主婦は一家の生活費を預かって、自らが買い物を行っているケースが多いはずです。主婦もクレジットカードを使うと便利な場面が多くなりますが、無職の専業主婦でもクレジットカードは作れるのでしょうか?本記事では専業主婦がクレジットカードを作る方法やおすすめのカードについて解説します。
専業主婦でもクレジットカードの審査は通る?
クレジットカードを発行してもらうには、カード会社の審査に通過する必要があります。そもそも専業主婦はクレジットカードの審査に通るのかについて説明します。
クレジットカードの審査基準
クレジットカードの審査基準は、細かくは会社によって違います。しかし、どこの会社でも主に「本人の属性」と「信用情報」がチェックされます。
本人の属性 | 職業、勤務先、雇用形態、勤続年数、年収、居住形態(賃貸か持家か)、居住年数、家族構成など |
信用情報 | 他社を含めたクレジット・ローン契約の状況、延滞等の有無(過去数年の履歴を参照) |
収入については世帯全体で判断されることも
クレジットカードを作るには、少なくとも安定・継続した収入が必要です。審査の際には職業や年収をチェックされるため、無職の人は原則として審査に通りません。
ただし、家族構成についても確認されるため、申込者本人に収入がなくても、同一生計の家族に収入があればOKとされる場合が多くなっています。つまり専業主婦でも夫に安定した収入があれば、クレジットカードを作れることがあります。
専業主婦でも申し込み可能かどうか確認
専業主婦が申し込みできるかどうかは、申し込みサイトの「よくある質問」等に掲載されていることがあります。よくわからない場合には、申し込み窓口に問い合わせてみましょう。
家族カードなら専業主婦でも持てる
専業主婦がクレジットカードを作りたい場合、夫のクレジットカードの家族カードを申し込む方法があります。家族カードとは本会員と同一生計の家族に発行してもらえるカードです。カードを発行してもらう家族に収入の要件はなく、専業主婦のほか大学生の子どもなどにも家族カードを発行してもらえます。
家族カードの利用限度額
家族カードは、本会員の利用限度額の範囲内で利用可能となっています。カードを持っている家族で利用枠を共有している状態なので、夫が限度額いっぱいまで使ってしまうと妻が使う分がなくなることもあります。
クレジットカードの作り方
クレジットカードを作るときには、以下のような流れになります。
本会員カードを作る方法
自分名義のクレジットカードをインターネットから申し込む場合の手順について説明します。
1. 申し込みサイトにアクセス
申し込み専用のホームページにアクセスし、申し込みフォームに必要事項を記入して送信します。
2. 必要書類をアップロード
申し込み時には本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)を提出する必要があります。写真撮影した画像を指示に従ってアップロードします。
3. 審査
申し込みが完了すると、審査が行われます。審査にかかる時間は標準で1~2週間程度です。
4. カード発行・受け取り
審査に通過すればカードが発行され、郵送(書留など)で届きます。
家族カードを作る方法
本会員が新規でカードを申し込むときに、家族カードもあわせて申し込むことが可能です。既に本会員がカードを持っている場合、追加で家族カードを発行してもらう場合の手順は次のようになります。
1. カード会社の会員ページにアクセス
家族カードは家族ではなく本会員が申し込む必要があります。インターネットの会員専用ページにアクセスし、家族の氏名や生年月日、続柄等を入力して送信します。
2. 審査
家族カードの場合でも、申し込み後に審査が行われます。ただし、家族カードで審査の対象となるのは基本的に本会員であるため、家族の収入等は関係ありません。
3. カード発行・受け取り
審査の結果問題がなければ、カードが発行され、郵送で届きます。
専業主婦向け、クレジットカードの選び方のポイント
クレジットカードは多数あるので、どのカードを選んだらよいのか迷ってしまうことがあります。以下、専業主婦がクレジットカードを選ぶ場合に重視すべきポイントについて説明します。
利用目的から選ぶ
クレジットカードをどんな場面で使いたいかを考えると、選ぶべきカードを絞れます。
日常の買い物がメインなら
食料品や日用品の買い物の際にクレジットカードを使いたいなら、よく行くスーパーの系列のカードが便利です。毎月特定の日に割引になったり、ポイントが通常より多く貯まったりする特典があります。
ポイントを貯めたいなら
