元本割れしない安全な方法で少しでも有利に資産運用したい場合、「個人向け国債」という選択肢があります。個人向け国債とは、どんな商品なのでしょうか。今回はその特徴やメリット・デメリット、購入方法について解説します。個人向け国債は安全って本当?個人向け国債は、国が発行する債券である「国債」の一種で、個人投資家が購入しやすいように工夫された商品です。個人向け国債の特徴1万円以上、1万円単位で購入可能です。保有期間中は年2回、半年ごとに利子が支払われ、満期になると元本全額が返還(償還)されます。発行(購入)から1年経過した後は、いつでも中途換金ができます。直近1年分の利子は差し引かれますが、満期前でも元本割れすることなく換金可能です。元本償還・利子の支払いを国が保証する安全性の高い金融商品個人向け国債では満期および中途換金時の元本償還や利子の支払いを国が保証してくれるため、極めて安全性の高い金融商品です。元本保証の商品としては預貯金もありますが、こちらは各金融機関が元本を保証する商品です。国内金融機関が破綻した場合は、預金保険制度が適用されます。利息のつかない決済用預金(当座預金など)の全額、および利息のつく一般預金等のうち預金者1人あたり元本1,000万円とその利息が保証されています。金融機関よりも信用力の高い国が元本と利子全額を保証するという点で、個人向け国債は預貯金よりも安全性の高い商品といえます。個人向け国債の種類とは個人向け国債には、満期と金利タイプの異なる3種類の商品があります。個人向け国債3商品の比較商品名変動10年固定5年固定3年特徴実勢金利(市場金利)に応じて半年ごとに適用利率が変わるため、受け取れる利子が増えることがある満期まで利率が変わらないため、発行(購入)時点で運用成果が分かる満期まで利率が変わらないため、発行(購入)時点で運用成果が分かる満期10年5年3年金利タイプ変動金利固定金利固定金利金利設定方法基準金利×0.66基準金利−0.05%基準金利−0.03%基準金利利子計算期間開始日の前月(初回は募集期間開始日)までの最後に行われた10年固定利付国債の入札における平均落札利回り募集開始日の2営業日前において、市場実勢利回りをもとに計算した期間5年の固定利付国債の想定利回り募集開始日の2営業日前において、市場実勢利回りをもとに計算した期間3年の固定利付国債の想定利回り最低保証金利年率0.05%利子受取年2回(半年ごと)購入単価1万円以上1万円単位(額面金額100円につき100円)償還金額額面金額100円につき100円(中途換金時も同じ)中途換金発行後1年経過後はいつでも可能※償還額からは直近2回分の利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれる発行頻度年12回(毎月)出典:財務省HP「個人向け国債の商品性の比較」をもとに筆者作成変動10年(変動金利型10年満期)半年ごとに適用利率が変わる変動金利型は、10年満期の個人向け国債です。実勢金利(市場金利)の動向により、受け取れる利子額が変動します。年率0.05%が最低保証されており、実勢金利が上昇した場合はより多くの利子を受け取れる可能性があります。固定5年(固定金利型5年満期)・固定3年(固定金利型3年満期)発行時の利率が満期まで変わらない固定金利型には、満期が5年と3年の2種類あります。いずれも年率0.05%が最低保証されており、発行時点で最終的な運用成果が分かります。実際の発行条件具体的にイメージしやすいよう、実際の個人向け国債の発行条件を確認してみましょう。次の表は、2021年(令和3年)6月に発行された発行条件の概要です。商品名変動10年(第135回債)固定5年(第123回債)固定3年(第133回債)利率(税引前)年率0.05%(初回適用金利)年率0.05%年率0.05%利率算出方法基準金利は前営業日の10年固定利付国債の入札結果から算出された「0.08%」0.08%×0.66≒0.05%(小数点以下第3位は四捨五入)基準金利は前営業日の市場実勢利回りをもとに計算した5年固定利付国債の想定利回り「−0.09%」−0.09%−0.05%=−0.14%<最低保証金利0.05%より、0.05%基準金利は前営業日の市場実勢利回りをもとに計算した3年固定利付国債の想定利回り「−0.13%」−0.13%−0.05%=−0.18%<最低保証金利0.05%より、0.05%募集期間2021年(令和3年)6月7日〜2021年(令和3年)6月30日発行日2021年(令和3年)7月15日利払日毎年1月15日 および 7月15日(年2回)償還日(満期日)2031年(令和13年)7月15日2026年(令和8年)7月15日2024年(令和6年)7月15日発行日2021年(令和3年)7月15日募集価格額面金額100円につき100円償還金額額面金額100円につき100円出典:財務省「個人向け国債の発行条件等[2021年(令和3年)6月4日]」をもとに筆者作成利付国債の金利は0%前後で推移しており、いずれの商品も最低保証金利である年率0.05%となっています。上記変動10年の発行金利は、基準価格から算出した利率(=0.0528%)と最低保証利率がほぼ並んでいる状況です。今後基準金利が0.09%以上となれば、適用利率が上がります。個人向け国債のメリットここからは、個人向け国債を活用した場合のメリットを4つ紹介します。低リスクで運用できる(国による元本償還・利払い保証、最低保証金利)国によって元本の返還(償還)と利払いが保証されています。安全性が高く、低リスクで運用できる点は、個人向け国債の大きなメリットです。年0.05%(税引前)の最低保証金利もあり、元本保証の預金商品と比べても高い運用成果が期待できます。なお、金融機関によっては金利が年0.05%を超える預金商品を提供している場合もあります。中途換金しても元本割れしない発行(購入)から1年経っていれば、元本割れせずに1万円単位でいつでも換金できます。投資商品はお金が必要となる時期までに換金できるよう購入しますが、想定よりも早くお金が必要になることもあります。そのような場合でも、個人向け国債であれば換金できるので安心です。少額から購入でき上限はない最低1万円から1万円単位で購入でき、購入金額に上限はありません。マル優・特別マル優の対象個人向け国債の利子には20.315%の税金がかかり、受取時に差し引かれます。遺族年金を受給できる妻、または身体障害者手帳の交付を受けている人は、「マル優(障害者等の少額預金の利子所得等の非課税制度)」、「特別マル優(障害者等の少額公債の利子の非課税制度)」の対象です。この制度を利用すれば、それぞれ元本350万円までの利子にかかる税金が非課税になります。個人向け国債にもデメリットはあるの?元本保証で低リスクの個人向け国債にも、デメリットはあります。発行(購入)から1年間は原則中途換金できない原則、発行から1年を経過するまで中途換金はできないため、1年以内に使う予定のあるお金は預貯金などを利用しましょう。特例として、保有者本人が亡くなった場合や災害救助法の適用対象となった大規模自然災害によって被害を受けた際には、1年以内の中途換金が認められます。この場合、すでに受け取った利子があれば償還される金額から差し引かれますが、元本割れはしません。