福岡の食の達人である弓削聞平さんの編集・出版事務所「聞平堂」とのコラボ企画。9月19日(土)発売予定の「価格で探すご褒美ランチ」掲載店から選りすぐりのお店を、9月23日(水)まで毎週水曜日に1軒ずつ計8軒、「Go!Go!ワンク」の読者の皆さまへいち早くご紹介します!
第1回は、福岡市早良区西新の中国料理店『中国菜 KHAOS(カオス)』です。
自由な発想で組み立てる、会席仕立ての中国料理
ここ数年、レベルアップが著しい福岡の中国料理。以前は老舗料理店やホテルレストランと、街中の大衆中華の店に二分されていた感があったが、今では気鋭の若手料理人による店が続々と開店。「ご褒美ランチ」にふさわしいレストランとして、フレンチやイタリアンと並ぶ選択肢になっている。
2019年2月、西新にオープンした『中国菜 KHAOS(カオス)』もその一つ。オーナーシェフの河窪証さんは、中華の鉄人として名高い陳建一氏が率いる名店「四川飯店」を皮切りに、調理師専門学校の講師を経て20代で桜坂「凜丹」の料理長に抜擢された。若手料理人の登竜門として日本最大級の料理コンペティション「RED U-35」でも2年連続入賞を果たすなど、料理人としての実力は折り紙つきだ。
店名の由来である「カオス」には、宇宙が生まれる前の予測ができない変化が起こる状態という意味がある。河窪さんは、そこに「中国料理の枠にとらわれない自由な発想の料理を創造したい」という思いを込めて、日々食材と向き合いながらクリエイティブで独創的な料理を提供している。
特徴的なのはそのスタイルで、メニューは昼夜ともにおまかせコースのみ。中国料理でコースといえば大人数で卓を囲むイメージがあるが、ここでは一人一品ずつ小皿に盛られた会席中国料理として提供される。ランチは前菜からスープ、点心、魚料理、肉料理、麺飯類、デザートなどの8品で、その多彩なバリエーションに目を見はる。前菜だけでも2皿に分けて10種類以上が盛り込まれ、それぞれに素材を良さを活かしながら独創的な調理法で味付けされた逸品揃いだ。陳建一氏のもとで修業した四川料理をはじめ、様々な技法を駆使した重層的なハーモニーを楽しむことができる。
コースとして全体のバランスに配慮しながらも、一品一品には細やかなチューニングが施されている。たとえば四川を代表する「麻婆豆腐」では、あえて豆板醤を使わずに唐辛子でフレッシュな辛味と香りを付けて塩で味を整えるなど、河窪さんが「もっとも美味しい」と思う料理に仕上げている。
店は西南学院のキャンパス近くの西新に古くからある静かな住宅街の一角にあり、店内は全体的にマットな質感で統一された落ち着きのある空間。10年ものの壺入り紹興酒やワイン、日本酒なども揃っており、ぜひともモダンな中国料理とのペアリングを楽しんでほしい。
おまかせランチコース
2500円(税別)
前菜盛り合わせ・スープ・点心・魚料理・肉料理・麺飯類・デザート
甘味のある新玉ネギを使った冷製スープ。
季節の食材をふんだんに使った前菜の盛り合わせ。
クリームチーズの紹興酒漬けと大根餅レンコンマスタード添え。
チャーシューをパイ包みにして焼いた点心。
アオリイカと野菜をピリ辛の発酵唐辛子で炒めて。
豚ホホ肉を濃厚な黒酢で炒めた酢豚。
名物の麻婆豆腐。季節によっては冷麺や炒飯も。
デザートはサッパリと甘い杏仁豆腐で。
(DATA)
住所:福岡市早良区西新3-15-9-2F
電話:092-845-7322
営業時間:12:00~13:30入店/18:00~20:30入店(昼夜とも要予約)
定休日:月曜
席数:18席
個室:なし
カード:可
URL:Facebook
文/江月 義憲、撮影/山田 トモフミ
「価格で探すご褒美ランチ」では約70軒の選りすぐりのお店が掲載されていますので、予算やシーンに合わせたご褒美ランチに活用してください。9月19日(土)に福岡県内各書店・福岡市内コンビニエンスストア・Amazon・聞平堂オンラインショップにて発売予定です。
※本記事に掲載している情報は2020年7月現在のものです。諸般の事情によりメニュー・価格・営業時間・定休日などのデータが変更になる場合がございますので、お出かけになる前に電話等でご確認いただくことをお勧めします。
- グルメ
弓削 聞平(ゆげぶんぺい)
編集者
2001年より福岡とグルメをテーマにフリーエディターとして活動。「epi」「ソワニエ」の元編集長。個人事務所「聞平堂」では「ぐる~り糸島」「福岡甘党図鑑」「福岡グルメ トリビア~ン」「福岡 気軽で楽しい町の寿司屋」等を出版。RKBラジオ「弓削聞平スマイルディッシュ」「オトナビゲーション」に出演中。西部ガス広報誌「&and」にコラム連載中。