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小学校にかかる費用の目安はいくら?学費の内訳や知っておきたい支援制度について

子どもの教育資金のうち、小学校の6年間ではどれくらいの費用がかかるのでしょうか。小学校の学費は、公立と私立で大きく変わってきます。資金不足で困ることがないように、計画的に準備を進めることが大切です。今回は、小学校にかかる費用の目安や内訳、各種支援制度について解説します。

小学校にかかる費用の目安

小学校にかかる費用は、公立と私立のどちらに進学するかはもちろん、学年や地域によっても差があります。まずは、文部科学省の「子供の学習費調査」をもとに、小学校にかかる費用の目安を紹介します。

出典:文部科学省「2018年度(平成30年度)子供の学習費調査

6年間の学習費総額

小学校にかかる費用は、公立と私立で大きな差があります。学習費総額の年間平均額と6年間の合計額は以下のとおりです。


公立

私立

年間平均額

321,281円

1,598,681円

6年間の合計額

1,927,686円

9,592,086円

小学校の学習費総額は、公立が年間321,281円(月々約26,773円)、6年間で1,927,686円となります。それに対して、私立は年間1,598,681円(月々約133,223円)、6年間で9,592,086円です。私立に通うと、公立の約5倍の費用がかかります。

学年別の学習費総額

小学校でかかる費用は、学年によって変わってきます。公立と私立について、学年別の学習費総額をまとめました。


公立

私立

第1学年

350,860円

1,892,002円

第2学年

263,310円

1,366,148円

第3学年

292,950円

1,415,910円

第4学年

309,617円

1,497,087円

第5学年

339,132円

1,630,684円

第6学年

370,940円

1,790,314円

公立は最も高いのが第6学年の370,940円で、次が第1学年の350,860円となっています。一方、私立は第1学年が1,892,002円で最も高く、次いで第6学年の1,790,314円です。

第2学年以降は学年が上がるほど学習費が増える

公立・私立ともに第1学年は入学費用がかさむため、他の学年に比べて学習費は高い傾向です。第2学年以降は、学年が上がるほど学習費も増えています。高学年になると、塾や習い事の費用が増えるためだと考えられます。第6学年は、修学旅行の費用も必要です。

人口規模別(地域別)の学習費総額

小学校にかかる費用は、地域的な特性も見られます。人口規模別の公立小学校の学習費総額は、以下のとおりです。

区分

平均

5万人未満

5万人以上15万人未満

15万人以上

指定都市・特別区

学習費総額

321,281円

262,277円

281,563円

326,512円

384,641円

(うち学校教育費)

63,102円

64,235円

65,318円

66,275円

56,627円

(うち学校給食費)

43,728円

40,521円

43,561円

43,909円

45,456円

(うち学校外活動費)

214,451円

157,521円

172,684円

216,328円

282,558円

人口規模が大きくなるほど学習費総額も増える

公立小学校にかかる費用は、人口規模が大きい地域ほど増えるのが一般的です。学習費総額は、5万人未満の地域が262,277円であるのに対し、指定都市・特別区は384,641円です。1年あたり約12万円の差が生じています。

内訳をみると、学校教育費は指定都市・特別区が最も少なくなっています。しかし、学校給食費と学校外活動費が最も多いのは指定都市・特別区です。特に学校外活動費は、指定都市・特別区と他の地域との金額差が大きくなっています。

小学校にかかる費用の内訳

文部科学省の「子供の学習費調査」で公表されている学習費総額は、以下3つの費用で構成されています。

  • 学校教育費

  • 学校給食費

  • 学校外活動費

それぞれ、どんな支出が含まれているのかを確認していきましょう。

学校教育費

学校教育費の年間平均額とその内訳は、以下のとおりです。

区分

公立

私立

授業料

-

485,337円(53.7%)

修学旅行・遠足・見学費

6,951円(11.0%)

44,816円(5.0%)

学校納付金

12,235円(19.4%)

231,425円(25.6%)

図書・学用品・実習材料費

19,673円(31.2%)

32,055円(3.5%)

教科外活動費

2,041円(3.2%)

10,507円(1.2%)

通学関係費

18,032円(28.6%)

90,749円(10.0%)

その他

4,170円(6.6%)

9,275円(1.0%)

学校教育費合計

63,102円

904,164円

公立と私立の違い

小学校の学校教育費の年間平均額は公立が63,102円、私立は904,164円です。公立と私立の大きな違いは、授業料と学校納付金にあります。

公立は授業料の負担はありませんが、私立は485,337円で全体の50%以上を占めています。学校納付金は、入学金や施設関係費などをまとめたものです。公立は入学金が無料ですが、私立は有料です。その他の費用も高い傾向にあり、私立では全体の約25%を占めています。

学校給食費

小学校の学校給食費の年間平均額は公立が43,728円、私立は47,638円です。私立のほうが高いものの、学校給食費は公立と私立で大きな差はありません。

学校外活動費

学校外活動費は、「補助学習費」と「その他の学校外活動費」の2つで構成されています。年間平均額の内訳は以下のとおりです。

区分

公立

私立

補助学習費

82,469円(38.5%)

348,385円(53.9%)

その他の学校外活動費

131,982円(61.5%)

298,504円(46.1%)

