「ローンで車を購入したが、金利が高くて毎月の返済が苦しい」と感じている人もいるのではないでしょうか。毎月のローン返済が負担になっている場合は、新たなマイカーローンに借り換えることで返済負担を軽減できる可能性があります。そこで今回は、自動車ローンの借り換えの仕組みやメリット・デメリットを紹介します。
金利が安い自動車ローンの選び方と比較のポイント│適用利率や保証料、各種手数料をチェックしよう
自動車ローンの借り換えの仕組み
自動車ローンの借り換えとは?
自動車ローン(オートローン)の借り換えとは「新たなマイカーローンを契約し、その融資金で現在借りているローンを一括返済すること」です。金利などの諸条件によっては、借り換えることで毎月の返済額や総返済額を減らせる可能性があります。
多くのマイカーローンでは、資金の使い道が車の購入資金に限定されています。しかし、銀行が取り扱っているマイカーローンであれば、借り換えにも対応しています。
マイカーローンの借り換えのやり方とは?
マイカーローンの借り換えは、どのような仕組みになっているのでしょうか。ここでは、借り換えの手順や必要書類、借り換え先を選ぶポイントを説明します。
マイカーローン借り換えの手順
マイカーローンを借り換える際の一般的な手順は以下の通りです。
金融機関に借り換えの相談をして仮審査を受ける
仮審査に通過したら、必要書類を準備して本審査を受ける
現在マイカーローンを借りている金融機関に残債を一括返済することを伝える
本審査に通過したら契約手続きを行い、融資金で一括返済を行う
金融機関に借り換えの相談をすると、通常は諸費用を含めて借り換えるメリットがあるかを確認してくれます。提案内容に問題がなければ、仮審査を受けてみましょう。審査に通過できたら本契約に進み、融資金で残債を一括返済する流れになります。
マイカーローン借り換え時の必要書類
マイカーローンの借り換えでは、主に以下の書類が必要です。
●本人確認書類(運転免許証など)
●所得証明書(源泉徴収票など)
●資金の使い道が確認できるもの(現在借りているマイカーローンの返済予定表など)
借り換えの必要書類は、金融機関によって異なります。必要書類は事前に確認し、申し込むときにすべて提出できるように準備しておきましょう。
借り換え先の銀行を選ぶポイント
借り換え先の銀行を選ぶときに、まず確認したいのは金利です。現在よりも適用利率が下がれば、ローンの返済負担を減らすことが可能です。ただし、金利だけを比較するのではなく、借り換え後に毎月の返済額や総返済額がいくらになるのかを必ず確認しましょう。
また、どのような費用がかかるかも重要なポイントです。借り換えには繰上返済手数料や事務手数料、保証料、印紙代などが必要になります。諸費用を払ってでも、借り換えるメリットがあるかを見極めることが大切です。
マイカーローンを借り換えるメリット
マイカーローンを借り換えるメリットは以下の2つです。
メリット1:金利が下がって総返済額が減る
借り換えによって現在のマイカーローンよりも金利が下がれば、利息部分の金額が減り、毎月の返済額や総返済額を減らすことができます。
マイカーローンではまとまった金額を借りるので、少しの金利差で返済額は大きく変わります。現在借りているローンの金利が高い場合は、借り換えを検討する価値があるでしょう。
メリット2:借入先を1つにまとめられる
複数の金融機関でマイカーローンを借りていると、残債や返済資金の管理に手間がかかります。引き落とし口座が複数ある場合、それぞれの口座残高を把握して返済資金を入金しておかなくてはなりません。借り換えによって借入先を1つにまとめれば、返済資金の管理が楽になるでしょう。
マイカーローンを借り換えるデメリット・注意点
マイカーローンの借り換えには、以下のようなデメリットがあることも理解しておきましょう。
デメリット1:借り換えの際に手数料がかかる
マイカーローンの借り換えは、繰上返済手数料や保証料といった手数料がかかります。まとまった金額の手数料がかかる場合は、借り換えによる利息の軽減効果が得られない可能性があります。
デメリット2:新たな手続きのための手間がかかる
マイカーローンを借り換える場合、ローンの新規契約に加えて、現在借りているローンの一括返済を行います。この際には必要書類を準備する必要があり、審査結果が出るまでに一定の時間がかかります。時間と手間をかけて借り換えをする必要があるか、よく検討することが大切です。
マイカーローンの借り換えが向いている人は?
