100万円を運用して増やすなら、投資信託がおすすめです。投資信託はNISAやiDeCoでも投資でき、税金面でのメリットを得られる可能性もあります。この記事では投資信託を軸にした100万円の運用方法について、初心者向けに解説します。
初心者におすすめ!100万円の運用先3つ
100万円は、高級な腕時計が購入できるくらいの金額です。100万円を投資商品で資産運用するなら、まずは「投資信託」「NISA」「iDeCo」という3つの商品を押さえておきましょう。
投資信託とは
複数の投資家から集めた資金を、資産運用のプロであるファンドマネージャーが投資・運用する金融商品です。投資初心者に向いている資産運用方法とされています。
個別投資より選択肢が多い
投資信託は、その投資先の幅広さと低額投資の可能性がその魅力となっています。これらの要素は、特に投資初心者にとって大きなメリットとなります。
投資信託は、銘柄数が膨大で、その投資先も世界中の株式や債券、REIT、コモディティなど多岐にわたります。これにより、投資リスクの分散が可能となり、より安全な投資が実現可能です。もしも仮に個別にこれら全ての分野に直接投資しようとすると、時間や知識、大量の資金が必要となります。
また、投資信託はその性質上、少額からの投資が可能です。これにより、数千万円以上の資金が必要な投資先であっても、気軽に始められるという利点があります。これらの特性から、投資信託は初心者の投資の第一歩として非常に適しています。
NISAやiDeCoの制度を活用しよう
投資信託は銀行などの金融機関で購入できます。その際、「NISA(ニーサ)」「iDeCo(イデコ)」のように、より有利な条件で資産運用できる制度を活用することをおすすめします。
※現在のNISA制度は大幅に拡充・恒久化され、2024年から新しいNISA制度が始まります。
※iDeCoは企業型確定拠出年金の加入条件などにより、利用できないことがあります。
NISA(ニーサ)とは
NISA口座(非課税口座)で毎年、決められた金額の範囲内で購入した金融商品について、利益が非課税になる制度です。
通常、金融商品の売却益や分配金などに対して、およそ20%の税金が課されます。NISAを利用することで、これらの税金がかからなくなるのです。
NISAには、投資金額の上限が1年ごとに定められています。この点を加味すると、100万円を投資する場合、一般NISAなら1年で、つみたてNISAなら3年に分けて投資すれば非課税対象となります。
参考:金融庁「NISAとは?」
iDeCo(イデコ)とは
個人型確定拠出年金のことで、任意で加入できる私的年金制度です。老後の生活資金準備として、自分で運用資金を拠出し、自分で運用します。運用したお金は60歳以降、老齢給付金として受け取れます。
掛け金が全額、所得控除の対象です。また、運用期間中に得られた利息や売却益といった利益が非課税になるのも、iDeCoの利点です。受取時にも各種控除の対象となるなど、メリットが多い運用方法です。
iDeCoでは投資金額の上限が1年ごとに定められており、上限額は加入資格や公的年金の加入条件などにより異なります。100万円を複数年にわたり毎月投資することで、投資タイミングを分散するメリットも得られます。
参考:iDeCo公式サイト「iDeCoの特徴」
100万円を運用するなら投資信託がおすすめ
余裕資金100万円を運用する際、投資信託をおすすめするのには理由があります。
100万円の運用に投資信託をおすすめする理由
投資元本100万円の場合、投資信託で運用すれば以下のメリットを得られます。
分散投資しやすい
投資信託は銘柄数の多さや、1銘柄における投資先の多さが魅力の投資商品です。一つの投資信託で複数の投資先に分散投資できるメリットがあります。
さらに積立投資信託の仕組みを活用すれば、投資タイミングを分散させることも可能です。投資先やタイミングを複数持つことで、資産運用におけるリスクを減らせます。
少額投資が可能
個別銘柄に直接投資をするよりも少額で投資できるのも、投資信託のメリットです。西日本シティ銀行では、1万円から投資できます。積立投資信託なら1,000円から運用を開始できるので、少ない元本から資産運用が可能です。
西日本シティ銀行「投資信託」
運用をプロにお任せできる
投資信託は、運用会社の専門家が投資先の選定を行います。どんな分野に投資するかを基準に投資信託の銘柄を選べば、運用基準に沿ってプロが資金を運用してくれます。また、定期的に運用報告書が発行されるので、運用状況の把握もしやすいです。
