相談者:Oさん(福岡県在住)
夫31歳(団体職員)、妻30歳(団体職員/育休中)、長女3歳、長男1歳
Q. 教育資金を投資だけで確保するのはリスキー?
現在、育休中。子どもたちの教育費について、どのように貯蓄すればよいか頭を悩ませております。
長女の保育園料は4月から無償化が適用され、減額しました。長男の保育園入所は復職予定時の2022年春頃を考えており、保育料は5万円前後になると思います。ボーナスはありませんが、復職しますと、年間100万円ほど支給される予定です。
子どもが未就学児のうちが貯め時だと感じており、ジュニアNISAを今年から2023年分までフルで活用したいと考えております(80万円×3年×2人=480万円)。これでひとまず大学入学費用は確保できるのかなと考えておりますが、一時的に資産上の投資の割合が多くなってしまいます。
現在の家計状況において、このように投資で教育資金を確保することはリスキーでしょうか。
また、妻の私は掛け捨ての医療保険のみ加入しており、生命保険には加入しておりません。現状育休中ですが、生命保険に加入する必要はありますでしょうか。必要がある場合、どれくらいの金額の保険をかければよいでしょうか。
A. 投資で大学資金を作る選択もあり、商品は検討を
年間80万円の投資タイミングも大切。生命保険は、まず必要性を確認
昨年からつみたてNISAを年間限度額ギリギリまで開始したのですね。今年は投資信託での積み立てもスタートなさったようです。
2つの投資とも、同じ投資信託(全世界株式インデックスファンド)を選択。世界経済全体の発展に伴うリターンを期待してのことでしょう。「長期・積立・分散」は資産運用の王道です。
制度廃止に伴い、引き出しの自由度が高まり、非課税メリットが増大して駆け込み人気化しているジュニアNISAも、同じ投資信託で運用する予定と伺いました。
すでに年収を超える貯蓄をお持ちで、投資分を含めた年間貯蓄率は50%を超えています。育休明け後は、年400万円以上を貯蓄に回せる状況で、マイホームやマイカーの購入予定もないとのこと。そうであれば、投資で大学資金を作る選択もあってよいと思います。
ただ、すべての投資が同じ商品でいいか、検討を―。全世界株式インデックスファンドも複数あり、商品によって投資対象の国数や企業の規模、信託報酬などのコストに違いがあります。
また、積み立て型ではないため、年間80万円の投資タイミングも大切です。各年の非課税枠の範囲内であれば、何度かに分けて投資できるので、相場をあまり気にせず、積み立てのようにするのもいいでしょう。
あなたの生命保険については、夫に必要性を尋ねてみるべきです。いざというときは、両実家からのサポートが期待できる状況のようですから、勤務先のグループ保険や共済などで、最低限のカバーを検討するといいかもしれません。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2021年6月5日号掲載
- 暮らし
高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。