定期預金は途中で解約できる?必要な手続きとペナルティをわかりやすく解説
定期預金は、原則として満期まで引き出さずに預けることを前提とした商品です。 そのため、「急にお金が必要になったらどうなるのか」「中途解約にペナルティはあるのか」と不安に感じる方もいるでしょう。本記事では、定期預金を解約するメリット・デメリットや具体的な解約方法、解約を避けるための工夫をわかりやすく解説します。
定期預金は中途解約できる?

そもそも定期預金は、満期を迎える前に解約できるのでしょうか。途中で解約した場合の扱いや解約できないケースについてまとめました。
原則は可能
定期預金は満期前でも解約可能ですが、その際は当初の約定金利ではなく、本来よりも低い「中途解約利率」が適用される点に注意が必要です。原則として解約手数料はかかりませんが、受け取れる利息が大幅に少なくなることは理解しておきましょう。
解約の手続きは「全額解約」が基本ですが、金融機関によっては一部のみを引き出せる場合もあります。いざという時に慌てないよう、あらかじめ契約内容を確認しておくことが大切です。
満期前解約とは
満期前解約とは、契約時に定めた期間が経過する前に定期預金を引き出すことです。この場合、当初の約束どおりの金利ではなく、受け取れる利息は大幅に減少してしまいます。状況によっては、普通預金と同程度の金利まで下がることも少なくありません。
円定期預金であれば、中途解約しても原則として元本割れの心配はありません。ただし、想定していた利息が大きく削られてしまう点は、あらかじめ理解しておきましょう。
中途解約ができないケースは?
一部の定期預金は中途解約できません。 代表的なのは担保設定中の預金です。定期預金を借り入れの担保にしている場合、借入を完済するまで解約できません。
また、特約付き商品には注意が必要です。満期特約付き定期預金などは中途解約不可が条件の場合があり、キャンペーン金利の商品も解約制限が付くことがあります。
満期前に資金が必要になる可能性がある場合は、契約条件を必ず確認しましょう。
定期預金を中途解約するとどうなる?

定期預金を中途解約すると、利息は大きく減少します。 元本は原則守られますが、想定していた利息は受け取れません。ここでは利息の扱いとリスクを整理します。
利息の扱い
定期預金を満期前に解約すると、約定利率(契約時に約束された金利率)は適用されません。 中途解約利率が適用となりますが金融機関や預入期間により利率は異なります。半年未満で解約すると普通預金並みになることもあります。
ペナルティの内容
直接的な手数料はかかりませんが、適用金利が大幅に下がる点が実質的なペナルティとなります。定期預金は満期まで預けることで高い金利が保証されるため、中途解約をするとその優遇を失い、当初想定していた利息との差額が大きな不利益となります。
また、キャンペーン特典が無効になる場合があります。契約条件は事前に確認しましょう。
元本割れはある?
円定期預金は、原則として元本割れしません。 中途解約でも元本は全額戻ります。また、万が一銀行が破綻した場合でも、預金保険制度(ペイオフ)により元本1,000万円とその利息が保証されます。
ただし、外貨定期預金は為替変動の影響を受けます。為替差損により元本割れの可能性があり、仕組預金も中途解約で損失が出ることがあります。
計算例|100万円を半年で解約するといくら戻る?
中途解約すると利息は大きく減少します。 以下は具体例です。
前提条件
- 預入額:100万円
- 商品:3年ものスーパー定期
- 約定利率:年0.6%
- 解約時期:半年後(180日後で計算)
- 中途解約利率:約定利率の30%
中途解約利率は0.18%です。0.6%×30%で算出します。
税引前利息の計算は次のとおりです。
100万円×0.18%×(180日÷365日)≒888円
税額は以下のとおりです。
項目 | 金額 |
|---|---|
税引前利息 | 約888円 |
所得税(15.315%) | 約136円 |
住民税(5%) | 約44円 |
税引後利息 | 約708円 |
半年で解約した場合の受取総額は約100万708円です。 想定していた満期利息と比べると大きな差が出ます。
解約時の返金額の考え方

