旅行サークルで知り合った坂本さんと妻の智代美さん。キャンプや釣りも好きという坂本さんは、息子の朝杜くんと一緒に、これからアウトドアを楽しむために少しずつ準備しているそうです。子育ての方針で揉めたことはないという坂本さん夫婦の秘訣とは…?お二人の取り組みや育児に対する考え方を聞きました。■Profile坂本 一真(さかもと かずま)さん1985年生まれ。福岡市博多区出身 金融機関に13年勤めた後、子育てのことを考えて2年前に転職。現在は、建設・不動産企業の財務に携わっている。妻、智代美(ちよみ)さんと2019年に結婚。1歳を迎えたばかりの朝杜(あさと)くんの子育て中。妻の子どもに対する気持ちの変化――お二人の出会いをお聞かせください。同じ大学の旅行サークルで出会いました。と言っても、妻は5歳下なので、在学中ではなく、僕の卒業後です。OBを交えた飲み会があって、妻の就職活動のアドバイスに乗っていたのがきっかけでした。それから、離れたりもしながら約8年付き合って、3年前に結婚しました。――結婚前から、お二人で子どもを持つことや育て方などについて話されましたか?僕は子どもが好きだったので、そういう話はしていたんですが、当時、妻はあまり子どもと触れ合った経験がなく、どう接して良いか分からないといった感じで。そのときは、そこまで子ども望んでないようだったので、あまりプレッシャーをかけるのは良くないと思って、様子を見ていました。その後、妻の周りの友人たちに子どもができて、触れ合うようになると、だんだん子どもが欲しいと思うようになったみたいです。予定よりも早い出産――出産前のご自身や智代美さんの心の変化、日常生活の変化などはどうでしかた?妻のつわりがそんなにひどくなかったので、何か特別困ったということはありませんでしたが、やはり、自分の体がどんどん変わっていくのは怖かっただろうと思います。理解はしたいなと思っていました。また、本人ができるだけ動きたいと話していたので、部屋の中に閉じこもらないように、一緒に散歩したり、外に連れ出したりするようにはしていましたね。妻が気分転換できるようにと心がけていました。――事前に育児について勉強や準備をされましたか?必要なものは、周りの子育て経験のある人たちに聞いて少しずつ準備していたんですが、子どもが予定より1か月早く生まれたんです。それで、完璧な状態ではなかったので、生まれたと同時に急いで買いに行きました。――それは大変でしたね。出産には立ち会えたのですか?もともと予定していた病院で出産できず、面会も全くできなくて出産には立ち会えませんでした。僕と妻が一緒にいたときに陣痛があったので、予定していた病院に連れて行ったんですが、そこから救急車に乗って別の病院に移動することになって。生まれたその日に抱っこはできませんでしたが、顔を見ることはできました。2150gと小さく生まれたので、しばらくICUにいて、2週間後に退院したとき初めて抱っこできました。本当に可愛かったです。子育てに携わるため転職を決意――家事育児と仕事とのバランスはいかがですか?夕方6時頃には帰宅できる仕事なので、帰ってきて、お風呂に入れたりごはんをあげたり、育児に携わる時間が十分取れています。仕事中も息子に会いたくて、早く帰りたいという思いがどうしても出てしまいますね(笑)。会社のパソコンの画面は息子なので、それを見て、早く終わらせようと意識して仕事しています。――育児をするのに良い環境ですね。前の職場ではどう頑張っても帰りが遅かったし、家から通うのも遠かったので、2年前に転職したんです。13年勤めた職場でしたが、妻と会話する時間もなく、子どもをもつことも考えて、思い切って転職しました。やめた途端に妊娠が発覚したんです。おかげで家族と過ごせる時間が増えたので、それが1番自分の中では嬉しいですね。前の職場だったら育児にはほとんど参加できなかったと思うので、転職して良かったと思います。妻は、出産の2ヶ月前に育休を取って、出産後3ヶ月ぐらいで復帰したんですが、朝も早く夜も遅い仕事だったので半年経って退職しました。今は専業主婦です。――家事や育児は夫婦で分担されていますか?子どもが生まれる前から、早く帰ったほうが家事をするようにしていて、担当はあえて作りませんでした。お互いが同じことをできるようにしておけば、どちらかが体調を崩しても困らないので。――育児をすることでの夫婦間の変化はありましたか? 当たり前のことかもしれませんが、それまで自分たちの生活だけを考えていたのが子ども主体の生活になりました。外出するにしても、子どもは耐えられるのかを考えます。今離乳食期なので、何時にどこであげて、どこでオムツを替えて…など、ある程度頭の中で計画を立てて、下調べもしてから出かけないといけませんね。親子3人でキャンプに挑戦――朝杜くんと一緒によくお出かけされるのですか?はい、買い物などのちょっとした外出もしますが、キャンプが好きなので、先日、息子が1歳になる少し前に、キャンプデビューさせました!子どもがどれぐらい大きくなったら、どこまで行けるのか、少しずつ慣らしていこうと思っています。――すごい!1歳でキャンプデビュー。でも大変だったのでは?夜泣きはなかったんですが、まだ歩けないので、土の上をハイハイさせるわけにはいかず…。動きたいのに、テントから出ようとすると止められてしまうのでもどかしそうでした。もうちょっと歩けるようになってからの方が良かったかなと思います。食事は、開けるだけで食べられる市販の離乳食を持って行ったら喜んで食べていました。――子どもとキャンプする上で気をつけたことは?キャンプ場の場所が全てだと思います。体調を崩したらすぐ病院に連れていけるなど何かあってもすぐ対処できるように、都会に近いキャンプ場に連れて行きました。また、外で寝るので体調を崩さないように、できるだけ気温が変わりにくいような場所で、蚊がいない季節に行った方が良いと思いますね。これから暑くなるのでしばらくは行かず、また涼しくなってから連れて行こうと思っています。――次のキャンプが楽しみですね!朝杜くんがいてよかったと思う瞬間はどんなときですか?朝起きてから寝るまで、いつもです。小さく生まれてきたこともあり、ちょっと体調を崩したら、どれだけひどくなるかも分かりません。今日一日元気でいてくれることに感謝しています。子どもが健康でありさえすればいいなと思っています。少しでも体調が悪いととにかく心配です。自分よりも大切な存在だなと。夫婦間で共通認識を持つこと――子育てで大切にしていることはありますか?妻ともよく話しているんですが、人に好きになってもらえるような子になって欲しくて、そこを夫婦で共有しています。この共通認識があるので、子育てをする上で、こんな子どもに育てたいという思いにズレが出てきたとしても、結局ゴールは同じなんです。おかげで、育て方について夫婦間で食い違いは出ていません。人に好かれるためにすることと言えば、例えば、協調性を持つとか、嘘をつかないなど、人として当たり前のことを全部含んでいるんです。その方向性だけ見間違えないようにして子育てに取り組んでいます。――これからパパになる人たちにメッセージをお願いします。僕は、まだまだパパとしてひよっこですが、子育てを「手伝っている」という感覚だけは持たないでおこうと思っています。子育ては、初めから2人でやることなので、「手伝う」と思ってしまうと参加していないようになります。自分主体でやるものだと思ってやっています。あとは、周りからいろんなアドバイスを聞くことも大切ですね。ものを一つ買うにしても、これはいる、いらないだとか、夜泣きがあるときはこんな感じ、そんなこと大したことないよとか、実際の経験を聞くことができます。僕の場合は、キャンプ仲間や友人、近所の人、おじいちゃんおばあちゃん・・・周りに子育ての先輩ばかりなので、いろんな人に話を聞いて、自分の子育ての参考にしています。取材後記子育ては自分主体でするものだという意識を持って、子育てに参加するために転職した坂本さん。お互い同じ家事ができるようにしていたり、同じ子育てのゴールを共有していたり、常に夫婦が同等の立場や目線に立って子育てをされているのを感じられました。旅行好きのお二人なので、これから朝杜くんといろんなところにお出かけできるのが楽しみですね!■あわせて読みたい記事・ベビーベッド卒業後はどこで寝る?先輩ママが経験談をふまえてご紹介・将来に備えて子ども名義の口座を開設するメリットって?FPが徹底解説!