中途換金のペナルティには注意が必要中途換金するとペナルティとして直近2回分(1年分)の利子相当額が、償還される金額から差し引かれます。これは、1年間全く運用されなかったのと同じことを意味します。リスク商品に比べ期待できる利回りは低いリスクとリターンは表裏一体の関係にあります。元本保証でリスクの低い個人向け国債は株式や投資信託などのリスク商品に比べ、期待できるリターン(利回り)は低くなります。堅実な運用とリターンの高さのどちらを求めるのか、運用目的にあった商品を選択することが大切です。個人向け国債を買う方法個人向け国債は毎月発行されています。月初の発行条件公表日の翌営業日(おおむね5日頃)から、月末最終営業日までの間に購入が可能です。証券会社や銀行、信用組合・信用金庫、農協など多くの金融機関が取り扱っています。インターネットからも購入できる個人向け国債は金融機関の窓口のほか、自宅などからインターネットでも購入できます。西日本シティ銀行では、インターネットバンキングサービス「NCBダイレクト」を利用して購入や売却、取引履歴の確認ができます。詳細は公式サイト(https://www.ncbank.co.jp/tameru/kokusai/personal_national_bonds_on_ib/)を確認してください。まとめ個人向け国債は元本の償還と利子の支払いを国が保証する、安全性の高い元本保証型の商品です。資産を大きく増やすことは難しいですが、安全に少しでも有利に運用したい人に適した金融商品です。運用目的やお金が必要になる時期にあわせ、他の金融商品とも組み合わせながら、うまく活用していきましょう。
子どもにしっかりと教育を受けさせてあげるためにも、避けて通れないのがお金の問題です。教育資金の準備に学資保険を利用する場合、「いつからいつまで加入できるのか」「いつ加入すればいいのか」と、気になる人も多いのではないでしょうか。今回は、学資保険のベストな加入時期や確認しておきたいポイントなどを解説します。いつから学資保険に加入できる?学資保険とはそもそもどのような保険で、いつから加入できるのでしょうか。まずは基本から押さえておきましょう。子どもの教育資金準備のための保険学資保険とは教育資金準備を目的とする貯蓄性のある保険で、「こども保険」と呼ばれるものもあります。親が契約者となって保険料を支払うことで、子どもの進学時期にあわせて学資金や祝金を受け取れます。保険としての保障機能学資保険の大きな特徴は、契約者が亡くなった場合に以後の保険料の払い込みが免除される保障機能がある点です。これにより契約者が亡くなったとしても、契約で定めた時期に契約で定めた金額の学資金を受け取れます。また、被保険者(保険の対象者)である子どもの医療保障や死亡保障、保険期間中に親が死亡した場合、満期まで養育年金が支払われる商品などもあります。ただし、保障が手厚いほどより多くの保険料がかかるため、払い込む保険料に対して受け取れる学資金は少なくなります。学資保険に加入できる年齢学資保険は、いつでも加入できるわけではありません。契約者となる親と被保険者となる子ども、それぞれ加入できる年齢に制限があります。子どもが6歳までは加入できる商品の選択肢が多い学資保険に加入できる子どもの年齢の条件は、商品やプラン(学資金の受取時期、保険料を払い込む期間など)によって異なります。0歳から6歳くらいまでは、ほとんどの商品・プランに加入可能です。しかし、3歳を過ぎると加入できる商品やプランの数は減少します。大学入学・在学中の資金準備に特化したプランでは、12歳や15歳まで加入できる場合もありますが一部に限られます。妊娠中でも加入できる学資保険には「出生前加入」という仕組みがあり、多くの保険会社では出産予定日の140日前(妊娠6ヵ月目以降)から申し込み・加入ができます。商品やプランによって条件が異なる場合もあるため、加入を希望する保険会社に確認しておきましょう。万一加入後に流産や死産となってしまった場合、契約は無効となり払い込んだ保険料は全額払い戻されます。親(契約者)の年齢制限学資保険には、契約者(通常は親)の年齢にも制限があります。これは契約者に万一のことがあったときに保険料の払い込みが免除される、「契約者の保障」があるためです。契約者の年齢が高くなるほど死亡率は上がるため、保険料は高くなり、一定の年齢以上になると契約できなくなります。契約者の年齢制限は商品・プランによって異なりますが、50代を超えると加入できないケースが増えていきます。年の差婚や高齢出産、祖父母が契約者となる場合などは、特に注意が必要です。学資保険に入るベストなタイミングとは学資保険に加入するのであれば、なるべく早く加入するのがおすすめです。それには次のような理由があります。理由1:より多くの選択肢から商品やプランを選べる学資保険は他の保険に比べて加入年齢の条件が厳しく、加入時期が遅くなると希望する商品やプランに加入できなくなる恐れがあります。なるべく早い時期に加入すれば選択肢が広がり、より希望に近い有利な条件の商品やプランを選びやすくなります。理由2:月々の保険料が安くなる商品・プランと払込終了年齢や受け取る学資金額が同じであれば、早く加入するほど毎月(毎年)支払う保険料は安くなります。これは「積立期間を長くとれる」「保険会社による運用期間が長くなる」という2つの理由によるものです。18歳までに300万円を積み立てるために必要な月々の積立額は、積み立てを始める年齢(積立期間)によって次のように変わります。積み立てを始める年齢(積立期間)月々の積立額0歳(18年間)1万3,889円3歳(15年間)1万6,667円6歳(12年間)2万0,834円12歳(6年間)4万1,667円積立総額は同じですが、早く始めたほうが家計の負担感は軽減されます。これは学資保険に限らず、積立全般にいえることです。理由3:返戻率が高くなる保険会社に資金を運用してもらう期間が長くなるほど、「返戻率(へんれいりつ)」は一般的に高くなります。返戻率とは、払い込んだ保険料に対して受け取れる学資金の総額の割合です。返戻率(%)=(受取学資金総額÷払込保険料総額)×100学資保険は満期が18歳〜22歳前後に決まっているため、運用期間を伸ばして返戻率を高める場合は早めに加入するしかありません。返戻率を高める手段として、保険料の払込期間を短く設定する方法があります。しかし、加入が遅くなると払込期間の選択肢は限られます。理由4:保障される期間が長くなる保障は加入した時点から始まるため、早く加入すればそれだけ保障を受けられる期間が長くなります。突然の事故など、万一はいつ起こるか分かりません。親に万一があっても子どもの教育資金を確保する目的があるなら、なるべく早めに加入しておきましょう。知っておきたい子どもの学資保険選びのポイント学資保険を選ぶ際は、次のようなポイントを押さえておきましょう。ポイント1:返戻率の高さ貯蓄性の高さを重視する場合、払い込んだ保険料に対していくら学資金を受け取れるのか、返戻率の高さを確認しましょう。<返戻率に影響する主な項目>契約者(親)の年齢・性別被保険者(子ども)の年齢保険料の払込期間(10歳まで・18歳まで等)保険料の払込方法(月払い・年払い・一時払い等)学資金・祝金を受け取る時期・頻度保障内容同じ商品でも、加入条件の違いによって返戻率は変わります。