相談者:Sさん(鹿児島県在住)
夫35歳(会社員)、妻32歳(会社員)
Q. 間もなく出産。家計のどこを見直せばいい?
結婚して約1年。第1子の出産を控え、家計を見直したいと考えています。
現在は産休に入ったばかりで、出産後は1歳まで育休を取得して、職場復帰するつもり。家計簿は産休前のものです。
出産手当金は約30万円、育児休業給付金は月10万円ほどと見込んでいますが、今後は収入が大幅に減ってしまうため、貯蓄を崩しながらの生活になるのでは、ととても不安です。
産休・育休中は、家計のどこを見直せばいいでしょうか。
貯蓄は、私と夫それぞれが毎月3万円ずつ、ボーナス時にも一定金額を貯めてきました。
また、車の税金や保険などの支払いに備え、毎月1万6000円を夫の普通預金の中に貯め、車関係費はそこからやりくりしています。
漠然とした思いですが、5年以内に住宅と車を購入したいと考えています。
子どもが小さいうちが貯蓄しやすいと聞きますが、今後、貯蓄を増やしながら生活していくには、どうすればいいでしょうか。
良きアドバイスをお願いします。
A. 収入減は積み立て休止や出産手当金でカバーを
今後は児童手当やNISAなどで教育資金と老後資金作りを始めて
結婚以来、コツコツと一定額を積み立ててきたのは、とてもよいやり方です。確実な貯蓄実績は、住宅ローンの借り入れ額を決める際の安心材料になります。
車関係費を別建てで積み立ててやりくりしている点も○。買い替えや買い増し資金も一緒に貯めていくと、さらによいでしょう。
住宅と車の買い替え時期については、出産し復職してから決めればOK。どういうものをいつ買うのがいいのか、イメージが明確になるはずです。
産休・育休中の減収を心配なさっていますが、出産手当金や育児休業給付金の見込み額を把握しているので、対策が立てやすいです。
月収が3万円ダウンする期間は、妻の積み立てを休止すれば、毎月の赤字が回避できます。育児休業中の子ども関係費は、妻の小遣いの自然減と現在の黒字分を充当しましょう。
ボーナス収支は、貯蓄が主体なので、あまり心配する必要はありません。冠婚葬祭費が少し増えるでしょうが、今年は妻のボーナス減少分を出産手当金でカバーできます。
したがって、産休・育休中に大きく貯蓄を取り崩す事態にはならないはず。すでに年収の2.8倍以上の貯蓄がおありですから、安心して子育てしてください。
今後は、児童手当を子ども名義で貯めて教育資金作りをスタートしましょう。夫の積み立てにNISAやiDeCoを組み入れて、老後資金準備を始めることをお薦めします。
職場復帰後の共働き生活に備え、家事や育児を夫と仲良く分担してくださいね。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2021年3月27日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。