ここでは、定期預金を解約した際に返金される金額の基本的な考え方を整理します。解約する前に利率変更や税金など、どういったものが差し引かれるのか把握しておきましょう。
元本は守られる?
円建て定期預金は中途解約でも元本割れしません。 返金されるのは元本と利息です。金融機関が破綻した場合も保護制度があります。預金保険制度(ペイオフ)により、元本1,000万円とその利息まで保護されます。
解約手数料や違約金も原則ありませんが、利息には税金がかかります。 返金額は「元本+税引後利息」となります。
利率の変更
中途解約では約定利率(契約時に決めた金利率)は適用されません。金融機関ごとに中途解約時の利率は異なりますが目安は以下のとおりです。
- 6か月未満:普通預金と同程度
- 6か月以上〜1年未満:約定利率の30%〜50%
- 1年以上〜満期直前:約定利率の50%〜80%
解約時期が早いほど利息は少なくなります。
税金の扱い
定期預金の利息は、たとえ中途解約であっても課税対象となります。税率は通常と同じ合計20.315%(所得税15.315%、住民税5%)です。
実際には、低く設定された利息から、さらに約2割の税金が差し引かれます。その結果、手元に残る金額は当初想定していた利息よりも大幅に少なくなってしまう点に注意が必要です。
簡単シミュレーション表|受取額の目安
中途解約では、満期解約と大きな差が生じます。 以下は100万円を預けた場合の比較です。
前提条件
- 預入額:100万円
- 商品:3年ものスーパー定期
- 約定利率:年0.6%
- 計算方法:単利
定期預金 | 預入期間 | 預金金利 | 税引前利息 | 税引後利息 | 受取金額 |
|---|---|---|---|---|---|
満期 | 3年 | 約定利率:0.6% | 18,000円 | 14,343円 | 101万4,343円 |
中途解約 | 6か月 | 中途解約利率:0.6%×30%=0.18% | 888円 | 708円 | 100万708円 |
中途解約 | 2年 | 中途解約利率:0.6%×50%=0.3% | 5,918円 | 4,715円 | 100万4,715円 |
この例の場合、6か月解約では中途解約利率が、3年物約定利率0.6%×期限前解約掛目30%=適用利率0.18%となり、利息はわずか708円です。
2026年2月時点の普通預金金利はメガバンク3行で0.3%です。この例の金融機関の普通預金金利も同様に0.3%だとすると、利息は普通預金に預け入れていた場合を下回ることになります。(ただし金融機関によっては、定期預金の期限前解約利率は普通預金金利を下回ることはないとする救済措置を設けているケースも存在します。)
なお、2年解約の場合の適用利率は、同様の計算で、0.6%×50%=0.3%で普通預金と同等となり満期との差は約9,600円あります。
解約のタイミングと注意点

定期預金の解約は満期日に行うのが原則ですが、中途解約も可能です。解約時期によって受取金額に影響が出るため、以下の点に注意してください。
解約時期の影響
中途解約では、契約時の「約定利率」ではなく、より低い「中途解約利率」が適用されます。この利率は預入期間が短いほど低くなるため、開始直後の解約では普通預金並みの金利となる場合もあります。元本は守られるものの、利息はほとんど得られない点に注意が必要です。
また、解約には所定の手続きも伴います。失われる利息と手間を十分に考慮したうえで、慎重に判断しましょう。
満期直前の注意
満期日を迎える前に解約すると、たとえ直前であっても中途解約利率が適用されます。定期預金は満期時に、契約時に選択した「自動解約」または「自動継続」のいずれかで自動処理される仕組みです。
満期をもって確実に解約したい場合は、事前の手続きが欠かせません。あらかじめ「自動継続」の設定を停止しておくなど、余裕を持って確認しておきましょう。
自動継続の場合
自動継続は満期時に同条件で再預入されるため、手続きの手間がかかりません。金利安定期は放置しても問題ありませんが、金利上昇局面では見直しが有効です。あえて預入期間を短く設定すれば、将来の高金利へ柔軟に乗り換えやすくなります。
金利環境の変化に応じて、預入期間を戦略的に調整することが重要なポイントです。
中途解約のメリット・デメリット

定期預金の中途解約は基本的に不利ですが、状況次第ではメリットもあります。重要なのは、現在の金利環境と将来得られる利息を比較することです。
メリット
最大のメリットは、より高金利の商品へ乗り換えられる点です。 近年の日銀によるマイナス金利解除後の利上げを受け、普通預金や新型定期の金利が上昇しています。その結果、数年前に預けた低金利な定期預金よりも、現在の普通預金金利の方が高いという「逆転現象」が起きる可能性もあります。
ただし、必ずしもプラスになるとは限りませんので、現在の利息と、預け替え後の利息差をしっかり計算したうえで検討しましょう。
デメリット
最大のデメリットは、受取利息が大幅に減少することです。 中途解約利率は約定利率の一定割合で計算され、特に預入から6か月未満で解約した場合は、普通預金並みの低い金利しか適用されません。
元本割れの心配は少ないものの、当初計画していた資産形成のスピードが落ちてしまう点には注意が必要です。
判断のポイント
解約を迷った際の判断基準は、「利息差」と「資金の必要性」の2点です。急な資金需要がある場合には解約も有力な選択肢となりますが、一方で金利上昇に伴う預け替えについては慎重な検討が欠かせません。
満期まで持ち続けた場合に得られる利息と現状を比較してみましょう。
満期利息 − 中途解約利息 = 実質的な損失額
この差額を、新しい預け先の金利で得られる利息が上回るかどうかを確認します。最終的には、解約や再契約にかかる手続きの手間も含めて、総合的に判断することが重要です。
定期預金を中途解約する方法