パンフレットやサイトに記載された加入例の返戻率ではなく、実際の加入条件による試算結果をもとに比較、検討することが大切です。ポイント2:保障の必要性・内容契約者に万一があったとき、以後の保険料の支払いが免除される保障に加え、商品によっては子どもの医療や養育年金などの保障が付帯されています。保障が手厚ければ、もしものときに保険金や給付金を受け取れるため安心です。しかし、それには保険料を負担しなければならず返戻率は低下します。まずは公的保障や加入済みの民間保険の保障内容を踏まえて、本当に追加保障が必要なのかをよく考えましょう。保障が必要な場合でも、学資保険以外の民間保険を利用したほうが有利なケースもあります。ポイント3:学資金・祝金の受取時期必要なタイミングで、希望する金額の学資金や祝金を受け取れるかどうかも重要なポイントです。希望する教育プランや資金計画にあわせて選びましょう。<学資金・祝金の受取時期の例>大学入学直前の17歳〜18歳にまとまった学資金を受け取れるタイプ小学校入学(6歳)から進学時期にあわせて祝金が支払われるタイプ成人(20歳)、4年制大学卒業(22歳)の時期に祝金・満期金が支払われるタイプ受取時期による返戻率の違い祝金や学資金の受取時期が遅いプランのほうが運用期間が長くとれることから、返戻率は高い傾向があります。近年増加傾向にある大学院や医歯薬系への進学を想定している場合、大学入学以降に受け取りがあるタイプを選択すると返戻率が高くなります。ただし、このタイプは大学進学時点での受取額が相対的に少なくなるため、資金不足が生じないよう計画的に利用しなければなりません。ポイント4:保険料・保険金額・払込期間の設定学資保険に加入する際は無理なく支払いを続けられる保険料となるよう、保険金額(学資金額)や払込期間を設定することが大切です。子どものためと意気込んで保険金額を高く設定し過ぎたり払込期間を短く設定し過ぎたりすると保険料が大きな負担となり、契約を続けられなくなる恐れがあります。今は支払えるから大丈夫だと安易に考えず、収入の減少や支出の増加があっても対応できるよう、余裕を持ったプランに加入しましょう。ポイント5:学資保険以外の選択肢も含めて検討する学資保険には保障機能や生命保険料控除など、保険ならではのメリットがあります。また、自動的に保険料が引き落とされ預貯金のようにすぐに引き出せない学資保険は、積み立てが長続きしない人でも継続しやすい点がメリットといえます。一方で、保障の必要性が低い人や多少のリスクは許容してお金を増やしたい人、お金を自由に使える状態にしておきたい人などにはあまり向いていません。現在は低金利状態が続き、かつてのようなお金が増えるメリットは期待できなくなっています。目的は必要な時期に必要な金額の教育資金を確保することであり、学資保険はそのためのひとつの方法です。預貯金やその他金融商品も選択肢に含め、自分にあった方法(商品)を選びましょう。複数の方法を組みあわせることも有効です。まとめ学資保険は、子どもの教育資金を準備するための保険です。契約者である親に万一があっても契約通りに学資金が受け取れるなど、保険ならではのメリットがあり、妊娠中でも申し込めます。教育資金準備は、学資保険以外の選択肢も含めて、なるべく早く始めることをおすすめします。西日本シティ銀行では、子どもの教育資金を準備したい人向けの学資保険を扱っています。保険選びに悩んだら電話またはオンラインにて無料で相談できるため、ぜひ活用してみてください。*保険商品に関するご留意事項について商号等:株式会社西日本シティ銀行 登録金融機関 福岡財務支局長(登金)第6号
がんに対する漠然とした不安を取り除いて備えておくには、どのような治療方法があり、どのくらいの費用がかかるのかを知っておくことが大切です。今回はがんの治療における「標準治療」「先進医療」「自由診療」の違いと、その費用に備える方法について解説します。がん保険はどんなリスクに備えられる?がん保険はがんの保障に特化した保険です。保障対象をがんに限定しているため、がん以外の病気やケガも保障される医療保険に比べ、高額になりやすいがんの治療費や治療中の収入の減少に割安な保険料で備えられるのが特徴です。がん保険の種類と保障内容大きく「定額給付型」と「実損てん補型」の2つのタイプがあります。定額給付型がん保険条件に該当した場合、あらかじめ契約で定めた金額の給付金を受け取れます。生命保険会社が取り扱うがん保険は、基本的にこのタイプです。定額給付型がん保険の保障内容主な保障内容(給付条件)は次のようなものです。種類保障内容がん診断一時金がんと診断確定された場合に一時金を受け取れます。がん入院給付金がんの治療のために入院した日数に応じて給付金を受け取れます。入院給付金の支払われる日数に上限がないのががん保険の特徴です。がん通院給付金がんの治療のために通院した日数に応じて給付金を受け取れます。がん手術給付金がんの治療のために所定の手術(放射線治療を含む)を受けたときに給付金を受け取れます。がん先進医療給付金がんの治療のために先進医療を受けたときに、先進医療技術料と同額の給付金を受け取れます。上記のほか、薬物療法(抗がん剤治療・ホルモン療法・分子標的治療)を受けた場合の給付金や、がん診断後の収入保障として毎月一定額の給付金を受け取れる商品もあります。実損てん補型がん保険実際にかかった治療費の実費を受け取れます。更新型(定期型)の保険で、一部の損害保険会社が取り扱っています。公的医療保険制度の対象にならず、自己負担が高額になりやすい自由診療まで補償されるのが特徴です。がんの治療費は治療方法の選択で大きく変わるがんの治療費はどの治療法を選ぶかによって異なります。自身が希望する治療を受けるためには、それぞれの治療にかかる費用を把握し、その費用に備えておくことが重要になります。一般的に広く行われている「標準治療」がんの治療は医療の進歩に伴って日々変化しています。さまざまな治療法がある中で、現時点で治療効果や安全性が科学的に証明されており、最善の治療とされるのが「標準療法」です。現在ほとんどのがんでは「手術」「薬物療法」「放射線治療」のいわゆる「三大治療」が標準治療となっており、それぞれ単独、またはこれらを組み合わせて治療が行われています。標準療法(1)手術(外科治療)がんやがんのある臓器を切除する方法が「手術」です。がんが最初にできた箇所にとどまっており、転移がない場合には、手術でがんをすべて取り除くことによって寛解(完治)する可能性が高くなります。手術には次のような種類があり、がんの種類や進行の程度、身体への負担、患者の希望などに適した方法が選択されます。目視でがんを切除する方法体を切開し、目視で確認しながらがんや臓器を切除する方法です。これには開腹手術や開胸手術などがあります。腹腔鏡や胸腔鏡などを用いてがんを切除する方法体に1cmほどの小さな穴を複数開け、その穴からカメラや手術器具のついた腹腔鏡や胸腔鏡を入れ、モニターに写し出される画像を確認しながら器具を操作してがんを切除する方法です。これには腹腔鏡下手術、胸腔鏡下手術、ロボット支援下手術などがあります。創(傷口)が小さく体への負担が少ないのが特徴です。