株式会社匠でロボットの機械設計を務める本村さん。妻、和美(かずみ)さんとの遠距離恋愛を経て結婚し、2020年12月に長男、侑詩(ゆうし)くんが誕生。これまで仕事を最優先に走って来ましたが、先月2週間取得した育児休暇を機に心境の変化があったそう。育休の前後における子育てに対する意識について伺いました。■Profile本村 昌寛(もとむら まさひろ)さん株式会社匠/機械設計1991年生まれ。長崎県出身、大野城市在住。九州大学卒業後、某大手機械メーカーに入社し、三重県伊勢市にて3年間機械設計に携わる。2019年、妻・和美(かずみ)さんとの結婚を機に福岡に戻り、株式会社匠に入社。現在11ヶ月の男の子、侑詩(ゆうし)くんの子育て中。バンド好きで意気投合――お二人の出会いをお聞かせください。共通の友人の結婚式の二次会で知り合いました。カラオケで妻が入れたバンドの曲がちょうど僕の18番だったので、2人で一緒に歌うことになったんです。僕は大学のサークルでバンドをやっていたことがあって、妻と音楽の趣味が合うこともあり、それから連絡を取り合うようになったんです。当時、僕は三重、妻は福岡で働いていたので、翌月、妻が大阪に出張するタイミングで初めてデートしました。また、次のデートでは伊勢に来てくれて、そのときスカイラインという山道の頂上の景色が良い場所で僕から告白して付き合い始め、1年ぐらい遠距離恋愛して結婚しました。――結婚前から、二人で子どもを持つことや育て方などについてお話されましたか?育て方とか具体的な話まではしませんでしたが、子どもが何人欲しいかという話はしていましたね。僕は、2人か3人欲しいと思っていて、妻も2人は欲しいと。お互いに子どもを持つことに意識はしていたと思います。――子どもができたことを知ったときの気持ちはいかがでしたか?嬉しさと同時に不安もありました。子どもを一人前に育てるとなると、きちんと責任を持たなければいけないので、僕にちゃんとできるんだろうかという不安が大きかったです。――出産前の本村さん自身や奥さんの心の変化、日常生活の変化などはどうでしたか?妻は保険会社に勤めていて、生まれる1ヶ月前まで働いて産休に入りました。妻のお腹が大きくなるにつれて、命の重さを感じていましたが、辛そうにしているときも、僕はただそばにいることしかできていなかったと思います。妻に薦められた、男の育児の本を読んで心の準備はしていました。――育児本は役立ちましたか?はい、みんな子育て1年生だから分からないのは当たり前だということが書かれていて、勇気付けられました。僕にとっては良い心構えになりましたね。――コロナ禍で出産の立ち合いは難しかったんじゃないでしょうか?出産前夜につわりが来て、翌日帝王切開が決まったんですが、病院側が気を使ってくれて、僕の同意を得るための説明のときに、分娩室で少しだけ立ち会わせてもらいました。――側にいてくれて奥さんも心強かったでしょうね。はじめて子どもを抱っこしたときいかがでしたか?当時のことは覚えていますが、その気持ちはなんとも言葉にできないです。嬉しいとか不安とかももちろんあったんですが、あったかいとか、そういう、感覚から来る感情の方が大きかったような気がします。子どもと向き合うため育休の取得を決意――10月に育休を取得されたそうですが、取ろうと思った理由や、取ったタイミングについて教えてください。それまで仕事が忙しく、月60~80時間くらい残業していて、帰りが深夜になることもあったので、子育てにあまり参加できていませんでした。子どもとの時間をちゃんと作りたいという気持ちはずっとあったんですが、つい仕事を優先してしまっていて。自分の中で、どこかバランスが崩れて来ているのを感じて、仕事に関しても、育児に関してもモヤモヤが溜まって限界が来たんです。そこで、取るなら今だと思って、仕事が一段落した時期に2週間の育休を取ることを決めました。――育休取得は社内第一号とのことですが、スムーズに取得できましたか?はい、所定の手続きはありましたが、すぐに取ることができました。取得の条件は女性と同じです。2週間という期間も自分で決めました。――2週間はどのように過ごしましたか?以前は、妻が子どもと寝ていたんですが、育休中は毎日僕が子どもと2人きりで寝ました。また、リストを作成して家事と育児を分担することにしたんです。まず、今お互いがやっている家事育児を書き出し、それから、育休中やる家事育児をリストにして、2人のバランスを修正しました。書いてみないとお互いの負担のバランスが分からなかったので、これはやって良かったなあと思っています。あとは、これまで自分の時間が取れず、新しく学ぶことができていなかったので、育児本を読む時間も作りました。――育休中、仕事のことは忘れられましたか?ほとんど思い出してないです。仕事は仕事をしているときに考えれば良くて、育児中に考えてもしょうがないので、今は子どもと面と向かって接する時間だと、しっかり切り替えができました。育休を通して変わった子育てへの意識と夫婦の関係性――育休を取得してみていかがでしたか?あっという間だったので、欲を言えば1ヶ月はあったら良かったなあとは思いますが、2週間とは言え取って良かったです。以前は仕事ばかりに集中して、妻との会話もほとんど休日のみで、だんだん心がすれ違っていました。もちろん妻も初めての育児なので、毎日ボロボロになりながらやっていたんですよね。育休によって、妻と話す時間を取れるようになったので、気持ちのすり合わせができて、夫婦間の関係性がよくなったと思います。――夫婦間のコミュニケーションが大切だと分かったのですね。育休から戻っての生活はどうですか?意識が変わったので、もとの生活に戻ってからも子育ての優先順位が高くなりました。育休前の仕事と育児の比率が9:1だとしたら、今は、6:4ぐらいに変わったと思います。子どもと1日一緒にいるということを一度経験したことで、子どもへの気持ちや愛情が高まりました。自分はまだまだ子どもと向き合えていなかったんだと反省して、これからもっと参加しようという意識を持つことができました。平日子どもと会えない分、休日はできるだけ子どもと一緒に過ごすことを大事にしています。――パパになって自身が変わったことはありますか?子どもが生まれてからというより、育休を通してかもしれませんが、責任感がちょっとずつ増えてきたと思います。もともとマメに家事をするタイプじゃなくて、洗濯物や洗い物を後回しにすることもありましたが、今は手をつけられることから早めに終わらせるようになりました。育休後も、家事育児のリスト化を続けているので、今は、洗濯と皿洗い、掃除、ゴミ出しを担当しています。可愛いと思う気持ちを素直に表現する――子育てで大切にしていることはありますか?子どもが今何をしたいのかをよく見るように心がけています。まだ言葉での意思疎通は取れないですが、子どもの目を見て、何を感じているのか、どこが気になっているのか、何に興味をもっているのか、などを感じ取るようにしています。子どもの目線の方向に行かせてみたり。それから、「可愛い」とか「愛おしい」という気持ちを大事にして、そのまま言葉をかけてあげることも大切にしています。自分の気持ちを確認して表現しないと、つい育児の大変さばかりに目を向けてしまうので。――大変なところはどんなところですか?体力を使うことですね。夜2~3時間おきに起きているので、ちゃんと寝ることができません。それから、最近子どもがすごく動くようになってきたので、誤飲しないようにとか、常に目を離せない状態なので気も抜けません。体力が全回復することはないという感覚ですが、これが子育てなんだなと思っています。――子どもにはどんなふうに育ってほしいですか?基本、子供って思い通りにならないものだと聞くので、自分の好きなこと・得意なことに対して夢中になってほしいです。好きで夢中になることに勝る才能はないと思っているので、そこを伸ばしてあげられるような教育をしたいですね。人生の選択をする上で、自分の気持ちが1番大事だと思っています。もちろん、ある程度稼げる能力や社会性は身につけないといけませんが、それ以上に、自分の気持ちを基準にして生きていった方が、人生のゴールとして実りあるものになるんじゃないかと思っています。――最後に、これからパパになる人たちや子育て中のパパにメッセージをお願いします。僕も11ヶ月の新人パパなので、大層なことは言えませんが、奥さんに嫌われないようにお互い頑張りましょう(笑)!取材後記ずっと抱えていた育児に参加できないモヤモヤを、育休を通して解消でき、育休前後で大きく変化があったのが伝わりました。今は、忙しい中でも、お子さんと過ごす時間を楽しまれていて、休日はよく一緒にお出かけされているそうです。まだまだ男性の育休取得は少ないように思いますが、本村さんのエピソードが、取得を迷っているパパたちの背中を押してくれるのではないでしょうか。あわせて読みたい記事:■子育ては創造的。「(これが)当たり前」や「普通は(こうだ)」という言葉にとらわれずに!|矢野裕樹さん■持ち家vs賃貸ではどっちが得なのか論争に決着を!メリットとデメリットを徹底分析■いつから学資保険に入るべき?確認しておきたいベストな加入時期とは■やりたいことができるように たくさんの選択肢を作っておいてあげたい。|俳優、脚本、演出家中村卓二さん■プロが教える室内撮影のテクニック!カメラの選び方やライティングのコツも伝授
