相談者:Eさん(福岡県在住)
夫29歳(会社員)、妻33歳(会社員)、長男6歳、次男3歳
Q. つみたてNISAの非課税期間終了後の運用は?
現在、毎月の収支はプラスになっているので、つみたてNISAについて知りたいです。
つみたてNISAは老後資金の調達のため2021年から始めました。今は月2万円ずつ米株の積立をしていて、7万円ほど利益が出ています。利率がいい時におろして使ったり投資に回したいと思っていますが、手を付けずに老後資金にした方がよいでしょうか。ただ貯めていくだけでいいのか、非課税の期間が終わった時、どうしたらいいのか知っておきたいと思い相談しました。また、黒字からつみたてNISAの額を増やしても大丈夫でしょうか。
毎月のやりくりは、固定費10万円で家賃、駐車場代、水道光熱費を賄い、残り(ガソリン代、食費、日用品、携帯など)はカード払いとざっくりとしか分けていません。黒字分は普通預金に入れていますが、残額は把握できておらず、ここから特別費(お祝いや急な出費、食費の不足分)を出していて、あまり貯まりません。 子どもの大学入学までに2人合計800万円の貯金を計画。学資保険代わりの生命保険の満期と児童手当で、1人あたり360万円くらいは貯まる見込みです。
A. 非課税期間過ぎてもまだ50代。換金せずコツコツと
積立増額はバランスを見て判断、定期預金と新NISA研究も始めて
つみたてNISAは、長期運用が推奨されています。運用益が非課税になる期間が20年と長く、複利効果が期待されるからです。老後資金目的で始めたのは、理にかなっていますね。
ところが、運用を始めて2年しか経っていないのに、「利率がいい時におろして使ったり投資に回したい」と考え始めたようです。使ってしまっては、老後資金になりませんし、売却分の非課税枠を失うのはもったいないので、少し利益が出たからといって換金するのはおすすめできません。
非課税期間終了後のことと対策を知りたいようですが、2021年に投資した分は2040年まで非課税運用できますし、今年の分は2042年まで可。現行制度の非課税期間終了時に、ご夫婦はまだ50歳前後です。今はコツコツ投資していく段階といえましょう。
年間投資枠は1人40万円なので、夫名義分の余裕枠があるほか、妻名義で新規口座開設もできます。「大丈夫か」とおたずねの積立の増額については、他の資金使途や資産全体のバランスから判断すべきです。
教育資金は計画的に準備中で、マイホーム計画なし(実家を相続予定)とのことなので、増額もいいでしょう。ただし、家計の基礎財産が普通預金36万円しかないので、定期預金の自動積立の利用も検討すべき。教育資金も普通預金から定期預金への預け替えを―。
なお来年から新NISA制度がスタートします。つみたてNISAの年間投資枠が1人120万円になり、非課税期間は無期限に。そちらの研究も始めてください。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2023年7月29日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。