術後の回復が早いため、1週間程度で退院できるケースも増えています。標準療法(2)薬物療法化学療法やホルモン療法、分子標的療法など、薬剤を用いたがんの治療を総称して「薬物療法」といいます。局所的に治療を行う手術や放射線治療とは異なり、体全体に薬剤を巡らせ、全身のがん細胞にその効果を作用させられるのが特徴です。化学療法(抗がん剤治療)一般的に「抗がん剤治療」といわれ、「細胞障害性抗がん薬」という薬が用いられます。細胞障害性抗がん薬は、細胞が増殖する仕組みを妨害することにより、がん細胞を死滅させる薬です。がん細胞を死滅させる能力が高い反面、活発に増殖する正常な細胞にも悪影響を及ぼし、吐き気や脱毛などの副作用を伴う場合があります。ホルモン療法(内分泌療法)がん細胞の成長を促すホルモンの分泌を抑えたり、がん細胞にホルモンが作用するのを抑えたりすることにより、がん細胞を増殖させないようにする治療法です。分子標的療法がん細胞に多く見られる分子(タンパク質)や、がんの増殖に関係する分子、がん細胞に栄養を運ぶ血管などに集中して作用する「分子標的薬」という薬を用い、がん細胞を攻撃します。標的を分子レベルで定めて攻撃するため、一般的な抗がん剤に比べて正常な細胞への悪影響が少ないとされています。免疫療法人が本来持つ免疫機能を回復させて高めることにより、がん細胞の増殖を抑える治療法です。標準療法(3)放射線治療放射線によってがん細胞の増殖を抑える治療法です。手術のように体を傷つけることなく、がんを小さくする効果が期待できます。体外から放射線をあてる「外部照射」が一般的ですが、放射性物質を体内に挿入したり、飲み薬や注射で投与する「内部照射」による方法もあります。治療は通院で行われることが多く、通常は月曜日から金曜日までの週5日、数週間にわたり治療を続けます。毎日の通院は負担となりますが、そのほかは基本的にいつも通りの生活を送ることができます。標準治療には公的医療保険制度が適用される標準治療は公的医療保険制度の対象(保険診療)となり、年齢や所得に応じて決まる一定割合の負担で治療を受けられます。自己負担額が高額になる場合には、「高額療養費制度」による負担の軽減もあり、標準治療を受ける場合の医療費の大部分は公的医療保険でカバーされます。保険診療における医療費の自己負担割合6歳未満(未就学児)2割負担6歳以上70歳未満3割負担70歳以上75歳未満2割負担(現役並み所得者は3割負担)75歳以上1割負担(現役並み所得者は3割負担)高額療養費制度による1ヵ月あたりの自己負担限度額(70歳未満)所得区分1ヵ月あたりの自己負担上限額多数回該当の場合※ア年収約1,160万円〜25万2,600円+(医療費−84万2,000円)×1%14万100円イ年収約770〜1,160万円16万7,400円+(医療費−55万8,000円)×1%9万3,000円ウ年収約370〜770万円8万100円+(医療費−26万7,000円)×1%4万4,000円エ〜年収約370万円5万7,600円4万4,000円オ住民税非課税3万5,400円3万5,400円※直近12ヵ月間で3回以上高額療養費の対象となった人が4回目の対象となった場合の上減額上記の所得区分(ウ)に該当する人の場合、すべての医療費が公的医療保険制度の対象であれば、1ヵ月あたりの自己負担額は10万円程度で済みます。公的医療保険制度の対象とならない治療、費用もある手術・薬物療法・放射線治療であっても、保険が適用されない治療(先進医療・自由診療)もあります。これらにかかる費用は全額自己負担となり、高額療養費制度も適用されません。保険適用外の治療の一例として、次のようなものがあります。腹腔鏡下手術やロボット薬援下手術などの一部効果がまだ証明されていない分子標的療法や免疫療法重粒子線治療や陽子線治療などの放射線治療また、大部屋以外の病室へ入院する場合にかかる「差額ベッド代」なども保険が適用されず、全額自己負担となります。高度な医療技術を用いた「先進医療」高度な医療技術を用いた治療・検査方法のうち、保険診療とすべきか検討段階にあり、厚生労働大臣の指定を受けたものをいいます。先進医療の技術料は全額自己負担だが保険診療と併用可能先進医療にかかる費用(技術料)には公的医療保険制度が適用されず、全額自己負担となります。ただし、先進医療と同時に受けた保険適用の診療、投薬などの費用には保険が適用されます。この点が、後述の自由診療との違いです。先進医療と認められるには、技術ごとに設定された一定の施設基準を満たし、届出を行った医療機関で治療や検査を受けることが条件です。もし未届出の医療機関で治療を受けた場合、保険診療との併用は認められず、保険診療部分の費用も含めて全額自己負担となります。がんに対する先進医療の例次の表は先進医療に該当するがんの治療・検査と、その技術料の一例をあげたものです。2020年(令和2年)6月30日時点における先進医療に係る費用の例技術名技術料(1件あたり)※年間実施件数陽子線治療271万4,943円1,196件重粒子線治療312万3,756円703件抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査3万7,455円185件MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法10万7,640円1,114件出典:「2020年(令和2年)6月30日時点における先進医療Aに係る費用」(厚生労働省)をもとに筆者作成※1件あたりの技術料は総額を件数で割って計算先進医療だからといって、必ずしも費用が高額なわけではありません。しかし、陽子線治療や重粒子線治療など300万円程度かかるものもあります。公的医療保険が適用されない「自由診療」日本では承認されていない抗がん剤の使用など、公的医療保険制度が適用されない治療を「自由診療」といい、その技術料や薬代は全額自己負担となります。併用する保険診療分の費用まで全額自己負担となる自由診療と保険診療の治療や検査、薬などを併用した場合、保険診療分の費用も含め、すべて自己負担となります。前述の先進医療も自由診療の一部ですが、保険診療との併用が認められている点が違います。保険が適用されないことに加え高額な治療も多く、自己負担額が数百万円〜数千万円となるケースもあります。治療法の違いから考える、がん保険の必要性とは標準治療を選択する場合も公的医療保険制度でカバーされない部分への備えは必要「標準治療」を選択した場合、公的医療保険制度によって医療費の自己負担額は大幅に軽減されます。会社員や公務員の人であれば、治療のため働けない期間は、給与の3分の2に相当する「傷病手当金」を最長で1年6ヵ月間受け取れるため、収入がすぐにゼロになってしまうことはありません。貯蓄を切り崩すのは精神的な負担も大きい公的保障があるため過度な心配は不要といえますが、がんの治療は長期にわたることが多く、積み重なれば負担は大きくなります。いつまで治療が続くかわからない中で、貯蓄を切り崩して医療費や生活費を支払っていくのは、精神的にも大きな負担となります。がんと診断された時点で受け取れる一時金や、日数無制限で支払われる入院給付金など、がん保険に加入すれば一定の収入を確保でき、経済的な負担だけでなく精神的な負担の軽減にもつながります。