もともと仕事を優先して、あまり育児に参加できていなかったという村木さん。次女、心美ちゃんの誕生とコロナによる働き方の変化が、意識を変えたそうです。また、健康食品メーカーでの仕事を通して学んだことが産後の奥さんのサポートに役立ったと言います。2人の女の子の子育てに励む村木さんにインタビューしました。■Profile村木昇人(むらき しょうと)さん健康食品メーカー営業1987年生まれ。神奈川県出身。2010年に健康食品メーカーに入社し大分へ。2014年、福岡へ転勤し、医療機関向けのサプリメントの営業を担当。産婦人科や調剤薬局の訪問や、医療従事者・一般顧客向けのセミナー企画、媒体へのタイアップ記事の出稿などを務める。2017年に妻・桃子さん(28歳)と結婚し、現在、美思(みこと)ちゃん(2歳9ヶ月)と心美(ここみ)ちゃん(4ヶ月)の子育て中。福岡への転勤が始まり――お二人の出会いをお聞かせください。転勤で福岡に来てから、2015年に飲み会で知り合いました。ドライブ好きの集まりだったので、仲良くなってからは2人で車で出かけることが多かったです。それから2年後の2017年、僕が30歳になる年に入籍しました。だいたい30歳ぐらいまでに結婚したいと考えていたので、ちょうどいいタイミングだったのかなと思います。――子どもを持つことについてはいかがでしたか?子どもが欲しいという話はしていました。僕にも妻にも兄弟がいるということや、経済的なことも考えて、2人ぐらい欲しいと思っていました。仕事で得た知識をもとに産後の妻に寄り添った――仕事で産婦人科を訪問されるとのことですが、何か役立ちましたか?はい、妊産婦向けのサプリを取り扱っているため、子どもが生まれる前から、産後のホルモンバランスについて勉強していました。美思が生まれたとき、妻が精神的に不安定になっていて。気分が落ち込んだり、泣き出したりしたときは、話を聞いて、そばにいてあげるなど、できるだけ寄り添うようにしました。うまくやれていたかどうかは分からないのですが、事前に勉強していたおかげで、動揺することなく対応できたと思います。――落ち着いてサポートしてもらえて桃子さんも心強かったでしょうね。出産には立ち合いましたか?美思のときは立ち会えました。これまで新生児を抱っこする機会がなかったので、不思議な感覚で、「本当に抱っこしていいのかな?」と、おそるおそる抱っこしたのを覚えています。心美のときは、コロナの関係で立ち会うことができませんでした。生まれてから約5日後、退院してから初めて会うことができたんです。――家事や育児は夫婦で分担していますか?今は妻が専業主婦なので、家事・育児の割合は妻の方が多いです。僕はゴミ出しや洗濯、皿洗い、あとは簡単な朝ごはんを作ったり、できるときはやるようにしています。僕の意識としては手伝っているつもりなんですが、妻からしたら戦力外だと思われているみたいです…。今朝も洗濯機を回したんですが、洗濯の仕方が違うと怒られました (笑) 。――育児をすることで村木さん自身が変わったことはありますか?当たり前のことかもしれませんが、飲み会や自分の趣味に使う時間が減りました。もともとサーフィンやゴルフが好きで、以前はよく行っていたんですが、どちらも1日中時間を使うような趣味なので、子育てとの両立は無理だと割り切って、今は全くやっていません。逆に諦めがつきました。今はそういうタイミングではないと考えるようにしています。息抜きしたいときは、漫画を読むなど、家でもできることを楽しんでいます。初めて1人で子どもを見て、妻の気持ちに気づく――子どもが2人になってから変わったことはありますか?実は、子どもが1人のときは妻に任せっきりにしていることが多かったです。1人なら妻だけで見ることができるだろうという甘い考えがありました。この意識が変わったのは、心美が生まれるタイミングです。出産のために妻が入院しているとき、立会いや面会ができないので、美思を僕1人で面倒を見る期間が5日ぐらいありました。これまでは、僕が休みの日でも、必ず妻も家にいたので、完全に僕1人で子どもを見るのは、恥ずかしながらこのときが初めてだったんです。子どもって話しても分かってくれなかったり、言うことを聞かなかったり、たとえ僕がやることの優先順位を決めていたとしても、子どもを後回しにしてしまうと怒ってしまったり、なかなかコントロールが効かないですよね。このとき、1人で子どもを見ることの大変さを、身をもって知りました。それからは、少しでも早く家に帰って育児に参加しようと思うようになりました。育児について、大枠は本を読んで勉強しているんですけど、細かい実務的なことは、まだまだ経験が少ないので、今でも妻には怒られてばかりですが、1人で見るよりは良いと思っているので、僕にできることを見つけてやっています。――心美ちゃんが生まれて、美思ちゃんもお姉ちゃんらしくなりましたか?はい、お世話したがりで、心美に結構ちょっかい出してますね。たまにわがままになることもありますが、目立った赤ちゃん返りのようなものはないです。子ども最優先が時間をうまく使う秘訣――仕事とのバランスはいかがですか?コロナが流行る前は、外回りからまた会社に戻ることも多く、朝は出勤が早く、夜は帰りが遅いという働き方をしていました。つい仕事を優先してしまい、子どもとの時間をあまり取れていなかったなぁと思います。美思が1歳半になったぐらいのとき、コロナが流行り始めて、そこから仕事の仕方が大きく変わりました。出張が減り、会社へ直行直帰することがほとんどで、在宅勤務も始まって。それで、育児に関わる時間が増えて、意識的にも、もっと育児に関わっていこうと思うようになりました。――在宅で仕事をしながら子どもの面倒を見るのは大変じゃないですか?子どもがだんだん言葉を喋れるようになって、遊べるようになってからが特に大変になりました。今は、子どもが寝てから仕事をするようにしています。結局、子どもを最優先にするのが1番楽だと思うんですよね。仕事は後の時間に回して、子どものことを先にするという時間の使い方が、僕にとっては効率が良いなと思っています。一瞬一瞬を見落とさないように――子どもにはどのように育ってほしいはですか?健康で元気に育って欲しいのと、自分でやりたいことをやって欲しいです。それから、ここまで求めるのはどうか分かりませんが、自分で責任を取れるような、自立した大人になってくれたらいいですね。女の子なので、本音を言うと、将来付き合う相手とか心配なことはたくさんありますが、今から考えてもしょうがないので(笑)。5年、10年経ったら相手にされなくなる覚悟はしているので、今、構ってくれって言ってくれるときを大事にしたいです。僕は、姉が2人いるんですけど、姉たちと父親との関係を見ているとそう思います(笑)。そして、日々できることがどんどん増えてきていますし、今後の成長も楽しみです。これからどんなことに興味を持って、どんな習い事とかをするのか、わくわくします。夫婦で、こんな習い事をして欲しいっていう話もするんですが、やっぱり自分でやりたいことを選んでくれるのが1番ですね。――これからパパになる人や今子育て中のパパにコメントをお願いします。子どもの成長ってすごく早いなと思います。美思が、最初は言葉の言い間違えやうまく発音ができない言葉があったのに、うまく言えるようになると、逆に寂しく感じてしまいます。そのときそのときの仕草や行動は、ちゃんと見ていないと、すぐ見落としてしまいます。また、昔の父親像のようなものでは、男は外で朝から晩まで働くというイメージがありましたが、やっぱり今は父親も積極的に育児に参加した方がいいと思います。子どもが小さいときこそ、家族と向き合う時間を大切にした方が良いんじゃないでしょうか。仕事にもよりますが、5年後や10年後、タイミングがあれば、また仕事に打ち込むこともできるので。それから、僕たちは、写真館などでの記念写真をあまり撮っていなかったので、そんなのがあっても良かったかもしれないと、今になって思います。その代わりに、日常の写真や動画はたくさん撮っています。スマホの機能で、過去のおすすめ写真が出てくるじゃないですか。それを見て、妻と一緒に盛り上がっています。美思がまだ小さかったときの写真を見て、心美の今とここが似てる、ここは似てないとか比較すると面白いです。ぜひ、子どもとの思い出をたくさん記録に残してください。取材後記リモート取材中、村木さんの回答に対して、隣にいらっしゃった桃子さんからのツッコミの声が聞こえてきました(笑)。家事・育児の仕方についてまだまだ学ぶことが多いという村木さんですが、できることから育児に関わっていこうと努力されているのが伝わりました。パパとして一歩ずつ成長していく姿は、これから子育てに挑戦する後輩パパたちに勇気を与えてくれるのではないでしょうか。あわせて読みたい記事:■パパになるとは、役割が変わるということ | 博多阪急・加藤大貴さん■持ち家vs賃貸ではどっちが得なのか論争に決着を!メリットとデメリットを徹底分析■いつから学資保険に入るべき?確認しておきたいベストな加入時期とは■やりたいことができるように たくさんの選択肢を作っておいてあげたい。|俳優、脚本、演出家中村卓二さん■プロが教える室内撮影のテクニック!カメラの選び方やライティングのコツも伝授
