こんにちは。薬膳料理研究家・SATOEです。福岡市平尾にあるキッチンから、皆さんの体調やココロを整える薬膳料理を発信しています。コラムでは、季節の過ごし方、体調別のおススメ食材、ご家族で美味しく食べることのできるカンタン薬膳レシピをお伝えします。今回のテーマは「春の花粉症対策のための薬膳」。薬膳料理で身体とココロを整えて、おいしく楽しい生活を送りませんか?
さて皆さん、今年は花粉症の症状はどうですか?目が赤くなる、肌がかゆい、くしゃみが出る、鼻水が出る、そんな症状を感じている方はいませんか。
私の周りでは「いつもは花粉症じゃないのに、今年はなぜか目がかゆいです!」とか「窓を開けた瞬間から鼻がむずむずします。」という声が上がっています。どうやら今年は花粉が例年よりも多いようですね。
このつらい花粉症、実は薬膳料理で改善が期待できるんです。
薬膳の世界では、花粉症は「風邪(ふうじゃ)」という春特有の邪気がカラダに入ることによって引き起こされると考えられています。なので、この「風邪」を身体から追い出すことで、花粉症の症状を改善するのです。
そして、この「風邪」を追い出すためのおススメ食材がこちらです。
◎紫蘇
◎生姜
◎白ねぎ
◎茗荷
◎三つ葉
◎パクチー
これらの食材を食べると、身体が熱くなって少し汗ばむと思います。「少し汗をかくことで春の「風邪」をカラダの表面から追い出す」これが薬膳による花粉症の改善方法です。
これらの食材、そのまま単独で食べてももちろんOKなのですが、せっかくなので美味しくてカンタンな薬膳レシピを作ってみましょう。
今回も、おススメの薬膳レシピを3つご紹介しますね。
【料理名①】生姜粥
【材料(4人分)】
生姜・・・・・・・・・60g
白米・・・・・・・・・1合
紫蘇・・・・・・・・・4枚
水・・・・・・・・・・1800cc
【作り方】
1 生姜は皮をむき、みじん切りにする。紫蘇は、千切りにする。
2 白米を水で洗う。
3 土鍋に、白米、水を加え、強火→沸騰したら弱火で25分炊く。
※ 吹きこぼれ防止のため、ふたと土鍋の間に菜箸をはさむのがポイント
4 生姜を加え、さらに5分炊く。
5 火を止め30分そのまま蒸らす。器に盛り、紫蘇を飾る。
【レシピの効果】
ピリッと辛い生姜粥を食べると、汗が出て、その後でちょっと眠くなります。汗ばむことで春の「風邪」がカラダから排出され、花粉症を改善します。また、少し眠ることで体力の回復にもつながり、免疫力をUPします。作り方はカンタンですが、効果的な春の薬膳レシピです。
【料理名②】シンガポールチキンライス
【材料(2人分)】
鶏肉・・・・・・・・・1枚(300g)
白米・・・・・・・・・1合
水・・・・・・・・・・適量(炊飯器の1合分)
A(漬け調味料)
長ねぎ・・・・・・・・・50g
生姜・・・・・・・・・・10g
日本酒・・・・・・・・・大さじ2
B(付け合わせ調味料)
豆板醤・・・・・・・・・小さじ1/4
しょうゆ・・・・・・・・小さじ1/4
オイスターソース・・・・小さじ1/2
ごま油・・・・・・・・・大さじ1
C(付け合わせ野菜)
香菜(パクチー)・・・・・10g
三つ葉・・・・・・・・・10g
トマト・・・・・・・・・20g
【作り方】
1 鶏肉は筋や余分な脂身を取り除く。長ねぎ、生姜はみじん切りにする。
2 白米はよく洗い、炊飯器に入れ、適量の水を加える。そこに、1の鶏肉を皮目を上にして置き、A(漬け調味料)を加える。通常通り、炊飯器で炊く。
3 トマトは一口大に切る。香菜(パクチー)と三つ葉はよく洗い、3センチ長さのざく切りにし、混ぜ合わせる。
4 ボウルにB(付け合わせ調味料)の全材料を入れ、よく混ぜ合わせる。
5 3が炊き上がったら、鶏肉を取り出し、6等分に切る。残ったチキンライスは、よく混ぜ合わせる。
6 器に、チキンライスを丸く敷き、その上に切ったチキンを並べる。C(付け合わせ野菜)を彩りよく添える。4のソースを小皿に盛り、添える。
【レシピの効果】
長ねぎ、生姜、三つ葉、香菜(パクチー)と、花粉症改善におススメの食材がたっぷり入った薬膳レシピです。鶏肉のエキスの染み出たライス、柔らかいチキン、そこに香りの強い三つ葉や香菜(パクチー)を一緒にすると、エキゾチックな味を楽しめます。香菜(パクチー)が苦手な方は、三つ葉だけにしても大丈夫です。なかなか海外旅行に行けない中、ご自宅でシンガポールに行ったような気分になってみませんか?
【料理名③】茗荷と桜エビの薬膳スープ
【材料(2人分)】
かつお出汁 ・・・・・・600cc
桜海老・・・・・・・・・3g
茗荷(みょうが)・・・・・・・・・・40g
白木耳(乾燥)・・・・・1.5g
クコの実・・・・・・・・16粒
卵・・・・・・・・・・・1個
塩・・・・・・・・・・・1つまみ
しょうゆ・・・・・・・小さじ1/2
【作り方】
※ 事前に、白木耳(乾燥)は水につけて柔らかくしておく(約20分)。
1 白木耳は固い部分を包丁で切り落とし、一口大に切る。茗荷は千切りにする。※少量の茗荷は飾り用に分けておく。
2 かつお出汁に、桜エビ、茗荷、白木耳、クコの実、塩、しょうゆを加え、弱火で約10分煮る。
3 最後に割りほぐした卵を加え、溶き卵汁にする。
4 器に盛り、取り分けた茗荷の千切りを飾る。
【レシピの効果】
「茗荷を一度にたくさん食べるのは難しい!」そんな声から生まれたスープです。花粉症の改善に効く茗荷ですが、味が強いので、生で一度にたくさんは食べられないですよね。そこでスープに加え、卵と合わせることで優しい味に仕上げました。実はこのスープ、昨年新発売の「薬膳ハウス金木犀のスープ」シリーズの開発中に試作したものです。結局、このスープは商品になりませんでしたが、春にとってもおススメな薬膳スープです。
【まとめ】
花粉症が食事で改善できるなんて、不思議ですよね。でも、私自身、薬膳で花粉症が治った経験者の一人です。そして、薬膳ハウス金木犀に通われている生徒さんも、薬膳を食べ続けることで年ごとに花粉症の症状が軽くなってきています。
「薬膳料理で楽しく美味しく体質改善」。ご自宅でも作れるカンタン薬膳料理、今年から食事で花粉症対策しませんか。
【HP】薬膳ハウス金木犀 https://kinmokusei-y.com/
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SATOE
薬膳料理研究家。国際薬膳師。「薬膳ハウス金木犀」主宰。株式会社金木犀代表。株式会社LeQUALIA共同代表。
約12年にわたり公務員として勤務。自身の体調不良をきっかけに薬膳と出会い、薬膳料理家に転身。福岡市内の料理教室「薬膳ハウス金木犀」を主宰。メディア出演や情報誌などでもコラムを掲載。「楽しく美味しく体質改善」をテーマに、ハーブやスーパーフードも取り入れた新たな薬膳料理を提案。