ここまでの内容を踏まえ、どのような人にマイカーローンの借り換えが向いているのかを解説します。借り換えを検討するタイミングや借り換えをしなくてもよいケースについても説明します。
借り換えを検討したほうが良い人とは?
金利が高いマイカーローンを借りている人
現在借りているマイカーローンの金利が高い場合は、借り換えによって返済額を減らせる可能性があります。特に自動車販売会社で申し込めるディーラーローンや自社ローンは、銀行ローンに比べると金利が高い傾向にあるので、銀行ローンへの借り換えを検討するといいでしょう。
借入先が違うローンを借りている人
借入先が異なるローンを借りているときも、借り換えを検討するタイミングの一つといえます。借り換えによって借入先をまとめることができれば、ローンの返済管理が楽になると考えられるでしょう。
借り換えはいつ検討するのがベスト?
収入が上がったとき
一般的には、収入が上がるとマイカーローンの審査に通りやすくなります。以前は審査に通らなかった低金利のマイカーローンも、収入が上がれば利用できる可能性が高くなるでしょう。
借り換えをしなくてもよいケース
以下のケースに該当する場合は、無理にマイカーローンの借り換えをする必要はないと考えられます。
残りの返済期間が短い
残りの返済期間が短い場合、より低金利のマイカーローンに借り換えても、利息の軽減効果はそれほど期待できません。諸費用を考慮すると、かえって支払額が増えてしまうこともあるので、そのまま返済を続けるほうがいいでしょう。
繰上返済手数料がかからない
現在借りているマイカーローンの繰上返済手数料が無料であれば、返済を続けながらお金を貯めて、繰上返済をしたほうが有利なケースもあります。残債や金利にもよりますが、繰上返済手数料がかからない場合は、借り換えと繰上返済のどちらが有利かを検討したうえで判断しましょう。
マイカーローンを借り換えるときの注意点
マイカーローンを借り換える際は、以下の点に注意する必要があります。
注意点1.車の所有権を確認する
マイカーローンの種類によっては、ローン返済中は金融機関が車の所有者となっていることがあります。車の所有権が金融機関にある場合、名義変更などの手続きが必要です。マイカーローンの借り換えの相談をする前に、車の所有権がどうなっているかを確認しておきましょう。
注意点2.残価設定ローンからの借り換え
残価設定ローンとは
残価設定ローンとは、車両価格から一定期間使用した後の推定下取り額(残価)を差し引き、残りの部分について分割で支払うローンです。残価を差し引いた金額についてローンを組んでいるため、一般的なマイカーローンよりも毎月の返済額が抑えられています。
借り換えによって返済額が増える可能性がある
残価設定ローンを借り換える場合、借り換え時に残価部分を支払う必要があります。そのため、借り換えることで毎月の返済額が増えてしまう可能性があります。また、残価設定ローンの借り換えには対応していない金融機関もあるので注意が必要です。
まとめ
現在借りているマイカーローンの金利や残債によっては、新たなマイカーローンに借り換えることで、毎月の返済額や総返済額を減らせるかもしれません。「毎月のローン返済が苦しい」と感じているなら、マイカーローンの借り換えを検討してみましょう。
- マイカーローン
大西 勝士
AFP、2級FP技能士
会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て、2017年10月より金融ライターとして活動。10年以上の投資経験とFP資格を活かし、複数の金融メディアで執筆中。