優希さんと妻の知里(ちさと)さんの出会いは小学1年生の頃。二人は同級生で優希さんが知里さんにずっと片想いで、何度もアタックしたそうです。当時、恋は実りませんでしたが、大人になって、知里さんが働く歯医者さんで偶然再会し、交際スタート。まるでドラマのような恋物語ですが、結婚前から子育てに対する考えの違いでぶつかったこともあったそう。そんな経験を経て、夫婦の信頼関係を築き、子育てを楽しんでいらっしゃいます。■Profile服部 優希(はっとり ゆうき)さんFUTAEDA株式会社1987年生まれ。福岡市西区出身。大学生の頃のアルバイトから31歳まで約14年間、引越し業務に携わる。仕事で鍛えた肉体で2018年SASUKEに出場した経験もある、筋肉系パパ。2020年FUTAEDA株式会社に入社し、無風・無音の冷暖房機器の営業窓口を担う。現在、蓮くん(3歳)の子育て中。長い片想いが実った、3度目の告白――お二人の出会いをお聞かせください。小学校1年生の頃に出会いました。高校生のときに告白したんですが振られてしまいました。それから大学4年間は僕が山口県にいたのでしばらく会ってなかったんですが、社会人になって福岡で引越しの仕事をしていたときに、歯が折れて歯医者に行ったんです。そこで今の妻が働いていて数年ぶりに再会しました。これが25歳のときです。――運命の再会ですね。それから連絡を取るようになったんですか?はい、月に1回ぐらいのペースでご飯に行くようになり、ある日車で家まで送り届ける時に再度告白したんですが、またあっさり振られてしまいました 笑)。それでも7月が妻の誕生日なので、プレゼントを渡して、また告白したんです。当時、妻には長く付き合っている彼氏がいたのですが、その時初めて「しばらく考えたい」と言われて返事を待ちました。1ヶ月後、海辺で花火をすることになり、その時ついにOKの返事をもらって、翌月僕がプロポーズしたんです。そして、1年後、26歳の夏に入籍しました!お互いが相手に歩み寄る――結婚を前提にお付き合いされていた1年間、将来子どもを持つことや育児について話されましたか?はい、妻も僕も子どもが好きなので、3人ぐらい欲しいと話していました。僕たち2人とも3人兄弟で育って、兄弟から学ぶことが多かったなぁと感じているので、自分たちの子どもにも兄弟がいたらいいなと。ただ、育児のやり方については、お互い考え方の違いで結構揉めました。妻は、育児の本に従って子育てをしたいタイプで、僕はその場その場の対応でいいんじゃないかという考えだったんです。――考えの違いにどのように対処したんでしょうか?一度、僕が折れて、本を全部読んで育児を勉強しました。それから、本を読んだ上で、僕はこう思うという意見を妻に伝えることができたので、最終的には、お互いの思いを理解し合えたと思います。――自分の意見を押し通すのではなく、また、完全に折れるわけでもなく、お互いが歩み寄って解決されたんですね。出産前、何か心の変化や日常生活の変化はありましたか?しばらく子どもができなかったので、妻は、妊活のために2年ほど仕事を休んで専業主婦をしていました。そのときは、妻にできるだけストレスを与えないように、気を配っていましたね。――妊活を経て、子どもができたことを知ったときの気持ちはいかがでしたか?ぶつかったり悩んだりした時期が多かったのもあり、自然と涙が出ていました。こう見えて涙もろいので(笑)。突然の父親デビュー――出産には立ち会われましたか?実は、出産の2週間前に妻に盲腸の疑いがあって緊急入院したんです。朝、僕が出勤して1時間後くらいに連絡があって、盲腸の手術のために出産をしなければいけないと。その日のうちに帝王切開することになり、予定より2週間ほど早く、突如パパになりました。それで、出産の瞬間に立ち会うことはできなかったんですが、その後、2人を見たとき、安心して一気に力が抜けました。――思いがけないタイミングでの出産で大変でしたね。初めて子どもを抱いたときはいかがでしたか?僕は、引越しの仕事で体を鍛えていたので、力がかなり強くて、赤ちゃんが壊れてしまうんじゃないかと怖かったです。百何十キロもの荷物を持てるような人間が、3キロにも満たない子どもを抱っこするなんて…。初めは躊躇していましたが、首が座ってからは積極的に抱っこし始めました(笑)。――家事や育児はどのように分担していますか?洗濯など、仕事終わりにできることは僕の担当です。子どもの送迎や朝ごはんの準備は妻がやってくれています。そして、1番の協力者は、近くに住んでいるおばあちゃん(妻の母)ですね。夕ご飯まで作ってくれるので、本当にありがたいです。ご飯を食べ終わった息子を妻が迎えに行っています。――周りのサポートはありがたいですね。はい、困ったり悩んだりしたら、周りの人にアドバイスを聞くことも大事ですね。会社の先輩方にもよく相談しています。子育てを経験した人の話を聞くとやっぱり安心できます!子どもと妻の笑顔のために――仕事と子育てのバランスはいかがですか?妻が2年ぐらい前に仕事に復帰して、今は共働きなんですが、僕も妻も、家に持ち帰るような仕事ではないので、仕事と育児をうまく切り分けられていると思います。また、妻が土曜日は出勤なので、毎週土曜は僕と蓮くんとのデート時間です。いつも2人でお出かけしています。よく行くのは糸島の二見ヶ浦で、海沿いのお店でランチして、そこでおまけをもらうのを息子は楽しみにしているみたいです。室内で遊ぶより、自然の中に連れ出すのが好きですね。――昨年、今の会社に入社されたことで、育児にも影響はありましたか?以前、引越しの仕事をしていたときはシフト制だったので、勤務時間も休日もバラバラだったんですが、今の会社に入社してからは、毎週土日休みに変わって、家事・育児にもっと参加できるようになりました。平日の夜も、子どもをお風呂に入れたり、子どもと過ごす時間が増えましたね。それで、夫婦間の関係もより良くなった気がします。――パパになって変わったと思うことはありますか?もともと感情的で短気だったのですが、感情をコントロールできるようになりました。子どもはとても敏感で、僕たちが怒っているのをすぐに感じ取ることができるので、子どもの前ではいつもニコニコしていたいと思っています。また、子どもと妻が喜ぶことを考えるようになりました。たまに良かれと思ってやったことがから回って怒られることもあるんですが…(泣)。僕は海が大好きなので、休日遊びに連れて行く場所が海ばっかりだと、日差しを気にする妻からは、計画が浅はかだと怒られます(笑)。それから、仕事に対する意識も変わりましたね。今までは、夫婦2人だけで使うお金だったのが、今は3歳児を1人背負っていると思うと、今まで以上に将来のことも考えながら仕事に取り組んでいます。子育ての基盤は夫婦間の関係づくり――お子さんにはどんなふうに育って欲しいですか?目に止まる人を守ってやれるような優しい人になって欲しいです。それから、他人に迷惑をかけない範囲内で、本人がやりたいことに挑戦してくれたらいいなぁと思います。できれば、サッカーや剣道、ボルダリングなど、体動かすことに興味を持ってくれたら、僕も一緒に遊べるので嬉しいんですが…。よく息子をボール遊びに誘っているんですが、今は動物にハマっていてリビングがサファリパークみたいになっています。大きくなったらライオンになりたいそうです。――これからパパになる人や今子育て中のパパたちに夫婦円満の秘訣を教えてください。ぜひ、奥さんを大事にして欲しいです。まず、夫婦間の関係をしっかりさせて、思いやりのある家庭を作ることが、子育てに影響していくと思います。子どもが育つための良い環境づくりですね。僕は、亭主関白よりは奥さんが強い方がいいと思っています(笑)。それから、どんなに仕事や家事が忙しくても、子どもと向き合う時間を作って欲しいです。やっぱり育児は家事以上に体力を使うと思うんです。いくら家事をやっていても、子どもを見ている時間に夫婦間で差があると、不公平感を感じてしまいます。家事をきちんとこなすのももちろん大事ですが、子どもと過ごす時間が長い方が、奥さんの負担も減ると思います。取材後記優希さんの子育ては、知里さんの負担を減らしたり、家族が喜ぶことを考えたり、思いやりの気持ちに溢れていました。その雰囲気はきっと蓮くんにも伝わっていると思います。最近は、優希さんの影響で知里さんも筋トレに興味を持って、自宅で一緒に筋トレをしているというお話も聞きました。いずれは蓮くんも一緒に3人で筋トレするようになるんでしょうか…!家族の仲の良さが伝わってくる楽しい取材でした。あわせて読みたい:ぼくたちの子育てシリーズ■子どもには人と人とを繋ぐ力がある | ヤフー株式会社・眞山昌さん■寝顔を見ながらお酒を飲むひと時が最高に幸せな時間です。|株式会社BBDO J WEST・小町浩太郎さん■夫婦ふたりで家事・育児・仕事!めざすはワンチーム家族|ヌーラボ 國廣輝夫さん■育児は映画を超えるリアルな感動体験 | YAMAP・﨑村さん■プロが教える室内撮影のテクニック!カメラの選び方やライティングのコツも伝授