学校外活動費合計

214,451円

646,889円

補助学習費

補助学習費の主な支出は、家庭内学習費や家庭教師費、学習塾費です。公立・私立ともに、学年が上がるにつれて家庭教師費や学習塾費が増える傾向にあります。公立に比べると、私立は約4倍高いのが現状です。

その他の学校外活動費

その他の学校外活動費には、体験活動や芸術文化活動、スポーツ活動、教養などが含まれます。スポーツ活動については、公立と私立で大きな差は見られません。一方で、公立に比べて、私立は芸術文化活動や教養にお金をかける傾向にあります。

小学校にかかる費用への支援制度

小学校の学費を準備できない場合は、各種支援制度を利用できます。具体的に、どんな支援制度が用意されているのでしょうか。ここでは、小学校にかかる費用への支援制度を紹介します。

就学援助制度

就学援助制度とは、経済的な理由で就学困難と認められる場合に、自治体から必要な援助を受けられる制度です。就学援助の対象者は、以下の2つに分かれます。

  • 要保護者(生活保護を受けている人)

  • 準要保護者(要保護者に準ずる程度に困窮している人)

準要保護者については、各自治体が認定基準を規定しています。原則として、支給された就学援助費に返還義務はありません。

就学援助制度の対象となる費用

就学援助制度の補助対象となる主な費用は、以下のとおりです。

  • 学用品費

  • 体育実技費用

  • 新入学児童生徒学習品費

  • 通学用品費

  • 通学費

  • 修学旅行費

  • 校外活動費

  • 医療費

  • 学校給食費

  • クラブ活動費

  • 生徒会費

  • PTA会費

  • 卒業アルバム代

  • オンライン学習通信費

援助対象となる費用は、自治体によって異なる可能性があります。詳しくは、住んでいる地域の自治体に確認しましょう。

就学援助制度の具体例(福岡市のケース)

具体例として、福岡市の就学援助制度を紹介します。

福岡市では、市・県民税が非課税の人やひとり親家庭などを対象に就学援助を実施しています。生活保護を受けている人については、申請手続き不要で生活保護費から就学援助相当額が支給される仕組みです。

就学援助を希望する場合は、申請書および要件ごとに指定されている必要書類を準備して、教育委員会に申請します。通学予定の小学校を通して申請することも可能です。就学援助制度の概要や支給額、申請方法の詳細は、福岡市の教育委員会に確認してみてください。

福岡市「就学援助について」

児童手当

児童手当は、中学校卒業までの児童を養育している人を対象に支給されます。支給額は以下のとおりです。

児童の年齢

1人あたりの支給月額

3歳未満

一律15,000円

3歳以上 小学校修了前

10,000円(第3子以降は15,000円)

中学校

一律10,000円

小学校に通学する間は、子ども1人あたり月々10,000円、第3子以降は月々15,000円が支給されます。毎月支給されるわけではなく、原則として6月、10月、2月にそれぞれ前月分までの手当が支給される仕組みです。

ただし、児童手当には所得制限や所得上限が設けられています。扶養親族の数や収入によっては、手当が減額・支給停止となる可能性があるので注意が必要です。

学校給食費の無償化

一部の自治体では、学校給食費の無償化を実施しています。文部科学省によれば、2017年度(平成29年度)に小学校・中学校の学校給食費の無償化を実施したのは76自治体です。全体の約4.4%と少ないものの、今後は広がる可能性もあります。

小学校の学費に備える方法・考え方

小学校の学費に備える際は、以下の点を意識するといいでしょう。

公立・私立の選択は慎重に行う

小学校にかかる費用を抑えたい場合、公立と私立の選択は慎重に行うことが大切です。小学校6年間の学習費総額は、公立に比べて私立は約5倍高くなります。子どもを私立小学校に通わせる場合は、学費が家計を圧迫しないかを見極めましょう。

自治体の学習費や支援制度を調べる

小学校の学費が払えるか不安を感じる場合は、自治体の学習費や支援制度を調べるのが有効です。小学校にかかる費用の目安を知ることで、準備すべき金額が明確になります。状況に応じて就学援助制度を利用すれば、家計の負担軽減が可能です。

塾や習い事は必要なものだけに絞る

教育費は子どものために払うので、支出を抑えることに抵抗があるかもしれません。しかし、際限なく支出が増えると、家計を圧迫する要因となります。小学校にかかる費用を抑えたいなら、塾や習い事は必要なものだけに絞りましょう。

中学校以降の教育費の計画も立てておく

教育費がかかるのは、小学校だけではありません。中学校以降はさらに支出が増え、大学進学時にはまとまったお金がかかります。小学校の学費だけでなく、中学校以降も見据えた資金計画を立てておきましょう。

積み立てを活用して計画的にお金を貯める

小学校の学費に備えてまとまったお金を貯めるには、積み立てを活用するのが有効です。収入の一部を貯蓄に回すことによって、無理なく必要なお金を準備できます。児童手当は使わずに貯めておくなど、計画的に教育資金を準備することが大切です。

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まとめ

小学校にかかる費用は入学時と高学年で支出が増える傾向にあるため、計画的にお金を準備することが大切です。経済的に苦しいなら、就学支援制度の活用も検討しましょう。急な出費に備えたい場合は、西日本シティ銀行の「NCB キャッシュエース(カードローン)」を活用してみてください。

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