収入減少への備え傷病手当金を受け取れるとしても、3分の1の収入減は家計に大きく影響します。また、傷病手当金を受け取れない自営業やフリーランスの人は収入がゼロになってしまうおそれがあり、収入減少への備えが特に重要です。収入が途絶えてしまった場合に備え、生活費の半年〜1年程度の貯蓄を確保しておくとともに、がん保険に加入しておく安心でしょう。また、がん保険以外に医療保険や就業不能保障保険への加入を検討するのも一つです。先進医療には「先進医療特約」で備える先進医療は標準治療に比べて適用される確率は低いですが、高額な費用がかかることが多いため、月100円程度の保険料負担で済むがん保険または医療保険の「先進医療特約」での備えが適しています。医療保険にも加入する場合は、医療保険に先進医療特約を付加することをおすすめします。がん保険にも先進医療特約はありますが、がんに対する先進医療のみを対象としている商品が多く、がん以外の先進医療は保障されないからです。自由診療を含む治療費には「実損てん補型がん保険」で備える自由診療まで含めた医療費に手厚く備えるには、「実損てん補型がん保険」が適しています。保険診療分も含めて実際にかかった治療費全額を受け取れるため、お金の心配をせず、幅広い選択肢の中から治療方法を選択できます。収入減少に対する補償がない点や、更新型の保険のため年齢が上がるにつれて保険料が高くなっていく点には注意が必要です。ネット保険の詳細はこちら窓口でのご相談はこちら>> 保険加入は無駄遣い?保険の要否を判断するためのおすすめ記事まとめ|医療保険・がん保険・就業不能保険がん保険の申込み、ネットと対面の違いって?がん保険には、インターネットから申し込む「ネット保険(通販型保険)」と、担当者と面談して申し込む「対面型保険」があります。ネット保険(通販型保険)の特徴保障内容のわかりやすい商品や保険料が割安な商品が多いのが特徴です。インターネットから自身で商品内容を理解し、契約まで行うため、自分のペースで考えたうえで申し込みたい人に向いています。一方で加入できる商品や保障内容の設定などに制約を受ける場合もあります。対面型保険の特徴担当者に保障内容を相談しながら決めることができます。ネット保険に比べると加入できる商品の種類や数が多いため、商品選びに迷うことがあるかもしれません。ただし、保障設定の自由度が高かったり、契約後も住所変更や給付金請求などの手続きをサポートしてもらえるのは大きなメリットです。対面型保険では、商品はもちろん担当者選びも重要なポイントといえます。まとめがんの治療は「標準治療」が基本であり、その医療費の大部分は公的医療保険制度によりカバーされます。とはいえ、治療が長引けば負担は大きくなるおそれがあり、差額ベッド代や先進医療・自由診療にかかる費用など、カバーされない費用もあります。がんになってしまったときの経済的・精神的な不安を軽減し、お金の心配なく治療方法を選択できるようにするために、がん保険での備えを検討してみましょう。ネット保険の詳細はこちら窓口でのご相談はこちら>> 保険加入は無駄遣い?保険の要否を判断するためのおすすめ記事まとめ|医療保険・がん保険・就業不能保険*保険商品に関するご留意事項について商号等:株式会社西日本シティ銀行 登録金融機関 福岡財務支局長(登金)第6号
かつて「不治の病」といわれた「がん」も、医療技術の進歩によって克服できる病気になっています。その一方で治療にかかるお金や収入の減少など、がんになったときの経済的なリスクは大きく、事前の備えが大切です。今回は、現在がん保険の主流となっている「終身がん保険」について、定期がん保険との違いやメリット・デメリットを解説します。特徴で比較|がん保険の終身と定期の違いとは?がん保険は、がんを原因とする入院や通院、手術・放射線・抗がん剤治療など、がんの保障に特化した保険です。がん保険は保障される期間(保険期間)の違いによって、大きく「終身がん保険」と「定期がん保険」の2つに分類できます。<終身がん保険と定期がん保険の例>※筆者作成保障される期間(保険期間)の違い終身がん保険には満期がなく、解約しない限り生涯にわたり保障が続きます。これに対し、定期がん保険では保険期間が5年、10年のように定められています。満期後は契約を更新することで、健康状態の審査なく保障を継続できる商品が一般的です。ただし、更新できる年齢には上限があり、その年齢を超えると保険契約は終了します。一定の条件を満たせば、更新時に終身型に移行できる商品もあります。保険料の違い終身がん保険の保険料は、契約時の年齢で計算され、保険期間中一定です。これに対し、定期がん保険の保険料は、契約時の年齢で保険料が計算された後、更新ごとにそのときの年齢で保険料が再計算され、保険料は上がっていきます。保障内容が同じ場合、契約当初の保険料は終身がん保険のほうが高くなりますが、定期がん保険を更新して継続していくと、いずれ定期がん保険の保険料が終身がん保険の保険料を上回ります。保険料支払期間の違い終身がん保険には、保険期間中ずっと保険料を支払い続ける「終身払い」のほか、一定期間ですべての保険料を払い終え、その後は保険料の支払いなく保障が続く「短期払い」があります。毎月(毎年)支払う保険料は終身払いが最も安く、保険料支払期間が短くなるほど高くなります。定期がん保険の場合、保険期間と保険料支払期間は同じです。終身・定期は加入目的・保険期間・予算に合わせて選ぶ終身がん保険と定期がん保険は、加入目的(何に備えるか)、保険期間(保障を必要とする期間)、予算(無理なく継続できる保険料)に合わせて選びます。加入目的(何に備えるか)がんの治療費に備えるのであれば、がんに罹患するリスクが高まる高齢期に保障が途切れる心配のない「終身がん保険」が向いています。一方、がんによる収入の減少に備えるのであれば、現役時代に割安な保険料で保障を確保できる「定期がん保険」が向いています。教育資金や住宅資金などライフプランに必要な資金に目処がついたり、年金を受け取れるようになったりすれば、収入保障の必要性は低くなります。この時期には年齢が上がり保険料が割高になってきますが、保障額を減らす、もしくは解約することで対応できます。定期がん保険は、そのときの状況や治療方法の変化に応じ、保障内容を見直していきたい人にも向いています。保険期間(保障を必要とする期間)がんの罹患リスクが高まる高齢期まで保障を確保したい人には、「終身がん保険」が適しています。一方、がんの保障を一定期間のみ確保したい人には「定期がん保険」が適しています。予算(無理なく継続できる保険料)家計に余裕がなく、必要な保障を確保するには保険料の負担が大きくなってしまう場合、「定期がん保険」が選択肢となります。終身がん保険に移行できる商品を選び、家計に余裕ができたタイミングで切り替える方法もあります。終身・定期を組み合わせて加入する方法もある終身がん保険、定期がん保険のどちらか一方ですべてをカバーするのではなく、加入目的、保険期間、予算に合わせて組み合わせて加入してもよいでしょう。終身がん保険のメリット終身がん保険には、「一生涯の保障を確保できる」「保険料が上がらない」「短期払いが選べる」などのメリットがあります。メリット(1)一生涯の保障を確保できる保障が一生涯続くというのが最大のメリットです。