東京都から福岡県遠賀郡岡垣町へ移住し、子どもの学びを通じて地域と繋がる活動「岡垣スタイル」に力を注ぐ眞山さん。自身が子どもの頃、農村にホームステイした経験から、自然への憧れがあったそう。妻、愛子さんとの出会いをきっかけに福岡との繋がりができ、移住を決めました。三姉妹の父である眞山さんに、自然の中での子育てについて伺いました。◾️Profile眞山 昌(まやま まさる)さんヤフー株式会社/ECコンサルタント1972年11月生まれ。東京都出身。CG映像制作を経て2006年ヤフー株式会社に入社。2008年に福岡県出身の妻、愛子さんと結婚、2015年に家族と共に福岡県遠賀郡岡垣町に移住。ヤフーショッピングのコンサルタント営業を行う一方で、生きる力を地域が育てる「岡垣スタイル」を通して、地域活性化に注力。現在、中学一年生の長女、愛菜ちゃんと小学4年生の次女、結愛ちゃんと小学3年生の三女、陽愛ちゃんの子育て中。家族を大切にしたいという2人の同じ思い――お二人の出会いをお聞かせください。ヤフー株式会社に転職前、有給休暇中にハワイに旅行したときに、旅先で知り合いました。泊まっていたホテルがたまたま近かったこともあり、何度か街で遭遇したんです。帰国してからも連絡を取り合うようになり、2008年に結婚しました。それからしばらくは東京で生活していました。――結婚前からお二人で子どもを持つことや育て方などについて話されましたか?はい、家族を一生懸命やりたい、家庭が重要だという思いがお互い一致していましたし、妻も自分も、その頃から子どもは3人ぐらい欲しいと考えていました。――出産前のご自身や愛子さんの心の変化、日常生活の変化などはいかがでしたか?妻にとっては慣れない東京という都市での生活だったので、不安も大きかったと思います。当時、僕の仕事が忙しく、妻が望むようなサポートができていなかったと感じていますが、家族を大切にしたいという思いは夫婦共にいつも変わりません。自然の中での子育てへの憧れ――2015年に遠賀郡岡垣町に移住されたとのことですが、きっかけはなんだったんでしょうか?今思えば僕が小学1年生の頃、長野県の農家に1年間ホームステイしていたことがきっかけだと思います。家から4kmも離れた小学校まで通ったり、野菜の収穫を手伝ったり、都会ではできない自然体験ができる貴重な機会でした。同居する小学5年、6年、中学生のお兄ちゃんがいて、僕はたくましく育っていったと思います。そこで地域の人に愛された記憶が大人になってもずっと残っていて、田舎での暮らしに憧れていました。妻との縁で、福岡という程よい田舎との繋がりができたとき、福岡での生活の方が僕に合ってるんじゃないかなと思ったんです。――1年間の農家での生活が人生に大きく影響したのですね。移住されたばかりの頃、子どもたちの反応はいかがでしたか?移住したとき、長女が小学生、次女が幼稚園児でした。思っていたよりスムーズに岡垣に馴染んでくれたと思います。東京に住んでいた頃から妻が筑豊弁を話していたり、ときどき福岡の祖父母の家にも行ったりしていたので、自然と溶け込むことができたんじゃないかなぁと思っています。子どもには人と人とを繋ぐ力がある――普段、子どもとの時間をどのように過ごされていますか?週末は、子どもと一緒にどこか自然と触れ合える場所に出かけています。キャンプをしたり、海やプール、川の中で遊んだりして過ごすことができています。東京では、人が多く、気合いを入れて準備しないと家族で遊びに行けないような感じだったんですが、今は気軽に出掛けられるのが嬉しいです。――自然が近い地域だからこそできる過ごし方をされているんですね。はい、福岡には東京にはない魅力がたくさんあると、感じられました。自然はもちろんですが、商業施設も充実しているので助かっています。車で少し行けば大型のショッピングモールがあるのが便利ですね。それから、おじいちゃん、おばあちゃんから子や孫までと、地域の人がつながっていることも、東京にはあまりない魅力だと思っています。――子どもがいて良かったと思うのはどんな時ですか?常に何か新しいこと、変化が起きて楽しいところです。地域のイベントに参加すると、子どもを通じて色々な人と知り合うことができるのも良いですね。子どもには、人と人とを繋ぐ力があるなぁと思いました。――女の子3人の子育てはいかがですか?3人ともそれぞれキャラクターが違うので、言って伝わることも異なります。なので、一人ひとりに合わせてコミュニケーションの仕方を工夫しようと考えています。長女は音楽が好きなので、時々一緒にギターを弾き合ったりするんですが、成長するにつれて僕と遊ぶのを嫌がるようになってきたのが、ちょっと寂しいです(笑)。三女はまだ遊んでくれてるかなぁ。大切なのは生きる力を身につけること――思春期の女の子を持つお父さんにありがちな悩みですね。これからお子さんが大きくなり、受験なども迎えると思いますが、お子さんにはどんな風に育って欲しいですか?どこに進学して欲しいとか、高学歴であって欲しいという思いはあまりなく、それよりも生きる力を身につけることが重要だと考えています。今、時代は大きな転換期に来ていると思います。子どもたちには、予測不能な未来を生き抜いていく力を身につけて欲しいです。誰かに手伝ってもらいながらでも、子どもたちが望む未来を見つけてくれたら良いですね。学校や普段の生活の中ではなかなか得られないものだと思うので、それを僕たちが作っていけたら良いなぁと思っています。――そのために行っている活動の1つが「岡垣スタイル」なんですね。はい、地域の大人が自分のスキルを活用して地域の課題を解決していき、その姿を子どもたちに見せることが、生きる力を育む、と考え活動しています。子どもたちの学びを通じて、地域ぐるみで新たな価値を作って行く活動です。子ども達には、大人たちが汗をかき知恵を絞って地域に向き合っていた姿や、自分を見守ってくれた地域のことが、未来を切り拓くための力になると思っています。子育ては物事を再体験できるチャンス――これからパパになる人や今子育て中のパパたちにメッセージやアドバイスをお願いします。子育てってめちゃくちゃ楽しいと思います。子どもを通じて知り合いが増えるし、子どもがいなければ体験しなかったことがたくさんあります。それから、自分が子どもの頃やれなかったことをもう一度やれるチャンスでもあると思います。子どもとのコミュニケーションは自分も童心に帰ることができるので、物事を新鮮に再体験することができます。そして、子どもと一緒に自分自身も育っていくことができるんじゃないでしょうか。もちろん、大変なことは色々ありますが、プラスのことの方が多いと思うので、楽しんでやって欲しいなぁと思います!編集後記眞山さんが小学生の頃に自然の中で過ごした経験が、強く記憶に残っているように、3人のお子さんたちも今、自然や地域と積極的に関わりながら生活していることが、将来の生き方に関わってくるのではないでしょうか。成長と共に、娘さんたちと一緒に過ごす時間が減って行くのを寂しく思いながらも、未来のために眞山さんが続けている活動を、娘さんたちはいつかきっと思い出してくれると思います!あわせて読みたい:ぼくたちの子育てシリーズ■寝顔を見ながらお酒を飲むひと時が最高に幸せな時間です。|株式会社BBDO J WEST・小町浩太郎さん■夫婦ふたりで家事・育児・仕事!めざすはワンチーム家族|ヌーラボ 國廣輝夫さん■育児は映画を超えるリアルな感動体験 | YAMAP・﨑村さん■プロが教える室内撮影のテクニック!カメラの選び方やライティングのコツも伝授
