相談者
Sさん(鹿児島県在住)
本人26歳(会社員)
Q.質問
コロナ禍で不安。貯蓄を増やすためには?
私は独り暮らしで、サービス業に勤めています。新型コロナウイルスの影響で失業してしまうのでは、と不安に駆られています。
今年のボーナスは、コロナ禍で支給はありません。もし仮に失業してしまったら、毎月の必要経費だけでも10万円掛かるので、現在の貯蓄だけではとても不安です。これまで少しずつ家計の見直しを行っていて、1年半ほど前に携帯を格安スマホに変更、1年前には生命保険を解約して就業不能保険に加入しました。今春には維持費がもったいないと考え、車を手放し原付バイクに乗り換えました。
自動車ローンはまだ残っていて、あと1年半ほど。奨学金の返済は、残り10年です。現在毎月3万円を引き落としで積み立てていますが、これを毎月5万円ずつためる形にしたいと考えています。最近はキャッシュレスやネットでの買い物など、カードの使用や、口座からチャージして支払うことも多くなり、お金の減りが早い気もします。うまく管理して、貯蓄を増やすにはどうすればいいでしょうか。
A. 回答
日用品費、レジャー費、被服費、交際費を3割カット
支出を毎日記録し、マイナスにならないよう上手にコントロールを
コロナ禍の影響が及ぶ前から家計の見直しに着手なさっていたのですね。
ボーナスの全額カットは痛手ですが、あなたならうまく乗り越えていけるでしょう。車の売却は苦渋の決断だったと思います。ローンが残ってしまいましたが、月1万7000円の返済は、1年半後からは月1万7000円の貯蓄につながります。今が頑張りどころですよ。1年前に取り組んだ通信費や生命保険の見直しも〇。医療保障を追加するとさらに安心ですが、貯蓄に注力したいなら、「医食同源」を意識し、バランスのよい食生活と適度な運動を心がけましょう。外食を減らして、手作り食を充実することをおすすめします。
月5万円の貯蓄目標を達成するためには、あと2万円を安定的にひねり出さなくてはなりません。現在の黒字を堅持したうえで、1万円の節約が必要です。
その気になれば削れそうなのは、日用品費、レジャー費、被服費、交際費の4つ。各費目で3割カットすれば1万500円の節約です。問題は予算をどう守るか、です。キャッシュレス支出が多いようなので、節約対象4費目の合計予算2万4500円に、食費、外食費、雑費を加えた4万6500円の枠を意識して予算管理するのがよさそうです。市販の家計簿、ノート、パソコン、スマホのいずれでもよいので、現金、キャッシュレスにかかわらず、支出を毎日記録してください。予算の4万6500円から毎日使った金額を差し引いていき、月末にマイナスにならないように上手にコントロールしましょう。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・鹿児島」2020年10月31日号掲載
- 暮らし
高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。