相談者:Yさん(熊本県在住)
夫31歳(会社員)、妻29歳(会社員/専門職・育休中)、長女2歳、長男0歳
Q. パート勤務になっても将来、年金で暮らせる?
いつも、楽しく読ませていただいています。
夫の会社の福利厚生がよく、45歳までは、家賃補助として7割を負担してくれます。持ち家に興味がなく、このまま賃貸で生活する予定です。子供が巣立ってからは小さい部屋を借りて、住む予定にしています。
今は、私が育休中ですが、子どもとの生活を考えて、正社員からパート勤務にするか迷い中です。将来、年金もいくらもらえるか分からず、パート勤務になり収入が減り、貯金ができなくなるのが不安です。
現在保険の見直しなどもしており、保険料が高くなりそうです(少しですが…)。また、車を2台買い替えたばかりで、ローンが高いです。
投資信託の内訳は海外株式、海外債券です。来月に夫も月3万円ほど開始する予定。夫の終身保険も海外株式にしていて、現在の貯蓄分は、投資信託に充てようと考えております。
子どもが巣立ってからは夫とひっそりと生活したいのですが、それでも年金だけでは厳しいと思い…いくら貯めればよいかは難しいかと思いますが、今の貯蓄ペースで将来困らないでしょうか?
A. 退職の前に会社と話し合いを。続けることも視野に
年1回、貯蓄ペースをチェックして。資産運用はリスクのとりすぎ
育休中なのですね。お便りによれば、長女のときは出産後に退職し、今の職場に転職したとのこと。この先、パート勤務にする場合も、退職して条件のよいところを選ぶ予定だそうです。転職に有利な資格をお持ちなのでしょう。
とはいえ、育休は本来、復職を前提に取得するもの。育休後退職を規制する法律はありませんが、復職前提の社員の退職は会社には痛手です。職場の仲間にも影響が出るかもしれません。
「仕事と家庭の両立困難」が退職理由であれば、辞表を出す前に会社側と話し合ってみるべきです。時間外労働の制限やフレックスタイム制(出退勤時間や働く長さを選べる)が利用できるケースもありますから…。
いずれにしても収入は以前よりダウンするでしょう。でも、1500万円を超える貯蓄をお持ちで、夫の勤務先の福利厚生も充実しています。Yさんのことですから、生活設計に支障が出そうな場合は時機をみてフルタイムに復帰するなど、アクションを起こすはず。そのためにも年に1回、貯蓄ペースをチェックすることをおすすめします。
老後に向けて、個人年金やiDeCoを利用しているのは○。医療系の保険の強化も妥当。問題は、資産運用が海外に偏っている点。妻普通預金は米ドル、夫の終身保険は米ドル建ての変額型、投資信託の運用先も海外ですね。同様の投資信託を積み増したり、円預金の比率を大幅に低下させようとお考えのようですが、リスクのとりすぎです。少なくとも貯蓄の2分の1は安全性の高い運用でいくべきです。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2022年6月4日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。