以下のグラフをみてもわかるように、がん罹患率は年齢が上がるほど高まっていきます。一定の年齢で保障が終了してしまう定期がん保険に対し、終身がん保険はリスクの高まる高齢期に保障が途切れない安心感があります。出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(全国がん登録)より筆者作成(2017年(平成29年)統計)メリット(2)途中で保険料が上がらない保険料が契約時に決まり、途中で上がらないのもメリットです。それに対し、定期がん保険の保険料は更新ごとに上がっていき、特に50〜60代以降の更新ではその上がり方が大きくなります。これは50代以降はがんになるリスクが急激に高まり、そのリスクに応じて保険料が計算されるためです。特にがん罹患率の上昇が顕著な男性は、女性に比べて保険料の上がり方が大きくなります。終身がん保険と定期がん保険の保険料の推移下表は、30歳の男性が終身がん保険と保険期間10年の定期がん保険に加入した場合の保険料の推移を示した一例です。契約年齢:30歳・男性保障内容:入院日額1万円、がん診断一時金100万円終身がん保険定期がん保険保険期間・保険料払込期間終身10年月払保険料30歳1,710円650円40歳970円50歳1,780円60歳3,490円この例では、30歳から50歳までの20年間は終身がん保険のほうが割高な保険料を負担することになります。その後50歳の更新時に保険料が逆転し、60歳の更新後は定期がん保険の保険料が終身がん保険の約2倍となります。終身がん保険と定期がん保険の払込保険料総額の比較上記の終身がん保険と定期がん保険を30歳から70歳まで継続した場合の払込保険料総額は、下表のようになります。終身がん保険定期がん保険保険期間・保険料払込期間終身10年払込保険料総額30〜40歳の10年間1,710円×12ヵ月×40年=82万800円650円×12ヵ月×10年=7万8,000円40〜50歳の10年間970円×12ヵ月×10年=11万6,400円50〜60歳の10年間1,780円×12ヵ月×10年=21万3,600円60〜70歳の10年間3,490円×12ヵ月×10年=41万8,800円30〜70歳までの40年間の総額82万800円82万6,800円この例では、70歳までの継続した場合の払込保険料総額はほぼ同じとなっています。定期がん保険を70歳で更新した場合の保険料は月5,500円を超えるため、70歳以降も保障を継続する場合は、終身がん保険のほうが払込保険料総額は少なくなります。メリット(3)「短期払い」を選べば老後に保険料の支払いが残らない終身がん保険で「短期払い」を選ぶと、保険料の支払いを60歳、65歳など一定の年齢までに終えられます。これにより老後に保険料の負担なく保障を継続することができます。ただし、保険料払込期間を短く設定するほど、毎月(毎年)の保険料は高くなります。保険料払込期間による保険料の違い下表は、30歳の男性が保障内容の同じ終身がん保険に加入した場合の、保険料払込期間による保険料の違いを示したものです。契約年齢:30歳・男性保障内容:がん診断一時金100万円保険料払込期間月払保険料払込保険料総額60歳まで70歳まで80歳まで60歳払い4,464円160万7,040円160万7,040円160万7,040円65歳払い3,844円138万3,840円161万4,480円161万4,480円70歳払い3,438円123万7,680円165万240円165万240円終身払い2,752円99万720円132万960円165万1,200円※払込保険料総額は、保険料払込期間中に保険料払込免除事由(がん診断確定)に該当しなかった場合の金額この例では、一度もがんと診断されず、おおむね80歳まで保険料の支払いを続けた場合に、終身払いの払込保険料総額が短期払いを上回ります。メリット(4)商品の選択肢が多い現在がん保険は「終身型」が主流であり、商品の選択肢が多いのも大きなメリットです。終身がん保険のデメリット終身がん保険には、「加入当初の保険料が高い」「途中で解約すると不利になる」などのデメリットがあります。デメリット(1)加入当初の保険料が高い終身がん保険では、生涯のリスクを平均して計算された保険料を、保険期間中を通して支払う形となっています。そのため、より短い保険期間のリスクをもとに保険料が計算される定期がん保険と比べ、加入当初の保険料は割高です。デメリット(2)途中で解約すると不利になる終身がん保険では加入当初から、リスクの高まる高齢期の保険料の一部を前払いするような形となっています。払込保険料総額が逆転するのは保険期間の後半以降前述の30歳から70歳までの払込保険料総額の比較例では、70歳時点の保険料総額は、終身がん保険が82万800円、定期がん保険が82万6,800円とほとんど差はありません。しかし、60歳までの払込保険料総額は、終身がん保険が61万5,600円に対し、定期がん保険は40万8,000円と大きな開きがあります。これは、定期がん保険の保険料総額のうち、がんのリスクが急激に高まる60歳から70歳までの10年間の保険料総額が、41万8,800円と約半分を占めているためです。※筆者作成終身がん保険を途中で解約すると、前払いに相当する保険料を余分に負担しているため、不利になってしまうのです。デメリット(3)見直しに対して心理的な抵抗が生じやすくなる終身がん保険の途中解約は、保険料の面で不利になるためもったいないと感じ、適切な見直しの妨げとなる恐れがあります。加入後、保障内容が時代に合わなくなったり、より優れた商品が登場したりしたときには保険を見直すことも必要です。加入時に慎重に商品や保障内容を検討することはもちろん、これまでに支払った保険料よりも、今後必要とする保障やこれから支払う保険料を重視して判断しましょう。終身がん保険を選ぶうえで注意するべきこと注意点(1)短期払いの選択は慎重に行う短期払いで終身がん保険に加入すれば、老後に負担なく保障を継続できるメリットがあります。その一方で、保険料払込期間中の負担や、途中解約によるデメリットは大きくなります。老後に負担を残したくないという強い希望がある人を除けば、基本的に終身払いを選択すればよいでしょう。注意点(2)治療方法が変化する可能性がある医療技術は日々進歩しており、がんの治療方法は変化する可能性があります。長期継続を基本とする終身がん保険では、なるべく途中解約や見直しをしなくて済むよう、がん診断一時金など治療方法の変化に左右されにくい保障内容をベースとしたほうがよいでしょう。見直しを想定して、前払いに相当する保険料が少ない終身払いにする、治療保障の充実した定期がん保険を組み合わせて加入するという選択もあります。注意点(3)複数の商品から保障内容や支払条件、保険料を比較して選ぶ商品によって保障内容や給付金の支払条件、保険料は異なります。複数の保険会社の商品を比較し、自身にとってより有利な商品を選びましょう。ネット保険の詳細はこちら窓口でのご相談はこちら>> 保険加入は無駄遣い?保険の要否を判断するためのおすすめ記事まとめ|医療保険・がん保険・就業不能保険何が違う?ネット保険と対面型保険保険には、インターネットで契約できる「ネット保険(通販型保険)」と、担当者と面談して契約する「対面型保険」があります。