福岡への移住にまつわる暮らしや仕事のサポート等を行う「福岡移住計画」を運営するSmart Design Associationのメンバーである鎌苅さん。福岡市西区にある海辺のワークスペース「SALT」の運営や、不動産活用の企画プロデュース、不動産物件の紹介等に取り組まれています。昨年9月より同年12月末まで育休を取得し、子育てに奮闘。事前に育児について勉強していたという鎌苅さんですが、いざ始まって知った現実やご自身の成長を語っていただきました。◾️Profile鎌苅 竜也(かまかり たつや)さんSmart Design Association/ディレクター福岡移住計画/チームコアメンバー(不動産担当)1985年6月6日生まれ。大阪府出身。2009年より大阪・東京にて不動産デベロッパーとして開発や運営に取り組み、2014年に結婚。2016年4月に福岡に移住し、福岡移住計画を主催するSmart Design Association に入社。企業や自治体が保有する不動産の有効活用や移住者向け不動産仲介を務める。現在、0歳5か月の男の子の子育て中。あわせて読みたい:ぼくたちの子育てシリーズ■ 夫婦ふたりで家事・育児・仕事!めざすはワンチーム家族|ヌーラボ 國廣輝夫さん■育児は映画を超えるリアルな感動体験 | YAMAP・﨑村さん■プロが教える室内撮影のテクニック!カメラの選び方やライティングのコツも伝授人が楽しく生きる姿を子どもに見せたい ―2016年に東京から福岡に移住されたんですね。移住を決めた理由はなんですか。不動産デベロッパーとして都市の開発に携わっていましたが、一方で世の中は地方の過疎化や少子高齢化に伴い、地方創生・地域活性化が求められている状況に違和感がありました。前職のような比較的大きな会社だと難しいですが、少数精鋭であれば、知見を活かして地方の不動産をもっと面白くできるんじゃないかと思いました。それから、もともと人が多い場所が苦手というのもありますが、東京で高い家賃や住宅ローンを払って生活するより、どこか自分たちが心地よく暮らせる自然豊かな場所で生活したいと考えていたことも移住を決めた理由の1つです。もともと、夫婦ともに、ずっと東京に住み続けるという感覚はなくて、近い将来どこかに移り住もうと考えていて、それが福岡でした。―育児も移住の理由のひとつですか?はい、育児が最大の理由かもしれないですね。自分たちの仕事や暮らしに対する考えを押し殺して東京で生活することもできましたが、そういう大人の姿を子どもにはあまり見せたくないと思ったんです。もちろん、親が子どものために、自らの意志に反してでも歯を食いしばって耐えないといけない場面もあるのかもしれないとは思います。ただ、自分の幼少期の経験でいうと、親への感謝とともに、大人って大変そうだなって感じた記憶があって。その経験から、大人が自分たちの意思をもって楽しみながら生きている様子を見せることは、将来ある子どもにも重要だと考えています。あと、親はよく、自分がやってないことややれなかったことを、子どもへ託したりすると思うんです。僕も将来、子どもに対して「自分のやりたいことをやりなさい」なんて言うと思うんですが、まず自分たちができていないと説得力がないじゃないですか。そういうこともあり、自分たちが望む暮らしをしている姿を子どもに見せたいと思い、移住を決めました。交代で育休を取得―育児生活が始まってどうでしたか?昨年の9月から12月の4か月間、僕が育休を取りました。その間、妻は通常通り仕事をしていて、今年の1月から妻が育休に入りました。もともと妻は4月から育休を取る予定だったんですが、当初の予定より早く育休に入りました。早い子だと6か月ぐらいから親を認識しはじめると聞いたんです。妻は、僕がずっと育休に入っていると、僕だけを親として認識するかもしれないと、心配になったようで(笑)。―仕事復帰してから、育児とのバランスはどうですか?ありがたいことに、僕の仕事は出勤時間や場所も割と自由で、社内のメンバーも家庭環境を理解してくれているので、育児を優先させてもらいながら、仕事しています。とは言え、平日の育児は妻が中心になっているので、休みの日は、ガッツリ育児です。相手の立場になって考えてみる―家事や育児は夫婦でどのように分担されていますか?どっちが何をするかは特に決めていません。担当を決めると役割が決まってしまって、相手を助けようとしないと思うんです。夫婦はチームのようなものだと思うので、相手が大変そうだったら手伝うようにしています。特に朝は家事も育児もやることが多いので、9時頃までは妻と2人で家事と育児をしています。―育児をすることでの夫婦間の変化はありましたか? より2人で協力しあうようになりました。もともと会話はしていますが、これやってあれやってと言わなくても、相手のことを慮って行動することができるようになったと思います。テレビもつけないので、夜は、子どもが19時ぐらいに寝ると、育児や仕事のことなどをよく話すようになりました。2人の時間が長くなったことで、より良い関係を築けているんじゃないかと思っています。―パパになってご自身が変わったと思うのはどんなときですか?育休中、寝ているのか起きているのか分からないような日が続いていた、ある夜中のミルクを飲ませたあと、子どもがいつまでたっても泣き止まず、だけど妻は寝ていて、思わず声をあげそうになることがあったんです。僕は朝から晩までこんなに家事に育児にやっているのに!まさにそんな想いが爆発しそうになりました。ただ、少し冷静になると、妻は妻で朝早くから仕事にでて、日中はほぼ休む間もなく働き、クタクタになって帰ってきているから、自分の感覚を押し付けるのも違うと感じたんです。この後くらいから、自分が疑う余地なく正しいと思うような尺度や感覚でさえ、そのまま相手に押し付けることは、意図せずとも相手を傷つけることにも繋がると感じ、妻にかける言葉も慎重に選ぶようになりました。言葉一つで印象って変わるじゃないですか。強く言われているなとか、寄り添ってくれているなとか。妻の立場になって考えてみると、妻が育児をして自分が仕事をするときも、良い関係性でありたいという思いから、気をつけるようになりました。―子どもがいてよかったと思う瞬間はどんな時ですか?夫婦2人で喜びを共有できるようになったことです。仕事で嬉しかったことを妻に話しても、僕のこととしては喜んでくれますが、2人で同じ感覚で喜べているかと言えば、そこまでではないかなと。日々、子どもがちょっと笑うようになった、声を発するようになった、手を握るようになったとか、1つのことに対して2人で一緒に感動し、喜べているので、それは本当に良かったと思います。あと、コロナで頻繁には実現していないですが、僕と妻それぞれの両親が来てくれて、子どもに会って嬉しそうにしている姿を見たときは、良かったなと思いましたね。―お子さんにはどのように育ってほしいですか?子どもがどんな風に育つかは、大人が強要することではないかなと。息子が生まれてきた経緯もあって、生きていてくれるだけでも十分と夫婦ともに思っています。楽しいことも辛いこともいろいろあると思うけど、そのたびに立ち止まってもいいから生き続けてほしい、それで十分な気がしています。まあ、僕たちのような大人の姿を見ながら、自分のしたいことを見つけてくれたら、より嬉しいですけどね。いろんな大人に触れて子は育つ―子育てで大事にしていることはありますか?まだできていないですが、子どもにはこれからいろんな大人に会って欲しいです。コロナの状況次第ですが、僕たちのオフィス「SALT」にも連れて来て、いろんな人に可愛がってもらいたいですね。「自分の子どもは自分で育てなければならない」という世の中の空気感と、地域コミュニティの希薄化が育児の悪循環を招いていると思っているんです。完璧な親なんていないワケだし、さまざまな人に手助けしてもらうことで、子どもも多様な感性に触れ、より成長していくんじゃないかと考えています。とは言え、頼ることができる家族や友達、仲間が近くにいない方も増えているようで、リアルなコミュニティも重要だと感じています。やってみて初めて分かりましたが、育児って親だけで出来るような簡単なものじゃないですね。教科書通りの育児なんてない―事前に育児について勉強されていましたか?オムツの替え方とかミルクの飲ませ方とか、いろいろ勉強する機会はいただいていたんですが、いくら準備していても実際に育児が始まったらバタバタしてしまって。本や講習で "ミルクは3時間おき"なんて習ってたもんだから、ミルクとミルクの間は2時間くらい休めるのかと思っていたんですが、現実は休める時間なんて全くなく(笑)。初めて1人で丸一日育児したときに、座学で勉強したことと現実とのギャップを実感しました。―現実は、勉強した通りにはいかなかったんですね。はい、正直甘く見ていました。心の準備はしていたつもりですが、大柄で体力もある自分でも体がボロボロになったので、自分より小さな方、特に小柄な女性は体力的にもキツいだろうと思います。たとえ旦那さんがいたとしても、2人だけでも育児は無理なんじゃないかと。もっと、社会に迷惑かけながら生きていかないと潰れてしまいますよね。―子育てに必要なものはどのように準備しましたか?事前の情報収集で、必要なものは大体分かっていたので、ネットでベビーベットなど買い揃えたり、レンタルも利用しました。運営しているワークスペースにも同世代の方が多く在籍していただいているので、そこの仲間からベビー用品を譲っていただいたりもしています。育休取得よりも大事なこと―子育てに奮闘しているパパにメッセージをお願いします。男性の育休取得促進の動きが進んできていますが、十分に育休を取得できない方、組織内の制度が整っていない方もたくさんいらっしゃいますよね。僕はたまたま4か月取得できましたが、育休期間が長ければ良いのかというと、僕は必ずしもそうは思わないです。育休かどうかに関わらず、家に帰ってきたら育児を頑張ってくれているパートナーを気にかけたり、短い時間でも家事をしたり、仕事の都合ですれ違うのであれば、LINEやちょっとした置き手紙でのやりとりなど、それぞれの環境に合わせた方法で育児に携わることができれば良いんじゃないでしょうか。大切なのは、あなたがパートナーに思いやりの心をもってほんの少し行動すること。それだけで、パートナーもあなたに優しくなれると思います。僕が甘くみていたように、育児はそんなに楽なものじゃないですよね。さらに、「育児って結構楽しいですよ」とか「楽しくやっていこう」なんてよく言われていますが、僕自身は育休期間を楽しめたかというと、そんな余裕はなかったですね。奮闘中の方であればあるほど楽しめない人も多いかと思いますが、あなただけじゃないので安心して、お互い育児頑張りましょう!取材後記夫婦でよく会話し、お互いを思いやる育児をされている鎌苅さん夫婦。育児の厳しさを日々実感されていますが、2人だけで頑張り過ぎず、周囲に手助けを求めることが、親子どちらにも良い影響を与えてくれるのではないかとお考えでした。これから鎌苅さんのシェアオフィスの仲間を始め、たくさんの大人の姿に刺激を受けながら、子どもがどのように成長していくのか楽しみですね。◆住まいやマイカーの資金が気になりだしたら・・・覗いてみてください。あなたの暮らしを応援したい、西日本シティ銀行です。
