毎月の生活費やこづかいの中から、こっそり「へそくり」をしている主婦の人も多いのではないでしょうか?ここでは世間一般のへそくりの平均額や使い道に関する調査結果をお伝えします。上手にへそくりするコツについても説明しますので、なかなか貯蓄ができない人は参考にしていただければ幸いです。
へそくりとはそもそもどんな意味?
「へそくり」というのは変わった言葉ですが、元々どのような意味があるのでしょうか?まずは言葉の由来を知っておきましょう。
へそくりは内緒の貯蓄のこと
「へそくり」とは、他人に知られないようにこっそり貯めているお金のことです。その昔、女性が綜麻(へそ)と呼ばれる糸巻きを繰る内職をして貯めたお金を「綜麻繰り」と言ったのが語源とされています。
へそくりをするのは誰?
以前はへそくりと言えば、夫から生活費をもらっている妻が、節約により使わなかった生活費の一部を夫に内緒で貯めるといったケースが典型的でした。収入がない妻は、へそくりをしないと自分が自由に使えるお金がないことも多かったからです。
今は男性も女性もへそくりをする時代
現代では共働き夫婦が増加し、お金の管理の仕方も多様化しています。こづかいをもらっている夫がその一部をへそくりすることもあるでしょう。お互いの収入から生活費を出し合い、手元に残った分を各自が貯蓄している夫婦もいるはずです。夫婦ともに相手に内緒のへそくりがあることも珍しくないでしょう。
へそくりをしている人の割合は?
へそくりは内緒の貯蓄ですから、他人のへそくりについてあまり聞くことはないかもしれません。実際、夫や妻に隠して貯蓄している人はどれくらいいるのでしょうか?
パートナーに内緒のへそくりがある人は約半数
ここからは、スパークス・アセット・マネジメント株式会社が全国の20歳以上の既婚者1,000名を対象に行った「夫婦のマネー事情と夫婦円満投資に関する調査2020」を参考に解説します。
上記の調査によると、へそくりをしている人の割合は47.3%という結果になっています。
男女別の割合
へそくりをしている人の割合を男女別にみると、男性は43.2%、女性は51.4%です。女性の方がやや高めですが、男性も4割以上の人にへそくりがあることがわかります。
へそくりの平均額は?
結婚している人の2人に1人はへそくりをしている実態がわかりました。では、気になるへそくりの平均額はどうなっているでしょうか?
全体の平均額
へそくりをしている人のへそくり額の平均は、全体で169万円となっています。
男女別の平均額
男女別にみると、男性は平均137万円、女性は平均197万円です。女性の方が60万円も多いという結果が出ています。
へそくりは何に使う?
次に、へそくりをしている理由についてみてみましょう。以下は、「夫婦のマネー事情と夫婦円満投資に関する調査2019」(スパークス・アセット・マネジメント調べ)にもとづくデータです。
男性のへそくりの理由は「自分へのご褒美」
男性の「へそくりをしている理由」ランキングは、次のようになっています。
順位 | 回答 | % |
1位 | 自分へのご褒美消費のため | 58.5 |
2位 | 老後の生活費のため | 30.9 |
3位 | 旅行に行きたいため | 24.6 |
4位 | 子どもの費用(教育費など)のため | 17.9 |
5位 | 家計の収入が途絶えたときの備えのため | 15.9 |
男性の約6割が、自分へのご褒美のためにへそくりをしています。現実的な理由でへそくりをしている人もいますが、自分で好きなように使いたいという目的でへそくりに励んでいることがうかがえます。
女性のへそくりの理由は「老後の生活費」
女性がへそくりをしている理由については、次のとおりです。
順位 | 回答 | % |
1位 | 老後の生活費のため | 43.1 |
2位 | 自分へのご褒美消費のため | 40.7 |
3位 | 家計の収入が途絶えたときの備えのため | 33.0 |
4位 | 家族が病気やケガになったときの備えのため | 27.8 |
5位 | 旅行に行きたいため | 22.0 |
女性の場合は、老後の生活費のためにへそくりをしている人が最も多くなっています。自分のご褒美のためにへそくりをしている人の割合は男性よりも少なく、女性の方が現実的な理由でお金を貯めていることがわかります。
へそくりの上手な貯め方とは?
