振り込まれる普通預金口座は残高がほぼゼロの状況で、手元にお金がほとんど無いことを心配しています。
A. やりくりで月2万9000円の貯蓄増は実現可能
使途不明金一掃、買い物ルール決めなどに挑戦。習い事も見直しては
コロナ禍による減収が、ひとまず止まったようで、よかったですね。家計簿で把握できた支出のほかに、月1~2万円の使途不明金があるようなので、それを一掃しましょう。
ローンや光熱費、通信費、保険料など預金通帳に記録がある支出は、そこから転記したのでしょう。小遣いなどの月ぎめ支出も、正確に把握できているはずです。
使途不明金は、食費・雑費、日用品費など、日々お財布から出ているのでしょうね。これを抑えるには、予算を立て、それ以上使わないようにする必要があります。
食費と雑費がひとくくりなのは、スーパーマーケットなどでレシートが一緒だからでしょう。買い物は2日に1度、レジかごに入れるのは4000円まで、といったルールを決めてください。できあいのおかずやおやつの購入が多いなら、土日にまとめづくりしてホームフリージングするなどで、月1万円のコストカットができそうです。
雑費を別途計上しているのに、日用品費に2万円は使いすぎでは? 支出を細かく記録し、月予算1万円でのやりくりに挑戦しましょう。
交際費は、百貨店友の会の積み立てでもらえる買い物券を充てているとか。突発の交際費には、月5000円ずつストックして備えることをおすすめします。
以上のやりくりで、月2万9000円の貯蓄増が実現します。学童保育に通う長女の習い事も、適性を見極めて1つ減らし、2つに絞りませんか? 貯蓄だけでなくあなたの時間的ゆとりも増え、心の豊かさを実感できるようになると思います。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2021年7月3日号掲載
- 暮らし
高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。