相談者:Mさん(福岡県在住)
本人30歳(会社員)
Q. 〝お金を使いすぎる癖〟はどうすれば改善できる?
〝お金を使いすぎる癖〟を改善したくて、家計簿をつけ始めました。
2年前に転職をし、会社員でありながら個人事業主、という形で働いています。
月の収入にばらつきがあり、決まったボーナス支給もないのですが、頑張って働いて昨年度の年間収入としては700万円ほどを達成できました。
しかし、仕事をする上での経費(スーツの購入や接待費)や交通費がかさみ、貯蓄がほとんどできていないのが悩みです。
昨年は関東圏との2拠点生活をしていたので生活費と車の維持費がかかっていました。今では車を手放し、間もなく関東圏のみでの生活となります。
一応、仕事の経費と生活費は分けて管理するようにはしているのですが、いろいろな支払いにすぐカードを使ってしまうため、なかなか整理できていません。そのため、確定申告にも、かなりの手間がかかってしまいます。貯蓄を増やし、奨学金(37歳まで支払い)も早く返し終わりたいです。
どのような家計管理をすべきか、アドバイスをお願いします。
A. 家計費と仕事の経費は財布も口座もカードも別に
自宅事務所なら家賃、水道光熱費、通信費などを案分して経費計上を
Mさんは会社と委任契約を結び、保険募集人の仕事をしているようです。報酬から所得税を源泉徴収され、社会保険料も天引きなので会社員のようですが、雇用契約ではないので個人事業主です。確定申告をし、住民税は自分で納める形です。
青色申告を選択しているので、原則として複式簿記で帳簿を付けるべきですが、確定申告時につじつま合わせをしている印象。日常的に家計費と事業費をしっかり分けて管理すれば、もっと貯蓄できるはずです。
稼いでいるわりにお金が貯まらない現状を反省し、車を手放したり、仕事の拠点を1つにするなど、生活全体の見直しに着手したのは◎。家計簿をつけてみたので、仕事の経費の分離に進むのが容易になりました。転職3年目の今年を「貯蓄元年」にしましょう。
家計費と仕事の経費が混ざらないようにするためには、財布を別にするのがポイント。クレジットカードも2枚持ち、使い分けるべき。領収証をしっかり保管し、決済用の普通預金口座も別にしましょう。
自宅事務所の場合、家賃や光熱水道代、通信費などを家計口座で支払ったとしても、利用実態に応じて案分して、仕事の帳簿に経費計上することをお忘れなく。出張ついでに旅行した場合は、プライベートの部分を除き、仕事関係だけを経費計上します。青色申告ソフト(無料もあり)を利用するのもおすすめです。
たくさん稼げるなら、あなたの事業領域に強い税理士に申告書の作成や税務署への提出を依頼するといいでしょう。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング熊本」2023年1月7日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。