相談者:Sさん(熊本県在住)
夫27歳(公務員)、妻28歳(公務員/育休中)、長女1歳
Q. 手元資金をどれくらい資産運用に回せばいい?
結婚3年目、昨年子どもが生まれ、現在私(妻)は育休中です。2年ほど前から資産運用を始め、現在、つみたてNISAを夫婦満額(年間各40万円ずつ)行い、私はボーナスを充当して毎月10万円ずつ積立投信を購入しています。夫婦合わせて543.3万円の現金預金があるため、資産運用に回すべきか、現金で持ち続けるべきか迷っています。
昨年、一括払いで新車を購入しました。転勤族のためマイホームを建てる予定はなく、数年以内に大きな支出も予定していません。子どもはもう1人くらい欲しいと思っており、将来大学まで奨学金無しで行けるくらいには教育資金を準備したいと思っています。
2024年からはNISA制度の改正でNISA口座での運用枠が増えるため、2023年内には新たに積立投信を追加購入せず、2024年に入ったら、ストックした資金で上限満額までNISAの枠を使い切るか悩みます。iDeCoも行う方がいいのでしょうか? それか、不動産投資も資産運用の手段として検討すべきでしょうか?
とりとめのない相談で申し訳ございませんが、アドバイスをお願いします。
A. 夫と子どもの預金は定期預金など安全運用を
リスク資産の割合も既に米国並み。不動産投資するなら本気の覚悟で
賃貸生活を続ける限り、家賃補助があるのですね。転勤もあるので、家を買うのは退職後でよく、生命保険や医療保険も必要なし、と判断しているようです。
あなたの希望は、若いうちにしっかり蓄えて、自分は50代で早期退職してゆったり暮らすことだとか。そのためには、資産運用に強い関心があるのですね。
手元資金のうち、手堅く運用すべきは、不時への備えです。その最低基準は3カ月分の生活費。家計簿には育休後の保育料も記載したそうなので、預金と積立投資を除いた月割り生活費を基準にすると、約100万円です。夫は投資には不案内とのことですから、夫の預金160万円は安全運用をおすすめします。
とはいえ、普通預金は金利も低く流用しやすいので、100万円は総合口座の定期預金にすることをおすすめします。教育資金目的の子ども名義の預金も、積立定期預金にしてはいかが?
手元資金のうち、リスク資産運用に回す余地があるのは妻名義の普通預金ですが、S家では全金融資産の約36%がリスク資産。妻の預金もそちらに回すと、約60%にも! 金融庁のデータによると、日本ではリスク資産と安全資産の割合が1対5の人が多く、積極投資の米国では1対1とのこと。現時点では229万円プラスで米国並み。そうしたことも参考に、来年以降の投資も含め、よく考えてください。
不動産投資にもリスクはつきもの。借金(融資)が伴うのと、投資物件選びが難しいので、本気で取り組む覚悟があれば、検討の余地はありましょう。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2023年6月24日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。