印刷会社に勤務する一方、八極拳の講師としても活躍する田村さん。妻の里佳(りか)さんとの職場恋愛を経て2007年に結婚し、11歳の男の子と5歳の女の子の子育て中。八極拳の教えが育児にも活きているそう。キャラ弁作りを始め、子どもとのコミュニケーションを大切にする田村さんに子育てのポイントを伺いました。◾️Profile田村 淳(たむら まこと)さん八極拳講師 / 営業1975年5月生まれ。福岡県北九州市在住。印刷会社に入社し、3年前から福岡支店にて勤務中。また、八極真功武舘にて八極拳の講師を務める。現在、11歳の長男、勇護(ゆうご)くんと5歳の長女、早優花(さゆか)ちゃんの子育て中。今年21年4月に第三子が誕生予定。あわせて読みたい:ぼくたちの子育てシリーズ■ 夫婦ふたりで家事・育児・仕事!めざすはワンチーム家族|ヌーラボ 國廣輝夫さん■ 妻は、育児という目的に向かってともに歩む同志です|Friendly Pixel 共同創業者 ・ダニエル・ヨーダーさん■プロが教える室内撮影のテクニック!カメラの選び方やライティングのコツも伝授職場のコピーバンドで仲を深め結婚――お二人の出会いをお聞かせください。職場恋愛です。社員4人でJUDY AND MARYのコピーバンドを結成して、妻がボーカル、僕がギターでした。そこから仲良くなって結婚に至りました。ちなみに、ドラムの男性とベースの女性も結婚したんです!よくダブルデートしていましたし、お互いの結婚式で演奏しました。―結婚当初からお子さんは欲しいと思われていましたか?はい、妻も僕も兄弟がいたので、2人は欲しいと思っていました。兄弟がいるとお互い相談できるので、兄弟は必ず作ろうと最初から話していたんです。上の子が大きいと下の子の面倒を見てくれるのも助かりますしね。――奥さんの妊娠中、日常生活に変化はありましたか?今、妻が3人目を妊娠しているんですが、今回特に悪阻が長く、数ヶ月続きました。長男が今11歳なので、妻の体も1人目を妊娠したときとは違いますから、今回はほとんど動けなかったんです。そこで、会社に事情を話して、家事は全て僕がやるようにしていました。どうしても育休がなかなか取れない環境なので、時短勤務でできる限りやろうと。仕事が終わって15時頃から買い物に行って、掃除、洗濯、料理などをするという生活でしたね。八極拳の心を育児に応用――八極拳の先生もされているんですよね。はい、高校の時に「拳児」という漫画を読んだのが八極拳との出会いです。それから独学で13年練習。師匠と出会い約9年間学び、5年前に弟子入りして今は教える立場になりました。もともと八極拳を伝承したくて教え始めたんですが、今はそこに家族を守りたいという理由が加わりました。長男の勇護という名前も八極拳に由来しています。――お子さんにも教えているんですか?長男には今庭で教えているんですが、これは友達を作るためでもあるんです。武術を学ぶことで心にゆとりができて、争いを避けられると考えています。それに、武術界では同じ武術をしている人は家族という考え方があるので、武術が縁で世界中に友だちができればいいなぁと。娘にも、万一危険な目に遭っても逃げられるくらいには身につけて欲しいと思っています。武術を学んだあとどう行動するかは本人次第ですが、僕がこれまで学んで来たこと、今教えていることは全部伝えたいですね。――営業のお仕事に八極拳の先生と、お忙しそうですが、仕事と育児のバランスはどうでしょうか?実は、新型コロナウイルスの影響で時短勤務になってから、やっと子どもとの時間が取れるようになりました。それ以前は、夕食もなかなか一緒に食べられないし、平日は遊んであげられませんでした。長男も今でこそ僕の仕事を理解してくれていますが、まだ小さかった頃「パパ今日夜おる?土曜日おる?」って聞かれたときは心苦しかったですね。――時間ができてからは、お子さんとどのように過ごしていますか?平日の夜一緒に夕食を食べたり、休日は大きい公園や動物園に行ったりしていました。最近は、あまり遠くに外出できないので、庭で遊ぶことが多いです。子どもたちと戦いごっこやボール遊び、昔話の劇など色々やっています。遊ぶのは僕が担当です。多方面から子どもとコミュニケーションをとること――お子さんにキャラ弁をよく作られているんだとか。始められたきっかけはなんですか?料理がもともと好きで、独身時代から友だちを呼んでコース料理を作っていました。細かいことが好きなんです。キャラ弁は、長男の保育園の遠足がきっかけで、色がつくふりかけを使ってショベルカーを作ったのが最初でした。それからは、遠足などの行事の度に、何日か前に子どもたちにリクエストを聞いて、下絵を描いて作っています。当日は朝4時半に起きて頑張ります!――すごい!とても喜ばれるでしょう?喜んで食べてくれています。でも、始めたばかりの頃は失敗もしました。トトロのリクエストをもらって、ご飯と海苔でまっくろくろすけを作ったんですが、巻いた海苔が固くて、食べられなかったそうです。それからは、見た目はもちろん、子どもが残さず食べられるように工夫するようになりました。――どんどんレベルアップしているんですね。小学校との関わり方はいかがですか?PTA副会長とおやじの会「パピーズ」の会長を務めています。体育大会のとき朝早くテントを張りに行ったり、小学校の草刈りをしたりするなど、主に力仕事を引き受けています。文化祭や生活発表会のようなイベントでは、裏方として焼きそばを焼いたりもします。――大変な役割だと思いますが、原動力はなんですか?子どもに父親のかっこいい姿、頑張っている姿を見せたいという思いからです。(笑)職場で頑張っている姿は見せる機会がないじゃないですか。それに、行事のときなんかは、子どもの友だちや先生とも積極的に話して仲良くなれます。例えば、子どもたちが喧嘩して気まずそうにしていても、僕が2人を繋いでまた仲直りさせることもできるわけです。全部子どものためですね。ともに過ごせる今を大切に――育児をすることでの何か心境に変化はありましたか? 突然、自分の命より大切なものができて、責任感が生まれました。それに、嬉しいことをみんなで分けあえる日々が楽しくて、本当に感謝しています。仕事で嫌なことがあっても子どもの顔を見たら元気になれて、もう、子どもがいない生活が想像できないです。いてよかったなぁといつも思います。子どもが僕の生きがいですね。――子育てで大切にしていることはありますか?4歳の子どもと40歳の大人の時間感覚は10倍だと聞いたことがあります。つまり、大人にとっての1分が、子どもにとっては10分の長さなんだそうです。「忙しいけ後にして」と、ちょっとの間待たせているつもりが、子どもにとってはかなり長い時間に感じているはずです。そういったところは、子どもの時間感覚で考えるようにしています。「ちょっと待って」や「後にして」が積み重ならないように、できる限り時間を割きたいと思っています。それに、こっちが子どもに遊んでもらえるのも今のうちだけですからね。――これからパパになる方や今子育て中のパパにメッセージをお願いします。子どもはあっという間に大きくなります。長男も気づけば来年は中学生です。自分が子どものときに比べると一瞬のように感じると思います。とにかく触れ合える時間を大切に、後悔しないようにめいっぱい時間を使うことが大事なのではないでしょうか。仕事が忙しくて奥さんに子育てを任せてしまう方もいるかもしれませんが、親子で同じ趣味を持つなどして、楽しい時間を長く過ごすのがおすすめです。これまでに自分が行って楽しかった場所や楽しかったことは、全部子どもと一緒に経験したいと思っています。取材後記子育てで大変なことは?と尋ねると、なかなか回答が出てこない田村さんはもはや育児のプロ!子どもたちと過ごす毎日を心から楽しまれているのが伝わりました。きっと子どもたちにも、友だちにも人気者のお父さんなんだろうなぁと想像できます。今年春には赤ちゃん誕生で5人家族になる田村家。今以上に賑やかで楽しい家庭が思い浮かび、その様子を覗いてみたくなりました。◆住まいやマイカーの資金が気になりだしたら・・・覗いてみてください。あなたの暮らしを応援したい、西日本シティ銀行です。
