共働きが増えるにつれ、夫婦別会計の家庭も増加傾向にありますが、まだまだ夫がお小遣い制の家庭も多くいらっしゃいます。妻の立場からすると、お小遣いの金額について悩むことも多いのではないでしょうか?今回は、夫のお小遣い相場について、さまざまな角度からお伝えいたします。
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サラリーマン夫のお小遣い相場は平均36,747円
まずは率直に、サラリーマンのお小遣い平均相場をお伝えします。新生銀行の2019年「サラリーマンのお小遣い調査詳細レポート」によると…
最新の数字は「3万6747円」
という結果です。あなたの現在のお小遣いと比べていかがでしょうか?
ちなみに2019年は、2018年と比べて3089円も下がっており、約40年ぶりの低水準、過去2番目に低い金額となっています。消費税が10%に引き上げられた影響が大きいのではないかという見立てです。
そもそも最近では年収も上がりにくい時代です。このため、お小遣い事情についても全体相場としては厳しい状況が続きやすいといえます。まずは、このような相場を知っておきましょう。
「結婚しているか否か」が一つの分かれ目
同調査によると、未婚男性のお小遣い相場は「43,608円」という結果です。その他、既婚者のお小遣い相場の結果は以下のようになっています。
子どもなしの共働き :37,597円
子どもなしの専業主婦:25,022円
子どもありの共働き :30,813円
子どもありの専業主婦:32,469円
未婚者のほうが圧倒的にお小遣いの額も多いため、男性からすると「結婚しているか否か」が一つの分かれ目になると言えそうです。
お小遣いの使い道の内訳は「昼食代」がトップ
次は、お小遣いの使い道の内訳についてお伝えします。同調査によると、以下がその結果です。
1位:43.1% … 昼食代
2位:25.1% … 携帯電話代
3位:18.8% … 嗜好品代
4位:18.1% … 趣味の費用
5位:17.2% … 車関係・ガソリン代
6位:16.9% … 飲み代
7位: 8.3% … 遊興費
8位: 8.1% … 身だしなみ費用
9位: 7.7% … 喫茶代
10位:7.5% … パソコン関係・通信料
平均的に見れば、お小遣いの4割以上を毎日の昼食代で使ってしまっている結果になっています。だからこそ、お小遣いのやりくりを意識した場合、具体的なやりくり術の1位は「昼食代を安くするように努力している」という回答結果です。
ちなみに、女性のやりくり術1位は「弁当を持参するようにしている」ですが、男性の同じ回答は4位になっています。まだまだ弁当男子は一般的とは言えないのかもしれません。
共働きでもお小遣いが減少基調
共働き世帯が増えたと言われますが、それにも関わらずお小遣いは減少基調です。お小遣いがダウンした理由トップ3は以下の通りです。
1位:給料が減ったから
2位:生活費にかかるお金が増えたから
3位:子どもの教育費が増えたから
給料が減る中で生活費や教育費は増えるのなら、お小遣いのダウンも仕方ないのかもしれません。
「お小遣いはいくらか」は年代でも違う?
ここからは、より多角的にお小遣い事情をお伝えします。まず、「お小遣いはいくらか」というのは年代や性別によっても多少の差があり、同調査によると以下が結果です
20代男性:37,548円、20代女性:41,122円
30代男性:37,436円、30代女性:33,600円
40代男性:33,938円、40代女性:29,585円
50代男性:38,051円、50代女性:28,893円
男性全体:36,747円、女性全体:33,269円
男性は年代を問わず、平均的に3万円台が基本相場といえます。逆に女性は、年代が上がるほどに金額が下がるというのは、何とも特徴的な結果です。
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30代より40代の方が少ないのが特徴的
男性のお小遣い事情は特に年齢を問わず平均的ですが、唯一40代男性だけは他の年齢層に比べて4,000円程度も下がっています。先ほどのお小遣いが下がった理由で「教育費」が上がっていましたが、40代といえば一般的に子どもの学費が本格化してくる頃です。
30代の頃より夫のお小遣いが下がってしまうのは、やむを得ないのかもしれません。
副業は若い人ほど実践中!高齢者は本格的
今度は、お小遣いのやりくりについてお伝えします。まず、お小遣いが足りないと感じた時の対処法は、男女ともに「使わずに我慢する」という結果が1位です。一方、男女ともに5位に「副収入を得る」という回答が入っています。
また同調査によると、具体的な副業を実践している方の割合と平均収入額は以下という結果です。
20代男性:30.4% … 14,896円
30代男性:24.6% … 19,278円
40代男性:16.9% … 41,510円
50代男性:17.3% … 57,208円
副業は、若い方ほど実践中である一方、高齢者ほど不動産投資や株式投資などを実践しているため、収入額は多くなる傾向にあります。お小遣いが少ないと嘆く方は、何か新しいことを実践すべきなのかもしれません。
各家庭で年収も家計管理方法も違うが……
各家庭で年収も家計管理方法も違いますが、同調査によると、全体の約6割の夫が給料の全額を家庭に入れています。逆に給料の全額を家庭に入れる妻は全体の約4割で、総じて妻が専業主婦であるほどに、夫のお小遣い制の割合は高くなっている結果です。
まだまだ「夫が外で稼ぎ、妻が家を守る」という風習が根強く残っているのかもしれません。これから夫婦の家計管理方法を話し合うという方は、参考にしましょう
夫のお小遣いは増やすべき?減らすべき?
最後に、多くの人が悩みがちな「お小遣いは増やすべきか減らすべきか」についてお伝えします。一概には言えませんが、一つの結論としては「基本的に増やすべき」です。少なくとも、年収が多少なりとも上がったのであれば増やす行動がおすすめです。
理屈としては簡単です。自分で自由に使えるお金が増えないのであれば、仕事や副業などへの意欲も落ちるためです。どんなにがんばっても収入が増えないのなら、人はがんばらない方向性で考えます。そうなれば、さらに年収が下がってしまうかもしれません。
その一方で、今後の教育費や老後資金への備えも重要です。バランス感覚が難しいところですが、がんばった夫には報いる方向性で考えましょう。
できれば、ボーナス時は少し増額を・・・
妻は家計に悩むことも多いのですが、お小遣いが上がらなければ夫は不満が募ってしまいます。
一方、何かのタイミングで少し増額するだけで気分が良くなるものです。お小遣いの額で夫をコントロールするのも家族円満のポイントかもしれませんね。
家計が不安であれば、銀行やFPに相談するという手段もあります。お小遣いを切り口に、良好な家計を目指してみましょう。
- 夫婦
山本 昌義
CFP®、一級FP技能士
山本FPオフィス代表。商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て2008年8月、山本FPオフィスを設立し、同代表就任。 現在は日本初の「婚活FP」として、婚活パーティを開催しながら婚活中や結婚直後の若者の相談に対応。また、独立10年を機に「農業FP」としても活動を開始。後輩育成にも力を入れている。