台風や大雨・地震など、私たちは急な災害にいつ見舞われるかわかりません。日ごろから災害に備えておくのが大事だとわかっていても、何から手を付けてよいかわからない人も少なくないのではないでしょうか。今回は、災害時の備えについて役立つ情報を項目別に紹介します。防災対策マニュアルとして、ぜひ活用してください。
準備しておきたい防災用品リストを確認しよう
地震や台風などの災害がいつ発生してもすぐに避難できるように、「防災用品リスト」を準備しておきましょう。食料や水などの必需品から、これはあったほうがよいというものも紹介します。
防災時を見据えた事前の用意が必要
万が一の被災時には、避難所などへ逃げる場合と自宅で待機する場合に大きく二分されます。それぞれの場合に備えて、「非常持出品」と「非常用備蓄品」に分けてリストアップします。ここから紹介するものを目安にし、自身の家族構成に応じた役立つ物品を準備しておくと安心です。
非常持出品
非常持出品は非常用持出袋に詰めておき、玄関などの避難通路でわかりやすい場所に常に置いておきましょう。自宅から別の場所へ避難する場合にすぐに持ち出せるように、リュックに詰めておくことをお勧めします。リュックタイプであれば背中に背負って避難できるため、両手が空いて安心です。
非常持出袋
乾パンなど最低限の非常用食料
ペットボトル飲料水
懐中電灯・ろうそく
はさみ
軍手
救急箱(絆創膏・消毒液・包帯・ガーゼなど)
ブランケット
レジャーシート
タオル各種(バスタオルはブランケット代わりにもなる)
ティッシュペーパー・トイレットペーパー
乳幼児がいる場合はオムツやミルク
生理用品・大人用オムツ
非常用備蓄品
非常用備蓄品は、被災時に自宅で長時間過ごすために備えておくと安心な物品です。非常持出品と違い自宅に置いておけばよいので、より細かく備えられます。これらの備蓄品も自宅内のわかりやすい場所にまとめて設置し、同居の家族全員で設置場所や中身の把握をしておきましょう。
家族分の水や食料
ポータブル電源
スマートフォンなどの充電器
ヘルメット
乾電池
携帯用ラジオ
スリッパ
簡易トイレ
懐中電灯
年に一度は中のものを確認しよう
非常持出品や非常用備蓄品の中には、ペットボトル飲用水や非常用食料があります。これらの消費期限は比較的長めに作られていますが、いつかは切れてしまいます。ほかにも携帯用ラジオの電池が切れていないか、家族の増減に伴い中身の変更がないかなど、毎年物品の確認をしましょう。飲料水や食料に関しては期限が切れる前にきちんと消費することで、廃棄ロスにもつながります。中身の確認は、毎年同じ時期にするとよいでしょう。梅雨の大雨が始まる前の5月など、家族で話し合って時期を決めると意識付けになり忘れにくくなります。
災害対策できてますか?安全を確保しよう
災害には、大雨や台風、地震など全国どこでも起こりうる性質のものや、大雪や火山噴火など地域が限定された性質のものがあります。いずれもいつ見舞われるかわからないため、日ごろから災害対策が必要です。全国的に備えた方がよい対策に加えて、住んでいる地域の性質により考えられる災害がある場合には、あわせて備えるようにしましょう。
家具の置き方は安全か
地震による災害に備えるために、家具の置き方が安全かどうかを早めに確認し、対策しましょう。なるべく家具の配置は壁に寄せ、固定してください。万が一、就寝時に地震が発生した場合を想定し、子ども部屋や寝室には背の高い家具を置くことは避け、避難経路を確保しておきます。家具が固定できない場合は市販の耐震ジェルマットなどを下に敷いて、万が一の被害をより少なくする工夫をしましょう。
枕元にスリッパを常備しよう
就寝時の災害に備え、枕元やベッドの下などのわかりやすい場所にスリッパを置いておくことをおすすめします。特に地震が発生した場合、床にものが散乱している状況が考えられます。就寝時は当然裸足のままなので、すぐに避難しなければならない際は非常に危険です。子ども部屋や寝室には、スリッパを置いておくこと、さらに懐中電灯も常備しておくとより安心です。
火災保険に加えて医療保険や収入保障保険でも備えよう
災害によって家や家財道具に影響があった際、火災保険の対象となる場合があります。これと同じく、災害によってケガをした場合には医療保険が役に立ちます。また世帯主が亡くなった場合、遺族の生活費としてまとまったお金が一定期間に渡って支払われる収入保障保険もあります。万が一の際にはこのような生命保険商品でも備えられるため、火災保険とともに準備しておくのがおすすめです。西日本シティ銀行ホームページでも、心配事に備えるための情報を公開しています。ぜひ参考にしてください。
事前に避難場所や安否確認方法について確認しておこう
災害はいつ起こるかわからないため、あらかじめの備えが重要です。特に避難経路や避難場所、安否確認の方法については常日頃から家族間で共有し、意識しておきましょう。
避難場所・避難ルートの確認
災害によって、避難するルートや場所が変わります。詳しくは後述しますが、地域のハザードマップを確認のうえ、土砂災害の場合や津波の際など、各災害に応じた避難場所をチェックしておきましょう。非常持出品や非常用常備品の中に、避難場所を明記した地図などを備えておくのもおすすめです。また、避難場所の確認だけでなく、自宅からどのルートで向かうかについても家族で共有しておくと安心です。豪雨災害での避難では川沿いを避けるなど、日ごろからの避難ルートの把握は非常時に必ず役立つ情報になります。
ハザードマップの事前確認
近年増えている豪雨災害の影響で、ハザードマップという言葉を耳にすることが多くなりました。ハザードマップとは土地の危険度を表している地図で、住んでいる地域ごとに公開されています。国土交通省ハザードマップポータルサイトでは、全国のハザードマップを確認できます。ポータルサイトを利用すれば、遠方の親族へ知らせることも可能です。豪雨や津波など、発生した災害によって避難場所は変わるので、一通り確認しておきましょう。
災害用ダイヤルの確認
災害が発生した場合、緊急通報や安否確認が殺到することで固定電話も携帯電話もつながりにくくなります。そのため、災害発生時に利用できる災害用ダイヤルが設けられています。災害発生時に「171」をダイヤルすると、声の録音ができます。再生は、自分の電話番号を知っている人だけが可能です。もし電話がつながらない場合は災害用ダイヤルを利用することを、家族間で共有しておきましょう。
災害用伝言板
災害用ダイヤルと似ているシステムに、災害用伝言板があります。携帯電話のインターネット回線を使い、災害用伝言板に文字情報が入力できます。災害用ダイヤルと同じく、閲覧できるのは自分の携帯電話番号を知っている人だけです。こちらもあわせて利用できるように、情報を共有しておくと安心です。
まとめ
万が一の災害に備えるためには、日ごろからの防災意識と非常用の持ち物、常備品の準備が大切です。非常時の持出品や備蓄品は、準備しておくだけでは意味がありません。年に一度は期限の切れたものがないか、中身の過不足はないかなどを確認するようにしましょう。また、住んでいる地域のハザードマップは必ず確認してください。万が一の備えとして、火災保険と同様に生命保険でも備えられます。保険の心配事は、西日本シティ銀行へ気軽に相談してください。
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大野翠
芙蓉宅建FPオフィス代表、FP技能士センター正会員
金融業界歴10年目、お金と不動産の専門家。生命保険、損害保険、各種金融商品の販売を一切行わない「完全独立系FP」として、プロの立場から公平かつ根拠のしっかりしたコンサルティングを開催している。