ここまで、現代の夫婦のへそくりの実態をみてきました。最後にへそくりを上手に貯めるコツをお伝えします。
へそくりには先取り貯蓄がおすすめ
「お金が余ったら貯蓄しよう」と考えていても、なかなか貯蓄はできません。へそくりといえども確実に貯めたいなら、「先取り貯蓄」をするのがいちばんです。
専業主婦の人なら、夫からもらった生活費の中から貯蓄する分を先に取り分けて、残りでやりくりしてみましょう。たとえ金額は少なくても、毎月いくらと決めてコツコツと貯めていくことが大事です。
貯まったポイントを電子マネーにチャージする
今は、買い物をするとたいていの店でポイントが貯まります。ポイントの種類によっては、電子マネーにチャージできるものもあります。貯まったポイントを電子マネーにチャージしておくと、管理もしやすい上に家族にもバレにくくなります。
ただし、電子マネーは有効期限が決まっているものもあるので注意しておきましょう。
ポイント払いした分の現金を貯蓄する
貯まったポイントを買い物に使った場合、その分の現金をへそくりするのもおすすめです。この方法なら、毎月の予算がギリギリでも少しずつ貯めていくことができるでしょう。
フリマアプリの売上金などを貯蓄する
主婦でも家にいながらこづかいを稼げると話題なのが、フリマアプリです。自宅の不用品をフリマアプリで売ってお金にすれば、夫からもらう生活費の中からへそくりをしなくても貯蓄が可能になります。
その他にも、インターネットを利用すれば、アンケート・モニターサイトやクラウドソーシングなどでこづかい稼ぎができます。専業主婦の場合は、インターネットで稼いだこづかいをへそくりするのもおすすめです。
現金よりも銀行預金で貯める
へそくりというと、現金をどこかに隠しておくイメージを持っている人もいるでしょう。しかし、現金のまま持っていると知られる可能性があるだけでなく、空き巣など盗難のリスクもあります。
そのため、へそくりも銀行に預けておくのが良いでしょう。最近はWeb通帳やアプリで残高や利用明細を確認できる銀行も多くなっており、西日本シティ銀行でも可能です。通帳がなければ、家族に知られる可能性も低いでしょう。
年間貯蓄額を決めておく
貯蓄を続けるには、目標を決めておくことが大事です。へそくりをする場合にも年間貯蓄額の目標を決めておくとよいでしょう。
たとえば年間10万円をへそくりしたいなら、1か月あたり8,000円程度を貯めなければなりません。8,000円を先取り貯蓄するのが不安なら、5,000円だけを先取り貯蓄し、残りの3,000円はおつりの500円玉貯金で貯めるなどの工夫をしましょう。
貯蓄には目的が大切!「目的貯蓄」で効率的・効果的に貯めよう
何かを続けようと思ったとき、目的がないとなかなか長続きしないものです。思い浮かべてみてください。目的を達成したときにどんなメリットがあると食費が節約しやすいでしょうか?思い浮かんだその目的を常に念頭に置いて生活をすると、食費節約のモチベーションアップにつながるかもしれません。
まとめ
へそくりがあれば、自分の楽しみや将来の安心のために使えます。毎月のへそくり額はわずかでも、自分に合ったやり方を見つけて習慣にしてしまえば、まとまった金額を貯められることがあります。今回紹介した方法を参考に、ぜひへそくりにチャレンジしてみてください。
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森本由紀
AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、行政書士、夫婦カウンセラー
大学卒業後、複数の法律事務所に勤務。30代で結婚、出産した後、5年間の専業主婦経験を経て仕事復帰。現在はAFP、行政書士、夫婦カウンセラーとして活動中。夫婦問題に悩む幅広い世代の男女にカウンセリングを行っており、離婚を考える人には手続きのサポート、生活設計や子育てについてのアドバイス、自分らしい生き方を見つけるコーチングを行っている。