定期預金を中途解約する場合は所定の手続きが必要です。 事前に解約条件と必要書類を確認してから手続きを行いましょう。
西日本シティ銀行の場合
西日本シティ銀行では窓口、ATM、Web、アプリからの中途解約が可能です。
なお、中途解約時は所定の中途解約利率が適用されます。また以下のような条件等がありますのでご紹介します。
窓口での解約
手続きは原則として預金者本人が行います。通帳・届出印・本人確認書類などを持参し定期預金の中途解約を申し出ましょう。
ATM、NCBダイレクト(Web、アプリ)での解約
ATMまたはNCBダイレクト(Web、アプリ)での中途解約は以下のような項目を確認しておきましょう。
ATMの場合
・対象: 総合口座の定期預金(スーパー定期、定期預金など)
・金額: 1明細100万円以下
・制限: 一部のATMや、特定の条件(中途解約差金が発生する場合など)では解約できない場合があります。
NCBダイレクト(Web、アプリ)の場合
・対象:定期預金・積立式定期預金
・金額:1明細1,000万円未満
・解約方法: NCBダイレクトにログインし、「定期預金」→「解約・中途解約」の順に進んで手続きを行います。
※総合口座以外(証書式定期預金など)の場合は、店舗窓口での手続きが必要になります。
必要なもの
窓口解約に必要な書類は以下のとおりです。
- 通帳または証書
- 届出印(口座開設時に登録した印鑑)
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- キャッシュカード
ATMから解約する際は、総合口座通帳とキャッシュカードが必要です。
手続きフロー
まず、公式サイトや窓口で解約方法を確認しましょう。 その後、次のいずれかで手続きします。
解約方法 | 手順の概要 |
|---|---|
インターネット | ログイン後、定期預金メニューから解約操作 |
ATM | 定期預金を選択し解約ボタンを押す |
窓口 | 必要書類を持参し担当者の案内で手続き |
代理人による解約はできる?
原則、定期預金の解約は本人の手続きが必要です。 ただし、やむを得ない事情がある場合は、代理解約が可能なことがあります。
代理解約で必要なもの
- 本人確認書類(契約者のもの)
- 代理人確認書類(代理人の本人確認書類)
- 届出印(口座開設時に登録した印鑑)
- 通帳・証書(定期預金の証明書類)
詳細は金融機関ごとに異なります。
中途解約を避けるための工夫

定期預金は「満期まで預けること」が前提の商品です。事前の資金設計により、中途解約リスクは最小限に抑えられます。
期間を分ける
預入期間を分散して契約する方法は、資金の流動性を高める上で有効です。定期預金は1年・3年・5年など期間を自由に設定できるため、教育費や老後資金といった将来のライフイベントに合わせて満期を組み合わせるのがおすすめです。
このように用途ごとに満期時期をずらしておけば、必要なタイミングで順次資金を手にすることができ、不測の事態にも対応しやすくなります。
預入額を分散
西日本シティ銀行のスーパー定期預金では一定条件を満たすと一部解約ができますが、「預入額を分散」という方法もあります。例えば100万円を1本の契約にまとめず、「20万円×3本、40万円×1本」といった形で契約する方法です。預入額を小分けにして契約しておけば、必要に応じて「一部解約」のような形で柔軟に対応できます。
このように分けておけば、急にお金が必要になった際も必要な分だけを解約できるため、預金全体の利息減少を最小限に抑えられます。
流動資金を確保
定期預金はすぐに引き出す商品ではないため、急な出費に備える「緊急資金」は別口座で確保しておくことが重要です。すぐに引き出し可能な普通預金や、24時間対応が多いネット銀行に資金を置いておけば、万が一の際も定期預金を解約せずに対応できます。
確保しておく流動資金の目安は、生活費の3〜6か月分です。このように「すぐに使うお金」と「貯めるお金」を切り分けて管理することで、定期預金の高い金利メリットを最大限に守ることができます。
目的別のおすすめ設計
資産は目的別に分けて管理しましょう。まずは「緊急資金」「ライフイベント資金」「余裕資金」に分類し、各予算を設定します。
余裕資金は投資へ回す選択肢もあるため、全額を定期預金にする必要はありません。目的に応じて資産を柔軟に設計することが大切です。
まとめ
定期預金は堅実な金融商品ですが、無計画に始めると後で必要な資金を引き出せなくなってしまいます。中途解約すると高い金利の恩恵を受けられなくなるため、目的を明確にすることが重要です。
西日本シティ銀行では、目的に応じた定期預金や投資信託等をセットにした資産運用パックを提供していますので、ぜひ自分に合った商品を見つけてみてください。
西日本シティ銀行の定期預金について詳しく知りたい
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2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学卒業後、システムエンジニアを経て通信機器商社の経営戦略室で新規事業の立ち上げに参画。退社後はシステム会社の代表取締役に就任し、パソコン通信サービスを展開。1996年に著書『わかる!イントラネット』執筆後はフリーランスとして活動。事業経験とFP資格を活かしビジネス系ライターとして複数メディアで執筆中。