なにもかも投資家自身で把握・運用するのは難しく、手間もかかります。投資信託なら運用のプロに任せられるため、忙しい人にもぴったりです。
投資信託のはじめ方
投資信託を始める場合は、まず投資信託口座を開設します。投資資金を入金後、投資する銘柄を選択して購入手続きを行うという流れです。
西日本シティ銀行では、アプリから投資信託を購入・管理できます。
西日本シティ銀行「スマホではじめる投資信託」
投資信託で100万円を増やす方法
100万円を投資元本とし、投資信託で資産運用する場合のポイントを紹介します。
投資元本の100万円を分散させる
特に意識したいのは、複数の投資先へお金を分散させることです。分散投資により、運用期間中に元本が減ってしまうリスクをできるだけ減らせます。
金融商品の種類を分散
投資信託の運用先には、株式や債券、REIT(不動産投信)、コモディティなどがあります。それぞれ異なる値動きをする傾向にあり、バランスよく保有すれば補完効果が期待できます。例えば、この4分野に25万円ずつ投資するなど、分散投資するのがおすすめです。
たとえ一部の資産が目減りしても、他の資産が値上がりしていれば投資元本トータルでプラスを狙うことが可能になります。
国を分散
さらに投資対象の国を分散すれば、リスクを減らす効果が高まります。日本国内だけでなく世界各国に幅広く投資することで、その国の成長力が運用資産に反映されます。
先進国を中心に投資しながら、一部は新興国へ投資するのも良い方法です。特に中長期的な運用を考えている場合、先進国にはない成長性を持つ新興国への投資は、資産を増やすチャンスを広げてくれます。
投資タイミングを分散
投資先の分散だけでなく、投資するタイミングも分散させることで投資効果を高められます。100万円全てを1度に投資するのではなく、数千円〜数万円単位で少しずつ定期的に積み立てていく方法です。
適切な投資タイミングを見極めるのは、プロでも難しいものです。投資タイミングを複数持つことで、その期間中の損益を平準化しやすくなります。元本が目減りするリスクを減らす対策として、非常に有効です。
長期で運用できる仕組みを作る
分散投資に加えて、長期運用できる仕組みづくりを行うのもおすすめです。資産運用で100万円を増やす場合、目標金額にもよりますが、短期間で大きく増やすのは難しいでしょう。
その分、時間をかけて運用すれば、資産を増やせる確率は大きく高まります。
長期投資をおすすめする理由
投資信託で資産運用することで、銀行預金の利息よりも多くの利益を得られる可能性があります。
一方、投資信託は市場動向により価格が上下するため、損失が発生する事態も考えておかなければなりません。また、投資信託の購入時に支払う購入手数料や運用期間中に発生するコストも、頭に入れておく必要があります。
運用期間が長いほど、保有コストを加味した利益の確定タイミングをはかれます。元本が目減りするリスクを軽減できるのです。
長期投資では「積立」を活用
100万円を長期で運用する際、積立制度を利用すると良いでしょう。積立投資では、前出の「投資タイミングを分散」項目でお話しした効果を得られます。運用期間中の損益を平準化できる分、安定的な資産運用が可能です。
また、一度積み立ての仕組みを作っておけば、投資を自動化できるメリットもあります。100万円の投資資金でスタートした後、継続して積み立てていけば、家計から積み立て分を回す習慣も身に付きます。
まとめ
100万円をまとめて投資するのではなく、投資信託を活用して少額を少しずつ分散投資することで、リスクを抑えながら着実に資産アップを目指せます。さらにNISAやiDeCoの制度を利用すれば、税金面でもお得です。
多彩な投資先があって自分では選べない場合は、資産運用のプロに相談するのも一手です。西日本シティ銀行の窓口でも、投資の相談ができます。
西日本シティ銀行「投資信託」
*投資信託のご留意事項について
商号等:株式会社西日本シティ銀行 登録金融機関 福岡財務支局長(登金)第6号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会
もろふしゆうこ
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員会員一種
大手証券会社、銀行の個人営業職を経験した後、26歳で独立系ファイナンシャルプランナーとして独立。個人を対象にした相談業務やセミナー・講演会の講師業、各種メディア出演を通じてライフプランやマネープランに関する情報提供を行ってきた。現在はFPの知識を活かした執筆活動を中心に活動している。