相談者:Sさん(福岡県在住)
本人44歳(会社員)、長男16歳(高校生)、長女13歳(中学生)、次女10歳(小学生)
Q. 離婚後の家計の不安を払拭するには?
現在、子ども3人の子育て中(夫は別居、離婚協議中)です。現在30万円の婚姻費用を毎月支払ってもらってますが、協議で24万円の養育費になりそうです。
高校生の長男は奨学金(返済が必要)をもらいながら学校に通っています。私も4月から、資格取得のために働きながら学校に通い始めましたが、約200万円の学費をどうするかが悩みです。今後の家計に漠然とした不安があります。
間もなく離婚成立し、学費も含め、1,500万円が財産分与でもらえます。このお金を投資しながら増やしたいので、どのように運用していけばよいか教えてほしいです。とりあえず長男の奨学金の部分はここから支払おうと思っていますが、奨学金はやめないほうがいいでしょうか?
また、家賃は毎月10万円と高額なため、近くの3,000万円くらいの中古マンションを頭金0で買って子どもに財産として残したいのですが、可能でしょうか。
24万円の仕送りがなければ生きていくのが厳しいが、何とかなる、何とかしようと思っています。ち密な管理ができないので、これを機会にベストなわが家の家計にしていただきたいです。
A. 学費は財産分与から、奨学金返済は養育費から
残りの財産分与の資金は分散運用し、マンションの頭金に一部充当も可
就職に有利な資格を3年かけて取得する計画と伺いました。働きながら夜学に通うのは大変と思いますが、将来の生活の安定と生きがいのために今が頑張り時ですね。
あなたの学費は財産分与の中から取り分けて、学費専用の口座に入れましょう。学費200万円は自己投資としていい使い道といえます。
長男の奨学金返済は養育費から返済しては? お金を殖やす目的から外れるので財産分与のお金を使わない方がすっきりしそう。奨学金は無利子だそうですから、養育費が滞る万一の事態に備え、やめないでいいと思います。離婚調停で養育費の支払いを確実にする手段を講じているとは思いますが…。
財産分与の残り1,300万円の運用については、いきなりリスクのある投資に回すのは待って! 退職金や遺産もですが、扱い慣れない大金が急に入って、知識や経験がないまま人任せにしたり、やみくもに投資して失敗するケースをたくさん見ました。 まずは3カ月定期預金などに預けて、どう分散運用するか考える時間を持つべき。投資信託や株式、社債、外債などのリスク資産に300万円、個人向け国債に300万円、元本保証の定期預金に700万円…といったように3つぐらいに分類し、最善の方法を考えましょう。
リスク分散といえば不動産、株、債券の財産3分法が有名。Sさんはマンション購入を全額ローンでお考えですが、ローン、管理費、修繕積立金、固定資産税の合計が現在の家賃を上回るとやりくりで苦労しそう。価値ある物件を見つけて、財産分与の一部を頭金に充てることも検討してはいかがですか。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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確認のため電話番号は必ず明記してください。
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転載元:
「リビングふくおか・北九州・熊本・かごしま」2023年7月8日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。