相談者:Mさん(福岡県在住)
夫44歳(会社員)、妻39歳(会社員)、長男17歳(高校生)、長女15歳(中学生)
Q. 学費を安心して貯めるため、今、すべきことは?
来年、長男が県外の私大に進学を希望しています。そこで今後、教育費のピークを迎えるにあたって家計を見直したところ、今までいかに適当に家計管理してたかよく分かり、反省しているところです。
貯蓄残高のうち、普通預金①は長男の、②は長女の大学進学費用として貯めていますが、今まで好きなものを好きなように購入してきたので、あまり貯蓄もない状態です。
夫の小遣いからは携帯料金、昼食代、通勤のバイクのガソリン、衣服代を支払ってもらっているので、これ以上減らすとは言いづらいかも…。また、食費は減らしたいと思っていますが、春から長女が高校に進学すると給食ではなく、お弁当になるので、また上がりそうです。
光熱費、食費など、さまざまなものが値上がりする中で、安心して大学進学費用を用意するには、何から始めたらよいでしょうか? また、どういったことに気をつけて生活設計をしたらよいですか?
普段の買い物で気をつけることなどがあれば、教えていただきたいです。どうぞよろしくお願いいたします。
A. まずは膨大な使途不明金を把握して家計簿に記載を
教育以外に流用しないよう、普通預金から200万円+αを定期預金へ
収入も多いけれど、出ていくお金も多い家計です。教育費のピークを迎えるにあたり、物価高に負けずに上手にやりくりすることを決心したのですね。「思い立ったが吉日」―すぐに着手すれば、安心安全な家計に変身できるはずです。
大学進学費は学資保険と普通預金で、1人当たり450万円以上を準備済み。留学や大学院進学がなければ、学費は賄えそうです。
長男は志望校に進学すれば、祖父母宅に下宿して生活費は月3万円の予定とか。そのほかに交通費や小遣いなどがどのくらいかかるか調べましょう。学費以外の費用を現在の教育費や食費、小遣いの範囲におさめたいところです。
改善すべきは、普通預金で準備している点。他に流動性預金がないので、教育以外に流用する危険があります。長男、長女用に100万円ずつ定期預金に預け替え、ボーナスごとに10万円ずつなど、定期預金を増額してはいかがですか?
そもそもM家の最大の問題は、膨大な使途不明金があることです。家計簿を見る限り、年間収支は168万円の黒字です。ところが最近は普通預金の残高がほとんど増えていないとか…。
月々の赤字補てんや家の修理、車の買い替え、旅行や帰省費に消えたようですが、それが家計簿に記載されていないのは大問題。赤字月が多く、特別支出の「その他」が20万円でなく160万円以上である実態や、住宅ローンの繰り上げ返済や老後資金など生活設計上の課題に気づけば、日々の買い物のしかたも変わるでしょう。頑張って!
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング熊本・かごしま」2023年4月1日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。