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個人向け国債は買うべき?メリットやデメリット、購入方法について説明します

元本割れしない安全な方法で少しでも有利に資産運用したい場合、「個人向け国債」という選択肢があります。個人向け国債とは、どんな商品なのでしょうか。今回はその特徴やメリット・デメリット、購入方法について解説します。

個人向け国債は安全って本当?

個人向け国債は、国が発行する債券である「国債」の一種で、個人投資家が購入しやすいように工夫された商品です。

個人向け国債の特徴

1万円以上、1万円単位で購入可能です。保有期間中は年2回、半年ごとに利子が支払われ、満期になると元本全額が返還(償還)されます。発行(購入)から1年経過した後は、いつでも中途換金ができます。直近1年分の利子は差し引かれますが、満期前でも元本割れすることなく換金可能です。

元本償還・利子の支払いを国が保証する安全性の高い金融商品

個人向け国債では満期および中途換金時の元本償還や利子の支払いを国が保証してくれるため、極めて安全性の高い金融商品です。

元本保証の商品としては預貯金もありますが、こちらは各金融機関が元本を保証する商品です。国内金融機関が破綻した場合は、預金保険制度が適用されます。利息のつかない決済用預金(当座預金など)の全額、および利息のつく一般預金等のうち預金者1人あたり元本1,000万円とその利息が保証されています。

金融機関よりも信用力の高い国が元本と利子全額を保証するという点で、個人向け国債は預貯金よりも安全性の高い商品といえます。

個人向け国債の種類とは

個人向け国債には、満期と金利タイプの異なる3種類の商品があります。

個人向け国債3商品の比較

商品名

変動10年

固定5年

固定3年

特徴

実勢金利(市場金利)に応じて半年ごとに適用利率が変わるため、受け取れる利子が増えることがある

満期まで利率が変わらないため、発行(購入)時点で運用成果が分かる

満期まで利率が変わらないため、発行(購入)時点で運用成果が分かる

満期

10年

5年

3年

金利タイプ

変動金利

固定金利

固定金利

金利設定方法

基準金利×0.66

基準金利−0.05%

基準金利−0.03%

基準金利

利子計算期間開始日の前月(初回は募集期間開始日)までの最後に行われた10年固定利付国債の入札における平均落札利回り

募集開始日の2営業日前において、市場実勢利回りをもとに計算した期間5年の固定利付国債の想定利回り

募集開始日の2営業日前において、市場実勢利回りをもとに計算した期間3年の固定利付国債の想定利回り

最低保証金利

年率0.05%

利子受取

年2回(半年ごと)

購入単価

1万円以上1万円単位(額面金額100円につき100円)

償還金額

額面金額100円につき100円(中途換金時も同じ)

中途換金

発行後1年経過後はいつでも可能

※償還額からは直近2回分の利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれる

発行頻度

年12回(毎月)

出典:財務省HP「個人向け国債の商品性の比較」をもとに筆者作成

変動10年(変動金利型10年満期)

半年ごとに適用利率が変わる変動金利型は、10年満期の個人向け国債です。実勢金利(市場金利)の動向により、受け取れる利子額が変動します。

年率0.05%が最低保証されており、実勢金利が上昇した場合はより多くの利子を受け取れる可能性があります。

固定5年(固定金利型5年満期)・固定3年(固定金利型3年満期)

発行時の利率が満期まで変わらない固定金利型には、満期が5年と3年の2種類あります。

いずれも年率0.05%が最低保証されており、発行時点で最終的な運用成果が分かります。

実際の発行条件

具体的にイメージしやすいよう、実際の個人向け国債の発行条件を確認してみましょう。次の表は、2021年(令和3年)6月に発行された発行条件の概要です。

商品名

変動10年
(第135回債)

固定5年

(第123回債)

固定3年

(第133回債)

利率

(税引前)

年率0.05%

(初回適用金利)

年率0.05%

年率0.05%

利率算出方法

基準金利は前営業日の10年固定利付国債の入札結果から算出された「0.08%」

0.08%×0.66≒0.05%(小数点以下第3位は四捨五入)

基準金利は前営業日の市場実勢利回りをもとに計算した5年固定利付国債の想定利回り「−0.09%」

−0.09%−0.05%=−0.14%<最低保証金利0.05%より、0.05%

基準金利は前営業日の市場実勢利回りをもとに計算した3年固定利付国債の想定利回り「−0.13%」

−0.13%−0.05%=−0.18%<最低保証金利0.05%より、0.05%

募集期間

2021年(令和3年)6月7日〜2021年(令和3年)6月30日

発行日

2021年(令和3年)7月15日

利払日

毎年1月15日 および 7月15日(年2回)