支払いをクレジットカードにまとめてポイントを多く貯めたい場合には、ポイント還元率の高いカードがおすすめです。ポイント還元率は標準で0.5%なので、1%以上のカードならかなりお得と言えます。
電子マネーをよく使うなら
電車やバス、コンビニなどで電子マネーを使う機会が多い人は、電子マネーにチャージ可能なクレジットカードを選ぶとよいでしょう。
特典から選ぶ
クレジットカードには会員向けの特典があります。特典を見てカードを選ぶのも一つの方法です。
旅行保険付帯のカード
旅行好きなら、海外旅行傷害保険や国内旅行傷害保険が付帯しているカードがおすすめです。海外旅行によく行く場合には、ショッピング保険も付いているカードを選べば、カードで購入した商品の盗難や故障もカバーされます。
買い物時に優待特典のあるカード
特定の店舗やネットショップでカード払いをすると、割引等の特典があるカードもあります。専業主婦にとって、買い物特典や割引特典はぜひチェックしたいところでしょう。
ETCカードが無料のカード
高速道路・有料道路を使う機会が多い人は、ETCカードを無料で発行してもらえるものを選ぶとよいでしょう。
年会費で選ぶ
クレジットカードには、年会費が発生するものと年会費無料のものがあります。細かくは、次の3つに分かれます。
年会費有料 | 毎年年会費が発生するもの |
年会費条件付き無料 | 前年度一定額以上の利用があれば翌年の年会費が無料になるもの |
年会費永年無料 | 利用実績にかかわらず年会費が一切発生しないもの |
年会費が発生するカードは、年会費を払っても元を取れるくらいの特典があるかをチェックしておくとよいでしょう。
専業主婦がクレジットカードを作るメリット・デメリットって何?
クレジットカードというのは、ないと生活できないものではありませんが、今の時代にはあると確実に便利なものです。専業主婦がクレジットカードを持つことのメリットとデメリットについて考えてみます。
専業主婦がクレジットカードを作るメリット
クレジットカードを使うと得することが多く、家計管理の上でもメリットがあります。
買い物特典が受けられる
専業主婦は自分のものだけでなく、家族の買い物もする機会が多いでしょう。買い物特典や割引特典があるクレジットカードを使うことで、安く買い物ができます。
ポイントで節約できる
クレジットカードで貯まったポイントは値引き等に利用できるので、ポイント分が節約になります。ポイントを貯めて自分の好きなものと交換するという楽しみ方もできるでしょう。
生活費の管理が楽になる
クレジットカードでは利用した履歴が残ります。支払いをできるだけクレジットカードにまとめれば、細かく家計簿をつける必要がなくなり、生活費を管理する負担が減ります。
専業主婦がクレジットカードを作るデメリット
専業主婦がクレジットカードを作る場合には、次のような点がデメリットになります。
どんなカードでも持てるわけではない
専業主婦の場合には、選べるクレジットカードが限られています。配偶者がいても、専業主婦には発行してもらえないカードもあります。
使い過ぎてしまうことがある
専業主婦に限ったことではありませんが、現金払いに慣れている人がクレジットカードを持つと、つい使い過ぎてしまうことがあります。お金の管理ができない人は、カードを持つことがむしろマイナスとなってしまいます。
キャッシング枠を付けられない
クレジットカードには、ショッピング枠とは別にキャッシング枠があります。キャッシング枠は借金ですから、貸金業法の総量規制の対象となり、年収の3分の1までしか借りられません。専業主婦の場合には年収がないので原則的にキャッシング枠は付けられないことになります。
なお、配偶者と合算した年収の3分の1まで借りられる配偶者貸付の制度もありますが、配偶者の同意書等が必要になるため、クレジットカードでは対応していないのが通常です。
クレジットカードを作る際に気をつけたい3つの注意点
クレジットカードは代金を一時的に立て替えてもらうためのものなので、カードを使うと、実質的にカード会社に借金することになります。もし代金を払えなければ信用情報に傷がつきますので、よく考えずに申し込むのは避けた方が無難です。
以下、申し込みの際に気を付けておきたい3つの注意点について説明します。
同時に複数のカード申し込みはしない
クレジットカードを同時に複数申し込むと、審査に通りにくくなります。クレジットカードの申し込みをした事実は信用情報機関に登録されます。短期間の間に何社にも申し込みをしていると、お金に困っているとみなされてしまいます。
信用情報機関とは?
