相談者:Tさん(熊本県在住)
本人32歳(会社員)
Q. 専業主婦が資産を殖やすには、どの方法がいい?
結婚のため、今年度いっぱいで、6年半務めた会社を退職。今後は専業主婦になります。
今まで実家暮らしだったため支出はほとんどなく、将来に備えてコツコツと貯蓄をしてきました。これからは家庭に専念したいと思っているのですが、このままの預金で足りるか不安。資産運用で、少しでも貯蓄を殖やそうとは思いますが、国債を買い足して地道に殖やすか、株式投資で配当と譲渡所得でお小遣いを稼ぐか、悩んでいます。
子どもを3人くらい望んでいるので、さまざまなライフイベントに備えられればと思っています。できれば少しはゆとりのある生活が送りたいのですが…。
なお、社会保険は夫の扶養に入る予定ですが、社会保険の制度が変わりつつあるので、このままでいいのか不安もあります。また、年金は学生納付特例の分をまだ支払っていないのですが、支払うべきでしょうか。 生命保険については、職場で加入していたため、退職したら解約することになります。改めて自分で加入しなおした方がいいのでしょうか? 個人年金保険などの商品も気になっています。
A. 資産の6割以上が有価証券の今、預金を減らすのは×
お金の使い方、貯め方は夫婦で話し合い、保険も夫婦セットで見直しを
結婚退職なさるのですね。実家暮らしのメリットを生かして貯蓄に励んだのは、専業主婦になる夢の実現のためだったようです。とはいえ、3人の子どもを育て上げるとなると、今の貯蓄では足りなくなるかもしれないので、運用を見直す意向とか。子どもができるまでは扶養の範囲でパートで働く予定、とも伺いました。
運用については、金利上昇中の国債の買い増しか、株式で配当と値上がり益の一挙両得で小遣いの確保を狙うか、の二者択一で悩んでおられます。すでに資産の6割以上が有価証券で、投資は金融機関のアドバイスに頼っている状況だそうですから、現時点で預金を減らす判断は避けましょう。
子育て以外にどんなライフイベントを想定しているのか不明ですが、マイホームやマイカーなど高額支出を伴う計画もあるはず。2人で家庭を築くわけなので、資産運用もあなたの分だけ検討すればいい、ということにはなりません。収入や貯蓄について、婚約者としっかり情報交換して、お金の使い方や貯め方を検討することをおすすめします。
生命保険も夫婦セットで考える必要があります。家庭生活を送る上でどんなリスクがあるのかを考えて、夫の保険も含めて見直しを。
国民年金や個人年金など老後への備えについては、お気づきのように今後もさまざまな制度変更が行われていきます。「気になる」から「調べる」へ行動変容を心がけることが大切です。経済的な不安解消には、「家庭に専念」へのこだわりを捨て、社会で活躍する選択肢があることもお忘れなく。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2023年2月18日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。