ネット保険の特徴ネット保険(通販型保険)は、インターネット上で商品内容を理解して契約まで行うため、保障内容のわかりやすい商品が多いのが特徴です。保険料が割安な商品も多く、自分のペースで検討・契約できるのもメリットといえます。一方で加入できる商品が限られていたり、対面型保険と同じ商品でも保障額を細かく設定できないなどの制約を受ける場合があります。対面型保険の特徴対面型保険は、担当者に保障内容を相談しながら決められるのが特徴です。ネット保険に比べて加入できる商品の種類・数が多く、保障内容や保障額設定の自由度が高くなっています。契約後も担当者に住所変更や給付金請求などの手続きをサポートしてもらえるといったメリットもあります。先入観を持たず実際に内容を比較し、自身に合った保険を選ぶことが大切必要な保障がわかっており、商品選びから手続きまで自身で行いたい人には「ネット保険」、必要な保障内容や商品を相談しながら決めたい人には「対面型保険」が向いています。ネット保険は保険料の割安な商品も多いですが、必ずしもネット保険だから安いとは限りません。ネットと対面、いずれの方法でも契約できる商品の場合、契約条件が同じであれば保険料は同じです。ネット保険と対面型保険の両方を含めた幅広い選択肢の中から、実際に保障内容や保険料を比較して選ぶことが大切です。まとめ終身がん保険は、がんのリスクが高まる高齢期まで一定の保険料で保障を確保できる、商品の選択肢が多いといったメリットがある反面、加入から当面の間は、定期がん保険に比べ割高な保険料を負担しなければならないデメリットがあります。終身型と定期型を検討するときは、どちらが自身の加入目的に合っているかを考えて選びましょう。ネット保険の詳細はこちら窓口でのご相談はこちら>> 保険加入は無駄遣い?保険の要否を判断するためのおすすめ記事まとめ|医療保険・がん保険・就業不能保険*保険商品に関するご留意事項について商号等:株式会社西日本シティ銀行 登録金融機関 福岡財務支局長(登金)第6号
一人暮らしの食費はいくらが適正なのか、気になる人も多いのではないでしょうか。今回は一人暮らしの食費の平均額と、収入ごとの理想的な食費の目安、知って得する食費の節約術について解説します。貯蓄や投資に回すお金をもっと増やしたいという人は、食費を一度見直してみましょう。あわせて読みたい・「365日貯金」で総額いくら貯まる?シートの作り方&無理なく続ける6つのコツ・貯金できない人の3つの共通点!貯金できる人との違い&賢く貯めるための改善方法一人暮らしの食費の平均額男女別・年齢別による食費の平均額の違い総務省統計局が実施した2020年(令和2年)家計調査によると、一人暮らし(単身世帯)の1ヶ月あたりの食費の平均額は3万8,357円(男性4万2,165円、女性3万4,850円)となっています。男女別・年齢階級別に食費の平均額を示したのが次の表です。一人暮らしの1ヶ月あたりの食費の平均額/男女別・年齢階級別[2020年(令和2年)調査]全年齢34歳以下35〜59歳60歳以上全体平均3万8,257円3万5,563円4万1,052円3万7,825円(内 外食費)7,515円1万3,191円9,475円4,453円(内 酒類)1,864円1,104円2,695円1,720円男性平均4万2,165円3万9,999円4万5,170円4万762円(内 外食費)1万0,380円1万4,762円1万1,445円6,744円(内 酒類)2,912円1,438円3,382円3,384円女性平均3万4,850円2万9,457円3万4,366円3万6,270円(内 外食費)5,021円1万1,042円6,290円3,239円(内 酒類)952円646円1,579円839円出所:家計調査・家計収支編・2020年(令和2年)「男女,年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出(単身世帯) 表10」(総務省統計局)をもとに筆者作成食費の平均額を男性と女性で比較すると、すべての年齢層で男性が女性を上回っています。これは、女性に比べて男性は食べる量自体が多い傾向があることや、「外食費」や「酒類」への支出が多いことなどが要因と考えられます。年収による食費の平均額の違い家計調査によると、単身世帯の食費の相場は支出全体の約4分の1(25%前後)となっていますが、その割合は年収によっても違います。一人暮らしの食費の平均額と支出全体に占める食費の割合(※エンゲル係数)を、年収別に示したのが次の表です。※エンゲル係数(%)=食費(食料費)÷消費支出×100一人暮らしの1ヶ月あたりの食費の平均額・エンゲル係数/年収別[2020年(令和2年)調査]額面年収食費(エンゲル係数)内 外食費(食費に占める割合)消費支出全体平均3万8,257円(25.4%)7,515円(19.6%)15万506円100万円未満2万9,854円(30.3%)2,829円(9.5%)9万8,421円100万円以上200万円未満3万1,476円(28.3%)3,096円(9.8%)11万1,309円200万円以上300万円未満3万8,427円(26.0%)5,488円(14.3%)14万7,619円300万円以上400万円未満4万653円(25.1%)1万221円(25.1%)16万1,822円400万円以上500万円未満4万3,659円(23.9%)1万4,476円(33.2%)18万2,943円500万円以上600万円未満4万3,707円(24.0%)1万2,663円(29.0%)18万2,329円600万円以上5万1,600円(20.8%)1万4,639円(28.4%)24万8,361円出所:家計調査・家計収支編・2020年(令和2年)「年間収入階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出(単身世帯) 表5」(総務省統計局)をもとに筆者作成年収が高いほど食費の平均額は大きくなるほか、エンゲル係数が小さくなる傾向や、食費に占める外食費の割合が高まる傾向がみられます。※2020年(令和2年)は新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛の影響により、全体として外食費への支出が減少しています。\おすすめ記事/お金の勉強にオススメの本|お金の基本~応用まで知識が身につく一人暮らしの食費節約の目安はいくら?一人暮らしの理想的な食費としては、「手取り収入の15%前後」が目安です。ただし、収入や住んでいる地域、就業状況(大学生、社会人、年金生活者等)、他の支出項目とのバランスによって、この割合は変わってきます。次の表は、手取り収入に応じた理想的な食費のおおよその目安です。一般的に収入の多い人ほど食費を節約する余地は大きく、目安以下に抑えることも十分できます。