相談者:Tさん(熊本県在住)
夫30歳(会社員)、妻30歳(会社員)、長男2歳、長女0歳
Q. 2人目誕生。住宅購入に向けどうやりくりすべき?
今年の夏に2人目を出産し、現在育休中です。
私(妻)の収入は産休前の時短勤務時の収入を記載しており、育休中は8割くらい支給される予定。1年間の育休が明けたら、時短勤務に戻ろうと思っています。夫は半年前から単身赴任となり、長期間にわたる見込みです。
家計のやりくりは、家族で頑張って取り組んでいるつもりですが、毎年の家族旅行など大切にしたい部分もあります。子どもにはそれぞれ300~400万円ほどの教育資金を貯めてあげたいのですが、子どもの保育料や習い事など出費もかさみそうで今後が不安。家計で、どこか取り組むべき点はあるでしょうか?
また、上の子が小学校に入学する前までに、マイホームを購入したいと考えています。しかし、住宅価格の値上がりが今後も続くと、ローンが払っていけるのか心配になります。予算は3,800万円ほどかなと思っていますが、今からやりくりでできる工夫はありますか?
マイホームの頭金にできれば、と定期預金を多く持っていますが、もう少し積立投資などに振り分けるべきか、迷っています。
A. 節約の必要性は乏しく、むしろ食費増額の必要あり
住宅ローンは月払いのみ、返済額は月10万円以内。投資は現状維持で
正社員同士の共働きで、子育ても家計管理も頑張っているようです。単身赴任が長期間にわたる、とのことですが、県内を3~5年のスパンで移動するお仕事だとか。一緒に住める時期もあるし、帰省しやすくお子さんとも触れ合えますね。
そうであれば、マイホームを持つのはいい選択肢。子育てをサポートしてくれる妻の実家近くをお考えでしょうか。予算も現在の手取り年収の5倍程度で、その6割相当の金融資産をお持ちです。単身赴任関係費も、小遣いと生活費で月8万円でやりくりできることが分かっていて、安心です。
育休で減収があっても、毎月10万円以上の黒字が維持できます。1年後に時短、いずれはフルタイムに復帰するわけで、収入面は心配なさそうです。
支出増を気にしておられますが、保育料は3歳児以降は無償化の恩恵が受けられます。習い事は、どういう方針で臨むかで費用が異なります。適性を見極め、親子共に時間的にも経済的にもゆとりをもって取り組む形にしましょう。
住宅ローンは、月払いのみにすると安心。現在の家賃・駐車場代に財形貯蓄を加えた月10万円以内のローン返済額を目安にしてはいかがですか。
以上のことから、やりくりを強化して節約に励む必要性は乏しく、むしろ低すぎる食費について、増額の必要性を検討すべきです。資産運用については、マイホーム購入までの相場変動や、マイホーム購入後の資産バランスを考えると、今の時点で投資を増やすのは控えたほうがいいでしょう。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビングふくおか・北九州・熊本・かごしま」2023年9月23日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。