個人のクレジットやローン契約に関する情報(信用情報)を貸金業者・金融機関全体で共有するための組織です。信用情報機関には、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、株式会社日本信用情報機構(JICC)、全国銀行個人信用情報センターの3つがあります。貸金業者・金融機関はいずれかの組織に加盟しており、3つの組織相互間でも情報交換が行われています。
過去に延滞している場合には信用情報を確認
過去にクレジットやローンで延滞したことがある人、債務整理した経験がある人などは、信用情報機関に情報が残っていて審査に通らないことがあります。事故情報が登録されている期間は5年程度(自己破産・個人再生は最長10年)です。
信用情報は開示請求できる
信用情報機関に登録されている自分の信用情報については開示請求ができます。心配な場合には、事前に信用情報を確認した上でクレジットカードを申し込みましょう。
リボ払いを標準の設定にしない
クレジットカードの支払方法には、1回払い、分割払い、ボーナス一括払い、リボ払いといった種類があります。初期設定がリボ払いになっているカードは、申し込み時に変更可能なら変更しておきましょう。
リボ払いとは?
毎月の支払額が一定になる支払方法で、毎月所定の利率の手数料を支払う必要があります。毎月の支払額が変わらないのは魅力的ですが、リボ払いの手数料率は高利率なので、トータルの支払額が膨大になってしまうことがあります。
専業主婦におすすめのクレジットカードとは?
クレジットカードのメリットを知って、ぜひ申し込みたいと考えている人も多いのではないでしょうか?以下、専業主婦におすすめのクレジットカードについて説明します。
専業主婦向けのクレジットカードの条件
専業主婦がクレジットカードを作る場合、次のようなものがよいでしょう。
年会費が発生しない
クレジットカードに余計なコストをかけないよう、年会費は無料のものがおすすめです。確実に一定額以上利用するのであれば、年会費条件付き無料のカードでもよいでしょう。
ポイントや買い物割引でお得になる
ポイント還元率の高いカードや買い物時に割引特典の付いているカードなら、家計の節約につながります。現金よりもカードで払った方がお得になるカードを選びましょう。
福岡にお住まいならALLINONEカードがおすすめ
福岡にお住まいの専業主婦には、西日本シティ銀行のキャッシュカードと一体型の「ALLINONEカード」がおすすめです。初年度年会費無料、携帯料金・電話料金のカード決済もしくは年間10万円以上のショッピング利用で2年目以降の年会費も無料になります。
特徴
女性に嬉しいかわいいデザインで、さまざまなカラーの中からお好きなカードを選択できます。SUGOCA、nimocaと一体型のカードも選べるので、電車やバス乗車の際にも便利に使えます。VISAタッチ決済にも対応しています。
メリット
ALLINONEカードには最高2,000万円の海外旅行傷害保険と年間100万円のお買い物安心保険が付いているので、海外旅行にも便利です。
SUGOCA付きのカードではアミュプラザ博多、アミュエスト、博多デイトスでのお買い物が5%OFFに、nimoca付きのカードではソリアプラザでのお買い物が5%OFFになるのも見逃せない特典です。
まとめ
専業主婦でもクレジットカードを作れます。自分名義のカードが作れない場合、夫のカードの家族カードという選択肢もあります。クレジットカードを使えばポイントが貯まるだけでなく、お金の管理も楽になります。クレジットカードを使いこなし、お得に買い物やレジャーを楽しみましょう。
- クレジットカード
森本由紀
AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、行政書士、夫婦カウンセラー
大学卒業後、複数の法律事務所に勤務。30代で結婚、出産した後、5年間の専業主婦経験を経て仕事復帰。現在はAFP、行政書士、夫婦カウンセラーとして活動中。夫婦問題に悩む幅広い世代の男女にカウンセリングを行っており、離婚を考える人には手続きのサポート、生活設計や子育てについてのアドバイス、自分らしい生き方を見つけるコーチングを行っている。