一人暮らしの理想的な食費の目安(節約目標)手取り収入/月手取りに収入に対する理想的な食費の目安手取り収入に対する割合1ヶ月の食費1日あたりの食費10万円約20%約2万円約670円15万円約18%約2万7,000円約900円20万円約16%約3万2,000円約1,070円25万円約14%約3万5,000円約1,170円30万円約14%約4万2,000円約1,400円35万円約13%約4万5,500円約1,520円40万円約12%約4万8,000円約1,600円※筆者作成一人暮らしで食費を節約するコツ食費は生きていくために欠かせない費用であり、食費を削りすぎて健康を損ねてしまっては本末転倒です。食費を節約するコツを紹介しますので、生活に取り入れやすいものから無理のない範囲で実践してみましょう。食費節約のコツ①現状でかかっている費用を把握する自身が食費にどのくらいお金を使っているのか、まずは現状を把握して無駄がないか洗い出してみましょう。家計簿をつけていなければ最低一週間、できれば1ヶ月分のレシートを保管しておき、集計します。食費節約のコツ②細かく期間を区切って予算を設定し、予算内でやりくりする食費の使い過ぎを防ぐには、細かく期間を区切って予算を設定し、1日あたりに使える金額の範囲内でやりくりするのがコツです。1ヶ月の予算から、米や調味料のようにまとめて購入する必要のある食材費、社食費など、月単位でかかる費用を差し引きます。差し引いて残った金額を30(日)で割ったものが1日に食費として使える金額です。外食や予算通りにいかない場合も想定して予備費を確保しておくと、やりくりしやすくなります。予算の設定例例えば手取り月収が25万円で、その14%以内を食費の目標とする場合には、1ヶ月の食費を3万5,000円以内に抑える必要があります。米代や社食費、予備費として1万4,000円を確保すると、残りは2万1,000円、1日あたりの予算は700円です。まとめて買い物する場合、3日分であればこの3倍の2,100円以内でやりくりします。食費節約のコツ③コンビニの利用を減らすコンビニは気軽に立ち寄れて便利な反面、余計なものを手に取ったり、同じ商品でもスーパーの倍近い値段で買ってしまったりすることは少なくありません。ついついコンビニでお菓子や飲み物を買ってしまう人は、まずその習慣を見直しましょう。生活スタイルに合わせて活用することも大切コンビニには小分けの食材や惣菜なども多く取り揃えられており、一人暮らしの「ちょっとだけ欲しい」というニーズを満たすのには適しています。忙しくて自炊をする時間がなく、食材を余らせてしまったり、外食したりするよりは、コンビニを利用したほうが食費の節約になることもあります。買い物はスーパーやドラッグストアを基本に、生活スタイルに合わせてコンビニをうまく利用することも大切です。食費節約のコツ④自炊する自炊は食費の節約に効果的な方法です。一人暮らしの人が食材を余らせず、なるべくストレスを感じずに自炊を続けるためには、いくつかのコツがあります。無理なく続けられる範囲で行う自炊は続けることが大切です。スーパーのお惣菜などもうまく利用しながら、ご飯を炊く、味噌汁を作るなど、無理なくできることから始めるのがおすすめです。慣れてくれば必要な調理器具や調味料などを揃え、レパートリーを増やしていきましょう。最初からすべてをやろうとすると、面倒になって続かなかったり、食材や調理器具などを無駄にしてしまったりしやすいので要注意です。なるべく同じ店で買い物する立ち寄りやすく、低価格の商品が揃っている店を選び、日常の買い物はなるべくそのお店でするのがおすすめです。どの店が安いのか比べる時間や、どこに何があるのかを探す時間が減り、効率的に買い物ができます。また、ポイントカードのポイントが貯まりやすくなるメリットもあります。買い物に行く時間がとれない人は、ネットスーパーやECサイトの定期購入などもうまく活用するとよいでしょう。一定の頻度で買い物する買い物する曜日や頻度(3日おきなど)を決め、その間に使い切れる分だけ購入すれば、食材のロスを減らすことにつながります。冷蔵庫の中に何があるか把握しておき、把握しきれない量は買わないようにしましょう。買い物する日を行きつけのお店のセール日に合わせれば、よりお得に買い物できます。使いやすい食材を中心に購入する食材を余らせて無駄にしないためには、使い回しの効く食材や、そのままでも食べられる食材を中心に購入するのがコツです。栄養があり、安くて使い回しの効く食材の例としては、次のようなものがあります。鶏胸肉豚こま切れ肉豆腐キャベツ玉ねぎ卵春雨などの乾物これらの食材に旬の食材などを組み合わせれば、食卓も豊かになります。旬の食材は値段も安く、栄養価も高いのでおすすめです。食材はなるべく使い切るレシピの分量通りに作ろうとすると、食材が少しだけ余ってしまうこともあります。別の料理でも使えればいいですが、早く食べないといけない食材であれば、なるべく残さずに使い切ってしまいましょう。味付けの調整が必要になるため最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れると食材の量に合わせて料理が作れるようになります。食材が中途半端に残ってしまったときは、味噌汁や炒め物の具として混ぜてしまうのも手です。少量の調味料などは100円ショップを活用する一人暮らしでは調味料を使い切れず、期限を切らしてしまいがちです。100円ショップでは、大手メーカーの商品などの小容量商品を販売しているため、少しだけ必要な調味料を揃えるのに便利です。時間のあるときに常備菜を作っておく毎日仕事から帰って自炊するとなると面倒になってしまい、ついつい外食で済ましてしまいやすくなります。日持ちする常備菜を作ったり、ご飯やおかずなどを作って冷凍したり、家に帰ればすぐに食べるものがある状態にしておくとよいでしょう。食費節約のコツ⑤マイボトルを使うペットボトル飲料や缶コーヒーなどを買う習慣のある人は、飲み物をマイボトルに入れて持参するのもおすすめです。毎日1本150円のペットボトル飲料を買っている場合、毎月約4,500円、年間では5万円以上の節約が可能です。食費節約のコツ⑥学食や社食、飲食店のサブスク(定額サービス)などを有効活用する自炊にストレスを感じる人は、無理に自炊にこだわらず、お得に外食できるサービスをうまく活用するのがコツです。学食や社食は低価格なメニューが多いのでぜひ利用しましょう。最近では、提携する飲食店を月額制で利用できるサブスク(定額サービス)も登場しています。食費節約のコツ⑦外食はランチタイムを利用するランチタイム限定のお得なセットメニューや、ディナータイムよりも低価格なメニューを提供しているお店が多くあります。食費は節約したい、でもたまには外食も楽しみたいという人は、ランチタイムの利用がおすすめです。食費節約のコツ⑧「目的貯蓄」をする何かを続けようと思ったとき、目的がないとなかなか長続きしないものです。思い浮かべてみてください。目的を達成したときにどんなメリットがあると食費が節約しやすいでしょうか?思い浮かんだその目的を常に念頭に置いて生活をすると、食費節約のモチベーションアップにつながるかもしれません。《目的貯蓄》アプリで目的別にお金を貯める方法とは?まとめ一人暮らしの食費はかさみやすいものですが、見直しにより節約効果を得やすい支出といえます。とはいえ、食事は生活の基本であるため、過度な節約は好ましくありません。まずは自身の家計の現状を把握し、無駄を削ることから始めましょう。\おすすめ記事/お金の勉強にオススメの本|お金の基本~応用まで知識が身につく