相談者:Yさん(鹿児島県在住)
夫34歳(公務員)、妻35歳(パート)、長女8歳(小学生)、長男3歳、次男0歳
Q. 住宅ローンの繰り上げ返済、どうすればいい?
昨年3人目が生まれ、妻と子の5人家族。私(夫)は、住宅ローンの繰り上げ返済について悩んでいます。
3年前に新築一戸建てを購入し、2800万円の住宅ローンを組みました。金利は変動で、現在は0.95%。完済は2055年です。毎月4万5000円、ボーナス時に年40万円を返済しています。
最近の金融情勢を見ると、今後住宅ローンの金利が上昇するのでは、と不安です。上昇のタイミングで、預金を切り崩して繰り上げ返済すべきか迷っています。その場合、手元に100万円ほど残し、それ以外を返済に充てようかと検討中。金利上昇がなければ、10年後の控除終了後の返済を考えていますが、わが家の場合、どうするのが最適でしょうか。
また年末調整では現在、住宅ローン控除等で10万円ほど還付があります。控除終了後も見据え、節税対策としてiDeCoを始めようと考えていますが、金額はいくらが良いでしょうか。加えて、他の良い節税対策がありましたら教えてください。
大きな買い物の予定は現在なく、妻は今後もパートで働き続ける予定です。
A. 住宅ローン控除が受けられる間は今のペースでOK
iDeCoも今はNG。繰り上げ返済共々、共働きを強化してから
3人の子育ては大変でしょうが、張り合いもあり、楽しんでおられると思います。将来の教育費は、子ども1人あたり200万円を学資保険で準備中とか。万一の場合も安心ですね。
貯蓄性のある生命保険は学資保険だけで、住宅ローン付帯の団体信用生命保険(以下、団信)も含め、あとはすべて掛け捨てタイプ。それで積立預金に多く回しているのはいい選択です。
団信は繰り上げ返済してもしなくても、万一のときにローン返済を肩代わりしてくれる点は変わりませんが、ローン返済がなくなった後の生活に目を向けることが大切です。手元資金が100万円しか残らないほど繰り上げ返済すると、ローンはなくなっても将来不安が増大するのでは? 金利の上昇を恐れる気持ちは分かりますが、お子さんが小さく、いざというときに妻がフルタイム勤務に即移行できない今は、あまり神経質にならないこと。住宅ローン控除が受けられる残り10年は、今のペースで返済すればいいでしょう。
金利上昇への備えとしては、貯蓄増強と、家事や育児を協力し合って共働きの強化をおすすめします。4月に長男の保育料1万5000円が無償となり、次男分は現状維持の7500円だそうですから、NISAを始めるなど、節税貯蓄もできそうですね。
お尋ねのiDeCoは原則60歳までは資産を受け取れないので、今はNG。妻の収入を増やし、税金や社会保険料を払っても家計収入全体がアップすれば、iDeCoを夫婦で活用するなどの節税や、繰り上げ返済も進められます。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビングふくおか・北九州・熊本・かごしま」2023年3月11日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。