登山アプリの制作を始め、アウトドアシーンを盛り上げるYAMAPに勤め、映像や写真を使って情報発信する﨑村さん。2014年、妻の愛(あい)さんと結婚、2017年に長男の曜立(ようた)くんが誕生。父親になる以前との生活のギャップが大きかったという﨑村さんの、子育ての楽しみ方を伺いました。◾️Profile﨑村昂立(さきむらこうた)さんYAMAP コンテンツディレクター / PR1988年、福岡県出身。一橋大学商学部卒業。株式会社ワークスアプリケーションズ東京本社にて営業、PR、プロモーションを経験。第一子誕生を機に帰福し、YAMAPへ参画。PR・企画・ライティング・映像制作などをメインに担当する。現在、3歳の長男、曜立(ようた)くんの子育て中。あわせて読みたい:ぼくたちの子育てシリーズ■ 夫婦ふたりで家事・育児・仕事!めざすはワンチーム家族|ヌーラボ 國廣輝夫さん■ 妻は、育児という目的に向かってともに歩む同志です|Friendly Pixel 共同創業者 ・ダニエル・ヨーダーさん長年の遠距離恋愛を経て、結婚へ――お二人の出会いをお聞かせください。高校卒業後、福岡の予備校で出会いました。その翌年、僕は東京、妻は京都の大学に進学したので、付き合い始めた頃から遠距離恋愛でした。卒業後も、僕は東京、妻は福岡で就職したので、離れて過ごしていた期間が長かったですね。――今ご結婚から何年めですか?2014年の7月に結婚して、今6年目になります。結婚してしばらくは2人で東京に住んでいたんですが、妊娠が分かってから妻は一度仕事を辞め、出産直前には妻だけ福岡に帰省していました。――結婚前から、子どもを持つことや育て方などについてお話されましたか?いえ、あまりそういう話をしたことがなかったんです。長く付き合っていると、かえって結婚するタイミングを失ってしまって。ある日、お義父さんの目が悪く、いつか見えなくなるかもしれないという話を聞いて、今のうちに花嫁姿を見せなければと、それが結婚のきっかけになりました。初めての感覚、感情に戸惑う毎日――お子さんができたことを知ったときのお気持ちはいかがでしたか?すぐには父親になるという実感が湧きませんでしたね。子どもをつくる意識はあったんですが、いざ、子どもを授かって、エコー写真を見ると、本当に赤ちゃんがいるんだなあと、不思議な感覚でした。――出産前の心の変化、日常生活の変化などはどうでしたか?妻のお腹が膨らんできて運動や食べ物にも気を使うようになったり、行けるところが限られてきたりするうちに、だんだん自分が親になることを自覚し始めました。妻が妊娠中の生活は、知識を得ないと分からないことだらけだったんですが、今になって反省しているのは、当時、僕は妻ほど勉強しなかったことです。妻が調べたことを、僕は隣で聞いて学ぶだけだったので。――出産には立ち合われましたか?東京にいるときに、破水したという知らせを聞いて、急いで飛行機に飛び乗って福岡に帰りました。いよいよ生まれるというところで、妻にペットボトルの飲み物を頼まれ、病室まで取りに行って渡したのですが、用意しておいたストローを忘れて怒られたのは今でも忘れません(笑)。ベッドの上で、ストローがないと飲みにくいってことに気づけなくて…。――何もかもが初めての経験で戸惑いも多かったのですね。はじめてお子さんを抱っこしたときいかがでしたか?嬉しいという気持ちだけではなく、怖さもありました。小さくて脆くて扱いが難しくて、いろんな感情が入り混じっていました。――お子さんが生まれたのを機に福岡に戻って来られたのですか?出産後しばらく妻は実家にいて、僕は東京に単身赴任のような状態でした。そのあと、YAMAPに入社することになり、完全に福岡に引っ越しました。2人とも福岡で育ったので、東京で子育てするイメージがあまり沸かなかったのと、両親のサポートも受けやすいというのもあって、福岡に戻ることに決めました。それぞれの得意分野を活かして分担――育児と仕事とのバランスは?現在は、妻もYAMAPで働いています。仕事は、平日早くて18時、遅いときで21時頃に終わり、土日は休みなので、休日は家族でキャンプや公園に行くことが多いです。息子がもうちょっと大きくなったら山登りにも行けるかなあ。育児では、戦いごっことか、子どもが暴れる系の遊びが僕の担当です。最近は、歯磨きをすると敵を倒せるアプリを使って一緒に歯磨きをするのにハマっています。やりすぎて血が出たこともあるんですが(笑)。息子を叱るのは妻の方が上手なので、妻の担当です。僕は叱ろうとすると、つい笑ってしまうんですよね…。――家事もされているのですか?皿洗いやお風呂洗い、ごみ出しなどはやっているんですが、料理は妻に完全に任せてしまっているのが現状です。僕が料理するのはかなりレアです…。しないといけないですね。――お二人でうまく役割分担して育児と家事をこなしているんですね。夫婦円満の秘訣はありますか?夫婦という1つの共同体の中で、一緒に価値観を作っていかないといけないと思っています。もともと他人同士なので、価値観が違うのは当たり前です。自分が変わらずに、相手だけを変えようとするといつかガタが来るので、お互いが歩み寄っていかないといけませんね。子育ては映画に引けを取らないエンターテインメント――育児をすることでのご自身が変わったことはありましたか? 生まれる前と比べて想像を絶するほど生活のギャップがありました。当然のことかもしれませんが、完全に子どもが中心の生活になりましたね。僕が28歳の時に息子が生まれたんですが、高校・大学時代の友達に比べて早かったんです。友人たちが、夜はおしゃれな街に遊びに行ったり、東京の新しいものを楽しんでいたりする姿を見ると、もともと僕もそういう楽しみが好きだったので、始めは比べてしまうこともありました。本を買っても読む時間がなくて、どんどん溜まっていったり。父になるということに対して、考えが甘かったなと感じています。今やっと、うまくそこが消化できるようになりました。――どうやって克服できたのでしょう?子どもはエンタメ力が最強だと気づいたんです。息子が新しいことができるようになったとき、予想を超える行動をしてきたとき、ひょうきんなことや優しいことを言ってくれるとき、私はとても感動します。映画を見るより、リアルに感動して、怒ったり、笑ったり、感情を動かしてくれて、子育てって案外エンタメとして考えても面白いんじゃないかなと感じられるようになりました。――お子さんにはどんなふうに育ってほしいですか?悪いことはしないでほしいというのと、好きなことをやってほしいという思いはあるんですが、仕事とか学校についてはあまり言うことはないですね。僕自身、とやかく言われず父の背中を見て育ってきた気がするので、息子がどう育つかは自分次第だと思っています。僕が息子にどんな生き様を見せるかじゃないでしょうか。健康管理が心の余裕につながる――これからパパになる人たちにメッセージをお願いします。子育てを始めると、今までと同じ生活はできないので、ギャップにうまくフィットすることが大事だと思っています。心に余裕がないと、育児はできません。そのためには、健康管理が大切です。体調が良くて活力がある状態をキープできれば、自ずと家事や育児もできるんじゃないかなあと思います。年齢を重ねるに連れて、ちょっと運動しただけで風邪を引いたりするようになり、免疫力がないのを実感します。自分の健康状態が家庭にも影響を及ぼすので、例えば、運動したらビタミンB1を積極的に摂るなど、真面目に健康管理をやらないといけないと思います。当たり前だけど大切なことですよね。僕も、これまであまり気をつけていなかったので、最近気をつけるようになりました。家事・育児は健康第一です。取材後記初めてパパになった心境を飾らず素直に話してくださった﨑村さん。子育てをしていくうちに学びや気づきがあり、自身の行動を改善しながらポジティブに育児に取り組んでいる真面目さが伺えました。インタビュー中、「これを言うと妻に悪いんですが…」と、愛さんに対する謙虚な姿が時折垣間見え、夫婦の円満な関係づくりに繋がっているのだと感じました。◆住まいやマイカーの資金が気になりだしたら・・・覗いてみてください。あなたの暮らしを応援したい、西日本シティ銀行です。あわせて読みたい:ぼくたちの子育てシリーズ■ 家庭円満の秘訣は、妻や娘の話を聞くこと|JR九州・永田さん■ 家庭時間も仕事時間も、もっと自由にのびやかに|ハル(haru)さん■ 妻は、育児という目的に向かってともに歩む同志です|Friendly Pixel 共同創業者 ・ダニエル・ヨーダーさん■ 夫婦ふたりで家事・育児・仕事!めざすはワンチーム家族|ヌーラボ 國廣輝夫さん