相談者:Rさん(熊本県在住)
夫68歳(年金生活者)、妻62歳(主婦)
Q. 妻の年金受給までの3年間をやりくりするには?
夫婦2人暮らしの年金生活者です。
妻の年金は65歳から月10万円程度予定しています。今後収入は増えますが、現在の家計は赤字になっているので、支出内容をどう改善したら良いか、改善できそうなことがあれば教えてください。
市県民税は、妻は子どもの扶養に入っているので、私の分のみです。自動車税は免税のため、支払いはありません。
日用品費は化粧品やシャンプーおよび洗剤等の雑貨です。食費は減らしたいと思っていますが、子どもや孫が毎月1~2回10人ほど集まるため、減らせそうにありません。
交際費は妻の母親への仕送りおよび孫たちへのプレゼント、誕生日やひな祭り、クリスマス等のイベントへの支出です。
自宅の全面リフォームは3年前に完了しています。また、今後の大規模な支出については、5年後に車の買い換えを予定。そのほかには当面、大きな支出は予定していません。旅行にも行きますが、日帰りのドライブが大半です。
この3年間を乗り切るためのアドバイスを、どうぞよろしくお願いします。
A. 日用品費、被服費50%カットで年間赤字は半減
買い替える車は軽も検討し、妻の年金の大半は老後資金用に蓄えて
総務省の家計調査(2021年)によると、夫婦高齢者無職世帯の平均月収は約23万6500円。支出は月平均約25万5000円で、貯蓄を月に約1万8500円取り崩していることになります。
Rさんは公的年金と個人年金を合わせた月収が平均より3万円以上多いですね。特別支出を含めた支出は約31万5000円で、家計調査の平均を約6万円上回り、毎年約54万円も貯蓄を取り崩す結果となっています。
「動けるうちに旅行にどんどん出かけ、親族とも交流を深めたい」と、お金に関する考え方は夫婦で一致しているものの、赤字の大きさに危機感を抱き始めたようです。
食費が膨らんでいるのは、子や孫との交流やワインなどの嗜好品のためとか。これは削りたくないでしょう。
交際費は使途が明確で、なかなかメスを入れづらい内容。ドライブ旅行は夫婦の最大の楽しみのようですし、支出も多くはないので現状維持でいいでしょう。
それに対し、おおかたが化粧品や美容院代だという日用品費や、不要不急度の高い被服費は、思い切って削るべき。両費目で月4万5000円使っていますが、50%カットすれば、年間赤字も半減します。
気になるのは、任意の自動車保険や火災保険支出が見当たらない点。実際の赤字幅はもっと大きいかもしれません。買い替える車は思い切って軽自動車にしてはいかが。安全運転支援機能が搭載したものを選ぶといいでしょう。
年齢差が大きいこともあり、妻の年金の大半は、老後資金用に妻自身が運用して蓄えていくといいですね。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2023年4月29日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。