償還日

(満期日)

2031年(令和13年)
7月15日

2026年(令和8年)
7月15日

2024年(令和6年)
7月15日

発行日

2021年(令和3年)7月15日

募集価格

額面金額100円につき100円

償還金額

額面金額100円につき100円

出典:財務省「個人向け国債の発行条件等[2021年(令和3年)6月4日]」をもとに筆者作成

利付国債の金利は0%前後で推移しており、いずれの商品も最低保証金利である年率0.05%となっています。

上記変動10年の発行金利は、基準価格から算出した利率(=0.0528%)と最低保証利率がほぼ並んでいる状況です。今後基準金利が0.09%以上となれば、適用利率が上がります。

個人向け国債のメリット

ここからは、個人向け国債を活用した場合のメリットを4つ紹介します。

低リスクで運用できる(国による元本償還・利払い保証、最低保証金利)

国によって元本の返還(償還)と利払いが保証されています。安全性が高く、低リスクで運用できる点は、個人向け国債の大きなメリットです。

年0.05%(税引前)の最低保証金利もあり、元本保証の預金商品と比べても高い運用成果が期待できます。なお、金融機関によっては金利が年0.05%を超える預金商品を提供している場合もあります。

中途換金しても元本割れしない

発行(購入)から1年経っていれば、元本割れせずに1万円単位でいつでも換金できます。

投資商品はお金が必要となる時期までに換金できるよう購入しますが、想定よりも早くお金が必要になることもあります。そのような場合でも、個人向け国債であれば換金できるので安心です。

少額から購入でき上限はない

最低1万円から1万円単位で購入でき、購入金額に上限はありません。

マル優・特別マル優の対象

個人向け国債の利子には20.315%の税金がかかり、受取時に差し引かれます。

遺族年金を受給できる妻、または身体障害者手帳の交付を受けている人は、「マル優(障害者等の少額預金の利子所得等の非課税制度)」、「特別マル優(障害者等の少額公債の利子の非課税制度)」の対象です。この制度を利用すれば、それぞれ元本350万円までの利子にかかる税金が非課税になります。

個人向け国債にもデメリットはあるの?

元本保証で低リスクの個人向け国債にも、デメリットはあります。

発行(購入)から1年間は原則中途換金できない

原則、発行から1年を経過するまで中途換金はできないため、1年以内に使う予定のあるお金は預貯金などを利用しましょう。

特例として、保有者本人が亡くなった場合や災害救助法の適用対象となった大規模自然災害によって被害を受けた際には、1年以内の中途換金が認められます。この場合、すでに受け取った利子があれば償還される金額から差し引かれますが、元本割れはしません。

中途換金のペナルティには注意が必要

中途換金するとペナルティとして直近2回分(1年分)の利子相当額が、償還される金額から差し引かれます。これは、1年間全く運用されなかったのと同じことを意味します。

リスク商品に比べ期待できる利回りは低い

リスクとリターンは表裏一体の関係にあります。元本保証でリスクの低い個人向け国債は株式や投資信託などのリスク商品に比べ、期待できるリターン(利回り)は低くなります。

堅実な運用とリターンの高さのどちらを求めるのか、運用目的にあった商品を選択することが大切です。

個人向け国債を買う方法

個人向け国債は毎月発行されています。月初の発行条件公表日の翌営業日(おおむね5日頃)から、月末最終営業日までの間に購入が可能です。

証券会社や銀行、信用組合・信用金庫、農協など多くの金融機関が取り扱っています。

インターネットからも購入できる

個人向け国債は金融機関の窓口のほか、自宅などからインターネットでも購入できます。

西日本シティ銀行では、インターネットバンキングサービス「NCBダイレクト」を利用して購入や売却、取引履歴の確認ができます。詳細は公式サイト(https://www.ncbank.co.jp/tameru/kokusai/personal_national_bonds_on_ib/)を確認してください。

まとめ

個人向け国債は元本の償還と利子の支払いを国が保証する、安全性の高い元本保証型の商品です。資産を大きく増やすことは難しいですが、安全に少しでも有利に運用したい人に適した金融商品です。運用目的やお金が必要になる時期にあわせ、他の金融商品とも組み合わせながら、うまく活用していきましょう。

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