相談者:Wさん(鹿児島県在住)
夫40歳(農業)、妻33歳(主婦)、長女4歳、長男1歳
Q. 万が一に備えつつ家計を見直し貯蓄を増やすには?
夫は実家の農業を手伝っており、自営業です。私は今月から月9万円程度のパートを始め、子ども2人の保育料は月5000円程度です。
母や長女が2年近くの入院を経験したことで、備えの大切さを痛感。昨年、夫の医療保険を2本に増やしました。ただ、死亡保障が少々厚過ぎるような気もしています。
また、私は長女を帝王切開で出産後、次の出産に備えて医療保険に特約付きで入りました。今後はスリム化して家計の負担を減らすべきでしょうか。
昨年末に1650万円の住宅ローンを組み、マイホームを購入。年利0.9%、10年固定金利で2055年完済予定です。
また、所有している普通車と軽自動車が両方、購入から7年ほどたっており、そろそろ買い替えも考えなければと思っています。
夫が将来実家を継いで経営者になれば、収入は今より増える予定。子どもたちがもう少し大きくなったら私も働く時間を増やすつもりです。
ぜひ、支出で削減すべきポイントや貯蓄のアドバイスをお願いします。お送りした家計簿は先月分です。
A. 赤字補てんは困難、今すぐ支出削減にチャレンジを
夫保険は現状維持、雑費1割削減を。貯蓄増には家業の成功が不可欠
先月までの家計は、年90万円近い支出超過の状況でした。あなたがパートで働き始めたことで、一息つけそうでよかったですね。
でも、お子さんの闘病に伴い支給されていた特別児童扶養手当が、8月に終了するとか。8月まで月4万円程度の余裕がありますが、児童手当が月25000円になると、毎月の黒字は月5000円に縮小します。
このままでは、共働きに伴って発生するかもしれない保育料以外の支出や、特別収支の赤字を補うのがむずかしそうです。今すぐ支出削減に挑戦しましょう。
妻医療保険は、帝王切開での出産に備えて1本追加し、給付金を受け取ったとか。子どもは2人でよければ、1本は解約が妥当です。
夫の死亡保障は、住宅ローン付帯の団体信用生命保険により、もしもの場合はローン返済の必要はなくなるので、減額を考えているのかも…。ただ、公的保障(遺族年金)はサラリーマン家庭と比べ少ないので、現状維持が望ましいです。
他の費目では、雑費が多額ですね。おむつ代や理美容費、コンタクトレンズなど、削れない支出を含むようですが、日用品費と合わせ1割削減にチャレンジを。特別収支のイベント・交際費や家電買い替え費も見直す余地があるのでは?
貯蓄を増やすには、夫が家業を継いで、農業をビジネスとして成功させることが不可欠です。国や地方自治体が農業者向けに行っている支援制度を上手に活用しましょう。家計簿とは別に帳簿をつける必要もありますよ。夫婦で力を合わせて頑張ってください。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2021年6月12日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。