福岡の食の達人である弓削聞平さんの編集・出版事務所「聞平堂」とのコラボ企画。9月19日(土)発売予定の「価格で探すご褒美ランチ」掲載店から選りすぐりのお店を、9月23日(水)まで毎週水曜日に1軒ずつ計8軒、「Go!Go!ワンク」の読者の皆さまへいち早くご紹介します!
第6回は、福岡市中央区天神のイタリア料理店『リストランテ Kubotsu』です。
九州の食材にリスペクトした クリエイティブな創作料理
天神の真ん中にある警固公園に面したビルの4階。エレーベーターを降りると、六角形をモチーフにした美しい大川組子のレセプションカウンターがゲストを迎えてくれる。窪津朋生シェフは「ひらまつ」グループの中で早くから嘱望され、31歳にして前身である「リストランテASO 天神」の料理長に就任。2018年に自らの名前を冠したリストランテとして、リニューアルオープンした。その際、内装や備品などにも地元九州の伝統工芸品を積極的に取り入れ、名実ともに地産地消を体現するイタリア料理店として生まれ変わった。
窪津シェフの料理を支えているのは、九州各地の農家や漁師、畜産家などの生産者が情熱を持って栽培、漁獲、飼育してきた食材の数々。シェフに就任した当初は仕入れに苦労したというが、労をいとわずに自ら足を運んで訪ね歩いて信頼関係を築いてきた。
「九州で今一番おいしい料理を味わってほしい」という言葉どおり、その時に一番美味しく食べられる食材を厳選。イタリア料理を基本にしながら、食材の良さを引き出すためにありとあらゆる技法や調理法を駆使してクリエイティビティに溢れた料理に仕立ていくのが真骨頂だ。目の前の食材と真摯に向き合い、決して手間を惜しむことなく卓越した一皿として完成させるまでには、美味しい料理を食べてほしいという思いと同時に食材を提供してくる生産者への敬意が込められている。
窪津シェフの九州に対するリスペクトは、食材の生産者だけにはとどまらない。唐津焼の器や大川組子のテーブルウェア、博多織のファブリックなど伝統工芸の作家や、園芸家・フローリストともコラボレーション。空間の設えから料理の盛りつけにいたるまで、細部にわたって常に新鮮なアイデアと驚きに満ちあふれている。
また、この5月からは「ひらまつ」グループ全店で、新しい食の安全基準を定めた独自の「Hiramatsuスタンダード」を制定。衛生管理・ソーシャルディスタンス・換気などの観点からテーブル数を減らして間隔を空け、誰もが安心して食事ができるように配慮されている。
ランチは4000円・6000円のコースに、シェフおまかせコース(10000円~)の3種類。その時々のメニューには食材の産地や生産者が明記されているので、頭の中に九州の地図を思い浮かべながらそれぞれの土地柄に思いを馳せつつ食べ進めるのも楽しい。
「リストランテKubotsu」ランチコース:Menu Gioia
4000円(税別・サービス料13%別)
アミューズ・前菜・パスタ・肉料理・パン・デザート・小菓子・コーヒー
スイカを凍らせたグラニテとゼッポリ(揚げパン)のアミューズ。
熊本県産梅山豚をスモークした自家製ベーコンと島原松本農園のトウモロコシを使った冷製スープ。
宮崎県土々呂産しらすと焼ハモのスパゲティーには実山椒の香りをアクセントに。
メインのフランス産乳のみ仔羊の煮込みとトウガンなど九州の季節野菜を添えて。
デザートの盛り合わせ(バニラアイス・カボチャのムース・パンナコッタ)。
大川組子のプレートに乗せた小菓子。
(DATA)
住所:福岡市中央区天神2-5-55レソラ天神4F
電話:092-724-0600
営業時間:11:30~OS13:30(土日祝はOS14:00)/17:30~OS20:30
定休日:火曜
座席:50席
個室:2~10名
文/江月 義憲、撮影/山田 トモフミ
「価格で探すご褒美ランチ」では約70軒の選りすぐりのお店が掲載されていますので、予算やシーンに合わせたご褒美ランチに活用してください。9月19日(土)に福岡県内各書店・福岡市内コンビニエンスストア・Amazon・聞平堂オンラインショップにて発売予定です。
※本記事に掲載している情報は2020年7月現在のものです。諸般の事情によりメニュー・価格・営業時間・定休日などのデータが変更になる場合がございますので、お出かけになる前に電話等でご確認いただくことをお勧めします。
- グルメ
弓削 聞平(ゆげぶんぺい)
編集者
2001年より福岡とグルメをテーマにフリーエディターとして活動。「epi」「ソワニエ」の元編集長。個人事務所「聞平堂」では「ぐる~り糸島」「福岡甘党図鑑」「福岡グルメ トリビア~ン」「福岡 気軽で楽しい町の寿司屋」等を出版。RKBラジオ「弓削聞平スマイルディッシュ」「オトナビゲーション」に出演中。西部ガス広報誌「&and」にコラム連載中。